ロンドンの新空港、ジョンソン市長の夢?

英国の空港といえばヒースロー、最近の話題はこのヒースローに第3滑走路を建設すべきか否かで、最終的に建設が決定されたのですが(2015年から2020年に完成予定)環境や騒音基準にあわせるとなると、年間125,000便の利用しか見込めません。この数字は当初計画に比べ222,000便も少ないものです。ここまで少なくては建設する意味が無いような気がします。

そこで浮上するのがロンドン市長のボリス・ジョンソン氏が市長選にかかげていたテムズ川の河口に建設する空港用の人工島建設です。これの記事はおそらく2008年2月のTimes Onlineが一番詳しいかと思います。

政府がヒースローの第3滑走路建設を承認したにも係らず、この計画に反対するジョンソン市長はテムズ川河口の空港建設予定地へ現地視察に出かけたりして、実施に熱心です。その記事がGuradian紙のLook seriously at Thames estuary airport, Boris Johnson tells politiciansです。

この記事によるとジョンソン市長は関係地域の市長や土木技術者でこのプロジェクトのフィージビリティー調査を行うDoug Oakervee氏と共にボートで現地を視察し、計画実施に意欲を見せたとあります。このOakervee氏ですが香港の空港プロジェクトに係り、現在はクロスレイルの取締役でもあります。(このクロスレイルプロジェクトもなかなかの大工事でインフラ好きにはたまらないものがありますが、このお話は後日)

当然これに反対する人々がいます。テムズ川の河口ということで野鳥の生息地が脅かされる、人工島建設によるエコシステムの破壊、騒音や環境汚染を心配する住民、なかでも目を引いたのが、つい先日のニューヨークで起きたUS Airの事故に言及していることです。あの事故の墜落原因はエンジンに野鳥が巻き込まれたことだといわれていることから、その二の舞を恐れる意見がちょっと目新しい。冬だけで20万羽の野鳥が飛び交うテムズ河口であれば、確率はありそう。

ロンドン市議会の環境委員会開催を前に労働党で環境担当スポークスマンのQureshi氏は、ジョンソン市長の提案を「ジョンソン市長は混雑課金ゾーンを半分にし、低排気ガスゾーンを延期し、市庁の環境チームをずたずたにし、今度は環境に致命的な打撃を与える空港をテムズ川に新設しようとしている」と手厳しく批判ケンモホロロに否定したとNCEにあります。

川や海岸部の空港は陸地にある物に比べ、総合的に良いように思います。でも関空の例もあるように、地盤沈下や都市からのアクセスを考えると費用とその対価に疑問を感じるものでもあります。空港騒音に悩み、訴訟を起す人の気持ちは、恐らく、騒音の無かった昨日と同じ日を過ごしたいと思い、それを要求しているだけだ、といったものじゃないかなと想像します。

必要なインフラ、でも歓迎されないインフラの1つです。
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by fukimison | 2009-02-05 10:45 | 公共財  

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