世界デザイン都市会議

22日(月曜)から25日(木曜)までソウルで開催された世界デザイン都市会議(Wrold Design Summit)に参加していました。この世界デザイン都市会議は国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)が中心となって実施しているもので、2008年にイタリア・トリノで開催されソウルが第2回目です。ソウル市は相当な力の入れようでした。(ニュース

日本から名古屋・神戸という大都市とならび人口8000人強の真鶴町が招待されたのですが、なぜ真鶴というかといえば、今から15年ほど前に導入された自主条例(美の基準)が韓国で報道されたのがきっかけです。建築物の規制はどうしても数値主義になります。(例;高さ10m、容積率250%という具合)真鶴は住民集会・アンケート・ヒヤリングを通して、地域住民が美しい、良いと思うものを洗い出し、それを建築物が尊重すべきキーワードとした条例をつくり、これで規制を行っているという世界でも珍しい町で、そのことが評価されての参加でした。

その独自性をアピールする場としてこれ以上は無いチャンス、その美の条例英訳化に係ったことから、リエゾンとして参加してきました。
(写真は韓国メディアからインタビューを受ける真鶴町長)
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韓国メディアの報道にもあるように、ソウルは都市力をあげて投資を呼び込もうという意気込みに溢れていますね。WDCのサイトにもあるように世界各地から市長や都市行政の上級職員が参加し、どのような都市計画を行っているかプレゼンテーション、ワークショップを行う。その中で上手にソウルが環境・情報インフラの整備された都市計画をおこなっていることを提示、またバスで案内するというもの。

このバスツアーが素晴しく、なんと白バイの先導、そこまでするかというちからの入れようでした。組織団体はWorld Design Foundationといいますが、100%ソウル市の出資する財団が運営し、このサミットのほかデザイン見本市などのイベントを今後仕掛けていく予定です。このサミットは世界各地に投資を呼びかけるものであり、各都市の産業見本市への出展を促すものでもありました。

ソウルといえば高速道路を取り払い、市民が散策できる清流を取り戻したとして有名な清渓川(チョンゲチョン)が完成したのが2005年で、その頃からソウルは生活・情報インフラが十二分に整備され、しかも自然が手軽に楽しめる都市の創造を掲げていました。これは米学者のフロリダが提唱したクリエイティブ・コモンズが好む環境であり、魅力ある都市ということで観光客を呼び込む(盛んにソウルがN.Y.Timesが行った観光で行きたい都市調査で第3位にあげられたことを言及)ことができるというもの。

当然、ツアーにこの清渓川が組み込まれていましたが、個人的には川辺にカフェやアトリエがあると人が留まっていいのに残念(今は道路から階段を降り、川辺の舗装道を散策するように作られています)。豪雨の時の用心でしょうが、土の道の方が好きです。
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そして元野球場をデザインパークにするための建設現場へ(ザッハ・ハディッド設計)。全部で7層ですが、地下が4層、スロープによる移動、屋上緑化の徹底で全体としてのボリュームは抑えられた感があります。今後一層進む情報化を考えてた時、リジッドなハコモノはどうなのだろう、どの程度柔軟性はあるのだろうか?都心部に会議場・見本市会場があるのは有利ですが、従来のものを改修するほうがずっとお徳なのにどうなんでしょうね?

最後はこの大会の組織員の一員であるサムスンの本社ショールームへ、生活の質、機能美、取り揃えたデザインということだそうです。IBMのスマートプラネットの例もあり、都市計画にサムスンが参加するのは当然といえば当然。(韓国でスポンサーになれる企業を思い浮かべても、まあ、そうかなとも)

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怒涛のような三日間でしたが、世界各地のプレゼンテーションを見ると明らかに大都市の都市計画は投資呼び込み型になっていましたし、一方、真鶴的な住民参加型(従来のライフスタイルを守る系)はどうなのだろう?ジリ貧になるのか、貴重とされ人が訪れるようになるのか?住民は何を選ぶのか?

しかし美しい町、美しい建物とは、どういうものか?どういう生活をしたいのか?
原点ともいえる部分をもう少し詰める必要があると感じて帰ってきました。
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by fukimison | 2010-02-26 11:32 | つれづれ  

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