英、建設業界のこの頃

昨日に続き英国事情です。

まず、英国の大手不動産業者であるKnight Frank社の発表によればロンドン中心部の住宅価格は上昇し、2008年3月のピーク時と比してその9割がたまで戻しているそうです。これは3月1日に同社が発表したPeak residential prices being achieved in London againに詳しいです。コメントを読むと「2009年3月ごろから市場の回復が始まったが、その理由として低金利とポンドの下落が外国人バイヤーを呼び込んだことが揚げられる」とあります。

需要と供給のバランス、金利といった要素のほかに少し面白いと感じたのは「テムズ川沿いからカナリーワーフに至る地域の新築物件はアジアの投資家(香港、シンガポール、マレーシア、およびタイ)に人気であり、アジア投資家の需要は昨年の同時期に比べ120%の伸びを見せている」のあたりで、香港、シンガポールは頷くものがありますが、タイがロンドンの不動産かぁです。タクシン元首相の財産没収判決が出たり、これにまつわる抗議集会があったりしていますが、大きいのは2008年のタイ国際空港閉鎖でしょう。タイの投資家そのものが自国に不安を感じているのかなと想像します。

不動産は戻しているますし、コンサルや設計事務所も若干明るさは見えてきているけど、もう少し逆風が続くようです。少し前の記事ですが2010年2月5日付けのBuilding誌はConstruction firm failures down 15%として建設企業の回復状況を伝えています。

まとめると、2008年の破産軒数は468件、これをピークとすると2009年は427件で8.8%の減少だそうです。業界筋のコメントとして「英国は不況から脱したと言われているが、2009年の各四半期あたりの倒産件数は106件で、2008年の117件に比べればひくくなっているが、まだまだ業界としては安心できない」としています。
その証拠というか2010年3月1日付けのBuilding誌はHarry Neal goes into liquidationという記事を掲載しています。

Harry Nealは1886年創立のライオン印のついたchartered建設業で、歴史建造物の改修を得意としている企業だそうです。2008年には4000万ポンドの売り上げがあったのが、負債1200万ポンドを抱え、救済企業との話しがまとまらず、清算することになったと記事は伝えています。全120人のスタッフは解雇だそうです。
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by fukimison | 2010-03-02 15:04 | 動向  

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