英国の空き店舗率

景観・インフラに関係する記事を好きなように紹介していますが、本日はちょっと本題とは違うのだけど、根は同じようなものだということとたまには良いかなということで選んでみました。

元ネタはBritish Property Federation(英国不動産連盟・BPF)が7月に発表したプレスリリースSHOP VACANCIES TREBLE AS HIGH STREETS BUCKLE UNDER BROWN'S EMPTY PROPERTY TAXです。

一昨年のサブプライム、昨年のリーマンショックと来て世界的な金融不況、原因は米国なのになぜか欧州での損害の方が大きく、このリリースも「イングランドおよびウェールズ全体における空き店舗数は前年の4.5%から12%へと増加したことが、Local Data Company社の全国を対象とする総合調査により判明した。」というなかなか刺激的な文章で始まります。イングランドとウェールズで12%ということは、法体系が別であっても景気はイングランド・ウェールズに作用されるスコットランドを加えるともっとあがるのかしら?

地域的に見てゆくと、南東の端、地図で見るとフランスのカレーの上のあたりにあるケント州Margateの空き店舗率が5%から25%に上昇しており、最も打撃を受けた地域の1つとして上げられますし、ダービーは8%から22%へと増加しています。BPFがこのリリースを発表しているのですから、「これらの驚くべき数字にも係らず、政府はlease holder(賃借権者)に一切の軽減措置を与えない事業税率を課すことで、空き不動産に課税を行い続けている」 と続きます。

さらにBPFの主張として「非小売目的としてより効率的に空き店舗が利用できるよう、建物の利用変更を再考するとともに、空き不動産課税(Empty Property Rate:EPR)の完全撤廃」を掲げています。EPT税は誰が賃借していようと所有者が支払う、これは長期リースを行った場合、これを借りる用益者も影響を受けることを意味する。BPFはこれは失業者に所得税を課するのと同じことだと主張し、同法の完全撤廃を求めるとしています。

このEPRについて少し調べたところ、2008年4月に施行されたもので、3ヶ月以上空き家の不動産、6ヶ月以上借り手の無い事業地に課税されるものだそうです。政府としては課税されるぐらいなら、安い家賃で貸し出すように所有者に働きかける、所謂ブラウンフィールド(環境汚染などで利用されなくなった工業地)の再開発促進を目指したものだったようですが、実際は思惑どおり運ばなかったようです。

BPFの主張で面白いと感じたのは、「不況は繰り返し起きるものだが今回は不況なのにインターネットの売り上げは高いことだ。市井の小売店はより建物の利用に柔軟になり、サービスや娯楽を提供していけるよう考えるべきだ」としている点です。
そのうち日本にもEPRは登場するでしょうか?
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by fukimison | 2009-08-27 11:19 | 動向  

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