ロシアの景観紛争

本日はなかなかニュースがでないロシア、しかも景観紛争です。
場所はサンクトペテルブルグ、その昔ロシア帝国と言った頃の首都です。
モスクワに対するサンクトは東京に対する京都みたいなものだろうと想像します。

そのサンクトで400mの高層ビル建設計画が持ち上がり、住民説明会は乱闘に発展したというのが本日のお話です。(このあたりとてもロシア的と思うのは、ステレオすぎるでしょうか?)

The St.Petersburg Timesは記事Violence Flares at Gazprom Tower Hearingで「9月1日に行われた3度目、そして最終となる高さ400mのガズプロムタワー公聴会で暴力沙汰が発生した」と伝えています。ガズプロムはロシア最大のエネルギー会社で、これもまた世界最大の建設企業RMJMの提案する超高層ビルの建設を目指しています。

古都サンクトで計画される400mのビルです、同市の景観保護主義者や多くの住民は、このタワーによりサンクトのスカイラインや景観が阻害されることを懸念しています。記事を読むと平服警官や警備員が配置され、暴力沙汰の結果7人が逮捕されたとあります。公聴会が開かれたカレリアホテルは中も外も警備が厳重で、会場に至るまでにセキュリティーチェック3カ所、金属探知機2カ所を通るとあります。

公聴会は4時間ぶっ続けで行われ、また350名収容の会場に多くの人が詰め掛けたため、通路に立って参加できたのは良い方で、会場、人によっては建物にすら入れなかったそうです。記事によれば住民対策会社が雇った有償賛成者が先に入場していたようです。

この会の目的がサンクトの高度地区規制、48mより高い建物は建てられないというゾーン規制を変更しようというのがわかると、この旧石器時代的なやり方があきれながらも理解できます。

9月2日付けのBD誌のClashes over RMJM's Gazprom towerによれば、ユネスコはこのタワーの建設が実施された場合、サンクトの世界遺産は剥奪されるだろうと警告を発しています。ユネスコの警告はこちら

なかなかスキャンダラスな計画で、2006年にRMJMがコンペでまさかの入賞を決めた時、審査員として参加していた著名な建築家が退席しています。(この中にはかの黒川紀章氏も)

RMJMは声明で「サンクト市は建築規則や高層建築への規制を見直している最中だ。100mを越えるビルの建設規制変更に向け、市議会が最初のステップであり、当社はこれに向け議会をサポートするものだ」としています。

といいながらも、金融収縮の影響を受けるロシア、サンクト市行政はこの計画に資金の40%を提供すると言ってたのですが、建設費が30億ドルに登ることから撤退を表明、しかしガズプロムは自己資金で全て賄うとしています。
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by fukimison | 2009-09-04 11:59 | 景観  

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