英、開発業者倒産によりエジンバラの大型再開発頓挫

この2週間お休みしていた間、パリのシャイヨー宮にある建築博物館を訪ねました。本当は教会建築の推移や近代建築発達史が圧巻なのでしょうけど、私としてはオスマン前とオスマン後の差をしめしたパリ市模型が一番面白かったです。

久しぶりのインフラあれこれでは日本のWBC勝利並みの明るいニュースをと思って探したのですが、このご時世です、やはり重めの物になってしまいました。

3月24日付けの英建築専門誌のNCEはエジンバラで計画されているCaltongate再開発事業の開発業者が倒産したことをトップで伝えています。Caltongate scheme in jeopardy as developer goes in administration

このCaltongateとはエジンバラのOld TownのRoyal MileとEast Market Street間を3億ポンドかけ再開発するプロジェクトで、5つ星のホテル、会議場、1500人収容の音楽ホールを併設した街区やオフィス・住宅建設を行うものです。Royal Mileはホリールードハウス宮殿とエジンバラ城を結ぶ約1マイル道路で中世の風情を残すオールドタウンの中心的存在、そこの一部を再開発するのですから歴史建造物をいくつも解体するわけで、計画発表以来この地域の歴史的価値を損なうとして東京の中央郵便局と同様に大きな批判にさらされてきました。

関連記事を探したところ2006年5月のBDにMurray defends plans for Edinburgh old townという記事があり、Cockburn Associationとthe Edinburgh World Heritage Trustが共同でこの計画を批判する声明をだしたというのがありました。

それはともかく、この再開発プロジェクトを押し進めていたMountgrange Capital という開発投資企業はスコットランド銀行が開発資金支援を拒否したため、破産申請の手続きに入ったということです。

CaltongateのサイトをみるとMountgrange Capital considers funding options という声明文のみになっており、これによると同社が手がけているプロジェクトは商業的価値があり、いろいろな支援策を模索しているとありますが、全体として英国の金融環境が悪く貸し渋りの被害者だみたいなトーンです。

一方計画に反対してきた保存団体は、この計画が持ち上がった最初から我々が主張してきたように、投機的な開発はコミュニティーや環境にとり都市を持続可能に開発する方法ではないと声明を発表しています。

パースをみると高さはないのですが確かに現代建築で、細かった道が突然広くなり、広場に繋がっています。薄暗いイメージのあるオールドタウンのなかにこれらの建築が生まれるとだいぶ違和感はあるなぁというものです。ただオールドタウンの持つ中世の風情が消防車や救急車が入れないほど細い小道が迷路のようにつながっていることに結びついていることから、防災と中世の風情を組み合わせ再開発とは、どういうものが望ましいのか?反対派の考えるパースがあれば、知りたいものです。
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by fukimison | 2009-03-25 07:08 | プロジェクト  

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