チェルシー再開発でチャールズ皇太子が意見表明

チャールズ皇太子は建築、特に景観について一家言をお持ちで、「英国の未来像-建築に関する考察」の中で掲げられた建築の10原則は景観について志のある方なら、大部分の方が納得するものだと思います。またチャールズ皇太子の財団は環境と景観に配慮し、なおかつ経済的にも成立する都市開発を実践していたりします。

そんなことからチャールズ皇太子の建築対する発言はけっこう辛口で、景観擁護派の私はいいなぁ、とひそかなファンです。

その皇太子の発言・行動が批判を浴びていると言う記事がBDにでました。それは4月6日付けのPrince Charles urges Chelsea Barracks owner to scrap Rogers Stirk Harbour designというものです。

まず背景を少々説明します。
Chelsea Barracksとは英国防省が所有する5.2haの土地で、2007年にカタールの王族が所有するthe Qatari Diar Real Estate Investment社とCPCグループで構成されるDeveloper Project Blueが10億ポンドで購入し、再開発をめざしていました。開発計画は建物の高さや規模の低減や緑地の拡大を求められ、またゲーテッドコミュニティーだと批判を受けていました。このあたりに関しては2008年8月のRSHP plan for Chelsea Barracks under attackの記事が面白いし、パースを見ると確かに住宅部分と公開空地部分が分離していて変です。でも雑木林のような空地が用意されるはうらやましい。

本題に戻ると、チャールズ皇太子が個人的にこの土地の所有者であるカタールの企業にコンタクトを取り、彼らの開発計画、(近代的なガラスやスチールの建物)は隣接するクリストファー・レン(17世紀の天文学者であり建築家、ロンドン大火後のセントポール寺院の修復やバロック建築を英国に取り入れたことで有名)が設計したRoyal Chelsea病院とそぐわないと再考を申し入れた。この皇太子の行動は立案過程で干渉すべきでないと考える多くの論者の怒りを買ったというものです。

ではどのような開発計画かというと、設計はリチャード・ロジャースのRogers Stirk Harbourが行っており(ロジャースはモダニズム・ハイテク系の建築を行い、2007年のプリツカー賞受賞者です)当初は640戸の住宅が複数棟に分けられて建設とされていましたが、各界からの反対により、住宅戸数を減らし空地を広げることで決着しました。

そこへ持ってきての皇太子の反対なものなので、前ロンドン市長のリビングストン氏がロジャースは英国の誇る立派な建築家だとか、事業主のカタール企業はロジャース案を支持しているとかいろいろな意見があげられています。

近隣の既存建築物との調和は必要なことだと考えますし、自分の意見をはっきりという皇太子の態度、私には好ましく感じられます。

景観・環境に配慮し、維持管理計画もきちんとした再開発、これはどのような種類の開発であっても基本の基であって、これをベースに地域としての自立可能性が加味されるべきと考えます。
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by fukimison | 2009-04-07 11:02 | 景観  

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