パレスチナ開発

今回はブログを始めてから殆ど記事のないパレスチナのもの。
この地域のニュースは地勢学上、イスラエルとの国境地帯に建設された壁とか、難民キャンプの衛生設備など、どうしても暗いものになりがちです。

今回は少し明るめのもので、英国の建築専門誌に記載されたWest Bank development to reconnect Palestinians to their landとこれに関連する記事をまとめてみました。

最初の記事は12月9日付けのNCEに載ったもので、ラマラ(パレスチナ自治区の統治下にあるヨルダン川西岸の都市)から北に13km、車で20分のRawabiという地域に、3万人が居住できる町を開発する計画が進んでいるというものです。この町の大部分はパレスチナの保護管轄下に建設されるもので、投資資金の大部分はラマラを本拠とするMassar Internationalの子会社であるBayti Real Estateが行う予定です。親会社のMassar Internationalはモロッコのコミュニティーでも、同じような取得可能住宅プロジェクトを実施しています。

3万人が居住する都市の開発ですが、現在このRawabiには既存のインフラは全く無く、道路、水道、電気、すべてを建設・敷設することから事業は始まります。
Massar Internationalの関係者はヨルダン川西岸地区の占領区域に新しいパレスチナ人の町をつくることは、何千人ものパレスチナ人に雇用の機会を与えることに繋がると期待を込めて発表しています。長年にわたりパレスチナは、基幹産業の発達は無く、GDPも下がる一方ですし、人々は海外支援を当てにして生活するという支援漬け状態です。住宅も約20万戸不足しているそうです。戦乱状態にある地域へ投資は進むはずが無く、爆撃があればインフラや住宅が破壊されるのは当然で、ですから、このRawabi開発には約5000戸の住宅開発も含まれているそうです。

Middle East Business Intelligenceの6月26日号にAecom to carry out masterplan for West Bank townという記事があり、このプロジェクトのマスタープラン作成に米エンジニアリング企業のAecom社傘下の5社によるコンソーシアムが雇用されたという記事があり、第1期建設工事(1億5000万ドル)は今年(2008年)の末までに開始される予定だと記されています。

これとは別に2008年5月29日付けのエコノミスト誌はIt all depends on the politicsというタイトルでパレスチナ経済についての記事を載せています。これによるとベツレヘムでパレスチナへの投資セッションが開催され、多くのビジネスマンが参加したとあります。この記事で目を引いたのは、「主催者によれば、このセッション期間中に新しい携帯電話企業による6億500万ドル投資やRawabi建設の3億500万ドル投資を含め14億ドルの契約が結ばれた」とあることです。

このセッションで急にこれだけの額の投資が決まるわけも無く、以前から交渉されていた案件の発表場所としてこのセッションが設定されたのですが、ユーロがまだ160円台をつけ、原油価格が1バレル140ドル台であった時に決まっていたこのプロジェクトが、逆境にもめげず始まったということは、本当に喜ばしいことです。
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by fukimison | 2008-12-17 11:14 | プロジェクト  

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