英国、大規模開発におけるチャールズ皇太子の存在

これまで数回にわたりチェルシー再開発の話題をお伝えしてきました。開発手順、景観、地元住民と地元議会、開発事業者や建築家の問題のみならず、チャールズ皇太子がかかわったことで憲法議論にまで波及してゆく英国、それに比べ、単一的な建設反対や建物保存運動に終始してしまい、分厚い建設・景観・都市開発問題に広がらない日本、残念です。

どのような決着がつくにしろ、オープンで時間を切らない、せめて大規模開発であれば年単位で議論し、その議論に地元住民が中心となって係るのは当然ながら、その地への通勤・通学、そして遊びに行く人々も加わった意見の場、そしてそれが取り上げられるデュープロセスの保証が決め手に感じます。そんなこんなで、もうすこし英国の景観形成、とくにチャールズ皇太子の存在に注目して行こうと考えました。

その第1回目は6月19日のBuilding誌に掲載されたPrince Charles given say in major London schemesで、同誌は「バターシ発電所やキングスクロス再開発プロジェクトを含め、ロンドンの数ヶ所で行われている大規模再開発の事業者は、チャールズ皇太子の計画介入によって引き起こされる損害を避けるため、定期的に皇太子と計画のチェックを行っている」と伝えています。

このことはチャールズ皇太子の圧力によりロジャースの設計になるチェルシー計画がが撤回された後、キングスクロス計画(800万平方フィート)とバターシー発電所再開発計画の開発事業者であるArgent および Treasury Holdingsが、両計画は皇太子に提示されていたことを明らかにしたことによる。

6月16日に行われたBritish Property Federationの年次総会でTreasury Holdingsの取締役はバターシー発電所再開発計画に言及した際「チャールズ皇太子と設計に関し協議を行った」と述べた。さらにAgent Group創始者もキングスクロス計画も同じように行っており、「皇太子は大きな影響力を持っている」と述べた。

Igloo社(開発事業者)の役員は、大規模開発においてクラレンスハウスと協議することは慣例となっている。しかし 個人的な考えでいえば、「皇太子の考えに大部分は同意するものの、皇太子が非常に大きな影響力を持っているのは不適切だであり、それは正しいことといえないだろう」と述べた。

チャールズ皇太子はそこまで水面下でかかわっているのかと驚いたら、逆に「British LandやHeronといった開発業者は、皇太子と計画協議を行わない」と述べたとあり、どうも皇太子から意見は付されるけれど、当然ながら強制力はないといったところなのでしょう。
いわゆる見えざる手というか、影の声といったものだと想像します。

では、今回のロジャーズはどうして表にでてきたのかという疑問がありますが、それはいろいろな意味での程度問題だということでしょうか?
[PR]

by fukimison | 2009-06-22 10:01 | 景観  

<< AFIREのインフラ投資レポート 中国、2020年までにエネルギ... >>