チェルシー再開発白紙撤回

土日は休むことに決めているのですが、イギリスの都市開発制度に関心を持つわたくしとしては見逃すことのできない記事だったのでおしらせです。

6月11日付け建築専門誌のBD誌はチェルシー再開発について、ウェストミンスターのプランナーによる正式な報告書(122ページ)はガラスとスチールのモダニズム建設、17棟に548戸の計画を支持し、18日の決定委員会を前に現行計画大きく前進と伝えました。

そうしたらなーんと12日、お金の出し手であるカタールの王様は申請書を取り下げたという記事がでました。

個人的に面白いと感じたことをいくつか、

行政系の報告書はどこも同じ

1、この計画は取得可能住宅の建設が含まれており、これは同区議会の住宅目標に貢献することで歓迎すべきだ
2、住宅が過密であるという申し立てに対し、政府のガイダンスは都市部の高密度計画を奨励しているとすげなく却下
3、周囲の歴史的景観に対しモダンな六角形のパビリオンはそぐわないという申し立ても、ことのほか高品質の計画と絶賛
4、地元にとり、5.18haの敷地にホテル、スポーツセンター、コミュニティーホール、店舗、レストランが建設されるが問題とはいえない。

こんな報告書が提出され、しかも購入してから2年半、開発に向けた下準備に3000万ポンドも費やしていたのに、Qatari Diarは計画を取り下げたのです。

10日ぐらい前からカタールは嫌気がさしているので、取り下げるらしいという報道はありましたが、現実となりました。

カタールはロジャースよりもチャールズ皇太子との友好関係(今回のケースは貸しになりますもの)を作る、イギリスの世論はチャールズに傾いていた(報告書は反対意見が400超寄せられたと明記)ことからこれを逆なでするのも得策で無い、おそらくロンドンの開発業者との合弁会社設立契約書も何かあった場合の収め方が記載されており、凄い額の賠償を支払わなくても済むといった総合判断がくだされたものを想像します。

建築家のロジャースは10億ポンドの再開発計画が消えて「とても残念だ」とコメントを発表(それはそうでしょう。この不況下、大型案件は中止や延期が相次いで、建築設計事務所はどこもリストラの真っ只中です)

Qatari Diarは改めてコンペを行うとしていますが、チャールズ皇太子のPrince's Foundationを含め複数の関係者と協議をしていく予定と発表

チャールズ皇太子の完勝!

チャールズ皇太子が嫌いなロジャースのビルはこちらです。
近未来を舞台にした映画のセットに向いていると思います。
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by fukimison | 2009-06-13 10:53 | 景観  

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