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英、最高ランクのエコ住宅販売へ

英国は持続可能な住宅建設に熱心です。これに関しては以前もエコ住宅開発ということでお伝えしてきました。英国の場合、環境に配慮した住宅建設について厳しい取り決めがあり、この基準に見合ったもののみが環境配慮型住宅を名乗ることが出来ます。これについてはDepartment for Communities and Local Government が発行しているCode for Sustainable Homesまたは国土交通省のサイト内にある慶応の伊香賀先生の報告をご参照ください。

本日お伝えするのは6月4日付けの英Building誌に掲載されたBill Dunster completes first code level six homesという記事です。

まず、Bill Dunster氏ですが、英国を代表するエコ建築家でピーボディー財団が事業主となって実施されたBedZEDプロジェクトの設計家として有名ですし、建築家というだけでなく持続可能な住宅・都市建設の伝道師的な存在の方です。
次に持続可能な住宅基準とでも言うのでしょうかCode for Sustainable Homesですが、レベル1からレベル6まであり、数字が大きくなるにつれて厳しいものになりレベル6はZero Carbon Homes(CO2を全く排出しない住宅)です。

始めて市場に登場したレベル6の住宅ですが、ノーサンプトンシャー州のUptonという場所にある6軒の住宅です。うち2軒は賃貸、2軒は住宅分割所有権制度(住宅を所有部分と賃貸部分に分割して販売するもので、低所得層向けにも住宅購入を促進する制度)残りの2軒が販売されるということです。持続可能住宅は優遇税制が付与されていますので、レベル6なので登録税はかからない予定です。

どの様にレベル6がクリアしてあるかというと、住宅が必要とする電気は屋根に設置された太陽光パネルを利用し、水は太陽熱パネルを利用して温められます。この太陽熱パネルですがバイオマスボイラーがバックアップ用に用意されているそうです。Dunster氏が過去に建設した建物から考えると、自然の通風やサンルームの利用も併用していると思われ、おそらく必要なエネルギーは全て自然エネルギーで賄われていると思います。
住宅は木骨作りで建設されておりm天井と壁の内張りは日中に得られる熱を十二分に溜めておけるエコ・コンクリートで造られていますし、各住宅は貯水タンクも設置されています。

気になるお値段ですが、従来工法の住宅に比べ費用は10%ほど高くなっているとのことです。
2007年のBuilding誌にやはりDunster氏の記事があり、この中で同氏は1平米あたり1,750ポンドかければレベル6の住宅建設は可能だとしていました。太陽光パネルや風力発電技術もあがり、それに比べれば値段は下がっていることから、住宅価格は高くてもエネルギー費用がかからないということで長期的に見ればバーターできるでしょうけど、でも本当に10%程度の費用増加でゼロカーボン住宅が建設できるものでしょうか?

by fukimison | 2009-06-08 16:40  

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