2009 Arabian Power & Water Summit

いろいろと雑事に追われ、コンスタントに更新ができなくて残念です。
本日の記事は3月31日にアブダビで行われたArabian Power & Water Summit(中東地域電力&水サミット)です。
これは中東地域のインフラ経済雑誌であるMEEDが主催するもので、今年で6回目になります。その中で注目すべきは31日の午後のセッションでIAEAのPradeep Aggarwalさんという専門家によるnuclear energy and water resources というスピーチで、これについてMEEDはGulf at crossroads over nuclear powerという記事を出しています。

いわゆる原子力大国は米国、ロシア、中国、英国、そしてフランスで、特にフランスは原子力発電が半分を占めるから、CO2削減を目指す京都議定書締結で涼しい顔をしているというのは良く知られていることです。でもベルギー、リトアニア、スロバキアが消費エネルギーの半分以上を原子力に頼っているとは知りませんでした。

原子力発電は温暖化ガスを発生しない、ウランの使用量はごくわずか、火力や水力発電に比べ発電量はけた違いに大きいし運営費は低いといい事ずくめのように言われます。しかしこの記事にもあるように建設費は巨額ですし、原子炉を廃炉にする費用を勘定にいれると1キロワットを発電するのに8,000ドルがかかることなるとあります。8,000ドルという数字は始めて見ました。

そして記事は「これは建設可能なものとして、最も小型の原子力発電所は750,000キロワット程度であるが、その費用は60億ドルにのぼり、それは同規模の発電力を持つ従来型発電所費用の6倍超となる」と続いています。

費用もさることならが、原子力発電は濃縮ウランや兵器用の核分裂物質製造へと繋がります。だからこそ世界は北朝鮮やイランの原子力発電を疑問視し、IAEAはウラン濃縮を一元管理するとか厳密な管理下における実施を目指しているわけです。

次に放射性廃棄物の問題があります。誰であれ、放射性廃棄物の処理場が近所に建設されるのは大反対。そうなるとどこへも持っていけず、米国のように発電所内に保管することになり、費用もかさむし危険係数も高くなります。

そして3番目が事故、以前はチェルノブイリの事故みたいにヒューマンエラーや細管の破砕や自然災害といっても大型地震が言われていましたが、現在はカトリーナ級の台風が発電所をおそったらという、想定外の自然災害による事故の危険も無視できません。

中東はあれだけ太陽光に溢れた地域なのですから、建物の断熱を高めることで消費電力が10%はカットできますし、これに加え太陽光発電をもっと利用する方向へ持っていくほうが長期的にはお得だと思われます。

日本企業は海水の淡水化とあわせ、太陽光発電の逐電装置をもっともっと売り込みましょう!
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by fukimison | 2009-04-02 12:24 | 公共財  

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