米州政府ダム安全担当者協会、ダム改修に500億ドル必要

いろいろとニュースがあったので少し古いプレスリリースですが、私たちの生活にも関係する恐れがあると思うのでお知らせです。
欠陥のあるダムの修繕計画への予算を政府に求めているアメリカのThe Association of State Dam Safety Officials (ASDSO:州政府ダム安全担当者協会)という機関は、2009年1月29日にInvestment in Infrastructure:Focus on Damsというプレスリリースを発表しています。

このリリースによれば、high-hazard-potensital ダム(人命にかかわる事故が発生する確率の高いダム)の修繕費用160億ドルを含め、アメリカ全土で修繕が必要なダムの総修繕費用は500億ドルにのぼるそうです。2003年の報告書はhigh-hazard-potentialダムが101億ドルで総額は360億ドルであったことから比べると、大変な伸びというか上昇を示すものとなっています。この160億ドルが必要なHHPですが、公的機関が所有するダムで87億ドル、民間所有のものが73億ドルの割合だそうです。

アメリカ国内には洪水防止、水力発電、給水、灌漑目的のダムを含め85000のダムが規制下にあります。米工兵隊(米国では公共の堤防・水路・ダムといったインフラは陸軍工兵隊の管理下にあり、2005年のハリケーンカトリーナでニューオリンズの堤防が決壊した原因のかなりの部分は工兵隊に帰せられます)が管理を行っている国家ダム統計の最新資料によれば、欠陥のあるダムの数はこの5年間で36%増加したとあります。

この85000あるダムのうち、連邦機関が管理するダムはたった4%だけで、残りは民間や地方行政の所有です。ダムの経年劣化、下流域の開発、ダムの設計や建設基準の進化によって改修が必要になるダムは増え、しかし改修費用は巨額に上ることから官・民を問わず、支払える機関は殆ど無いのが現状です。そこでASDSOは提言として、連邦機関が所有しないダムの維持管理費用の65%を負担する連邦基金とそれを可能にする法令の設置を求めています。

このレポートの最後に米国のダム所有状況の円グラフがあるのですが、民間所有が65%、地方行政所有が20%、ここでもう85%に達しています。さらに恐ろしいのは所有者不明のダムが4%あることです。ダムといっても溜池みたいなのからフーバーダムのような巨大ダムまで含んでいるのでしょうが、85000の4%は3400ですよ。所有者不明のダムというか溜池というか貯水池が3400もある。日本では考えられないことです。
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by fukimison | 2009-02-12 15:42 | 公共財  

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