英、初の法人故殺法適用か

チリの大地震を起因とする津波が紙上を登場しています。時差もこれあり、津波の方に報道が集中していしまっていることから詳細情報が伝わってこないきらいもありますが、地震被害も相当なもののようです。先日はハイチでしたし、なんともいえません。

地震被害からの復興支援や耐震工法について建築技術者集団の活動をお伝えしようと思っていたのですが、2月26日付けのNCE誌にCorporate Manslaughter trial adjourned until Julyという記事があり、先日も英国、贈賄法の強化という記事をお伝えしたことから、英国法律事情ということでお伝えすることにしました。

26日の記事は法人故殺法で訴えられていたケースが被告人の健康上の問題から延期になったというものですが、まず法人故殺法とはどんな法律なのか?という疑問から選びました。ネットサーチをすると国立国会図書館調査及び立法考査局が2007年外国の立法「英国における企業の致死事件に対する刑事処罰の拡大」というタイトルで調査記事を出しています。この資料を読んでいくと「故殺は犯罪としては1つにまとめられるが、その中には、謀殺に該当しうるが、挑発や特異な精神状態等によって罪状軽減の事情を勘案できる状況のもとで行われた故意故殺(voluntary manslaughter)と、そうでない非故意殺(involuntary manslaughter)が含まれる。後
者はさらに、非合法及び危険な行為を遂行する過程で人を死亡させる不法行為故殺(manslaughter by an unlawful and dangerous act)と著しい不注意によって人を死亡させる重過失故(manslaughter by gross negligence)に分類される]とあり、今回のケースは著しい不注意によって人を死亡させる重過失故殺に問われているものです。

起訴理由は「2008年、グロスターシャー州・Stroud近郊にある住宅建設用地で、土壌サンプルを採集中の地質学者がトレンチ崩落により死亡」したことによるもので、Cotswold Geotechnical Holdingsという企業および同社重役がgross negligence manslaughter(著しい不注意によって人を死亡させる重過失故殺)に問われてます。26日の記事は起訴された重役さんの健康上の理由により審議が延期というものです。

有罪となれば、この重役は終身刑となり、企業は上限無しの罰金(unlimited fine)が課されるとあります。

これは英国のケースですが、先日の贈賄法に加えこの故殺法も、法人と責任者への立件を容易にする、厳罰化する(無制限の罰金)方向に進んでいることの現われに感じます。
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by fukimison | 2010-03-01 10:50 | つれづれ  

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