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トルコの大洪水、原因は無秩序な都市化?

トルコで大洪水が発生し大きな被害が出たことは日本でも報道されています。
9月10日付けのBBCはTurkish flood death toll risesと報じています。この記事を要約すると、イスタンブールから北西トルコを豪雨が襲い、死者31名、行方不明者多数を出した。この豪雨は過去80年で最大のもので、8日(火曜日)9日(水曜)の豪雨のあと大洪水が発生した。道路は突然水没し、場所によっては数フィートの深さにまでなり、人々はバスの屋根に坐り込んで助けを求めた。
イスタンブールで最も被害が大きかったのは欧州とアジアを分けるボスボラス海峡西側(ヨーロッパ側)の低地地区で、同地域は以前から排水不備による被害に悩まされていた。一方で他の地域、例えばスルタンアフメットといった観光客が多く訪ねる歴史地区は殆ど被害を受けなかった。

こういった情報が建築専門誌になるとちょっと代わります。
9月10日付けのNCE誌は記事のタイトルをUrban chaos 'caused Turkey floods'と伝え、洪水の原因に焦点を当てた記事構成になっています。

そして記事はインフラの不備と無秩序な都市開発がトルコ最大の都市、イスタンブールに壊滅的な被害をもたらした洪水の原因であり、その結果排水能力が追いつかず、都市の中心街を鉄砲水が襲うことを許したと報じています。
さらに記事は、高さ6フィート(1.8m)の水が滝のように主要道路から商業地域までを流れ、多くの死者を出したと続きます。そして何十年にも渡り地方からへ人々が流入することで、イスタンブールは急激に1500万人強の巨大都市に膨張し、その間インフラ整備が行われずに開発されたことで、ごく少量の雨ですら処理できない都市となった。WWFの理事は自然の水路が捻じ曲げられたり無計画な開発がなされたことで、降雨が海に排水されなくなったと述べたとしています。

インドでも今年7月に、オリッサ州、コナラクの世界遺産にしていされた太陽寺院(13世紀のヒンドゥー寺院)が洪水で3フィート(0.9m)の水に浸かっています。これを報じる記事Insufficient drainage blamed for India floodsも不十分な排水設備が原因で洪水発生としています。

排水設備は必要なのですが、都市化による伐採で山林、丘陵地帯の保水力が落ちている、温暖化による一転集中的な豪雨など単にインフラ不足と断じ難いなぁと感じます。

by fukimison | 2009-09-11 10:12 | 事故  

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