バターシーのエコタワー計画撤回

景観とインフラのことを考えるブログのはずなのになぜか経済系の話題が多くなってしまいます。これは景観系の記事が少ないというのが最大の問題なのですが、そんななか、久しぶりにロンドンで賛否両論だったエコタワー計画が撤回されたという話題です。

まず2月26日付けのBuilding誌にViñoly’s glass chimney axed from Battersea designという記事がでました。

まずこのヴィニオリ、東京国際フォーラムを設計した建築家です。これでわかるようにガラスを多用するので有名です。そこでガラスの煙突(glass chimney)がなんとなく分る気がします。
つぎにBattersea(バターシー)ですが、これはテムズ川の川べりにある4本の巨大煙突で有名な石炭火力発電所です。石炭火力発電所ということで1982年に閉鎖されまた。

開発業者のTreasury Holdingsは2007年にバターシーを4億ポンドで購入し、40億ポンドをかけ750,000平方mの複合利用を行うバターシ発電所の再開発計画をたてていました。その目玉がヴィニオリによる高さ300mガラスの煙突(透明な煙突という記述もあります)とその下に広がるエコドームでした。ヴィニオリのプランでは、この高さの煙突によりその下のエコドームは機械的な冷却装置を設置せずに、新鮮な大気を取り入れることが可能となるもので、 Treasury Holdings社の持続可能戦略の核となるものです。

しかしこの煙突は計画の中で最も議論をよぶものとなっていました。ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏や都市開発担当者は建築家や開発業者に対し国会議事堂や世界遺産のウェストミンスター寺院へ与える影響について懸念を表明し、この計画に反対の意を唱え、建築および歴史建造物保存団体も煙突がロンドンのスカイラインに与えるインパクトについて問題を提起していました。RIBA(イギリス建築士会)前会長は「ロンドンの脅威」とすら評していました。

この計画がCommission for Architecture and the Built Environment(CABE:建築都市環境委員会・デザインレビューやアドバイスについて法的拘束力はないものの、都市プロジェクトに関する助言を行う政府の行政機関)に提出されたのですが、その前にCABEのデザインレビューパネルは煙突、エコドームおよびマスタープランについて大変批判的なことは分っていたことから、この煙突なしの計画がヴィニオリ自身から提出されたそうです。

Building Designにも同様の記事Vinoly's Battersea eco-tower scrappedがあり、その中にそのイメージがありますが、ウェストミンスター寺院の間から見える煙突、これはイカンでしょう。

2008年12月に300mを250mに変更するといっても聞き入れられず、最終的に煙突ナシ、エコドームも規模縮小となった計画書提出です。

とりあえずメデタイ
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by fukimison | 2009-02-27 18:41 | 景観  

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