超高層とエレベーター

いつもは海外のインフラ関係記事の紹介ですが、本日は趣向を変えて過日東大のまちづくり大学院・イブニングセミナーで行われた森ビル社長・森稔氏のスピーチのご紹介とそれに関連することなどをお知らせします。

3月2日、「これからの東京都心のまちづくり─クリエイティブクラスを惹きつけるには」というタイトルで行われたスピーチは、冒頭、森ビル財団が分析した世界各都市総合力ランキングを利用し(大変な費用がかかったが、現在各国各機関からの引き合いが切らず大変な評判になっているそうです)、東京の国際競争力について説明、そして東京が10年もしないうちに上海、北京に追い抜かれ、2030年にはシンガポール、ソウルが追い越してゆくことを力説。

この都市間競争に勝つには、グローバルプレーヤーを惹きつける都市に成らなくてはならない
(このあたり、まるでリチャード・フロリダのクリエイティブ・クラス論を聞いているような話。このクリエイディブ・クラスを惹きつけるという話しは、先週ソウルで開催されたWDCサミットでも良く出てきた言葉でしたし、森社長のお話を聞きながら、ソウル市長と話しがあうことだろう、上海よりソウルへ進出した方がよいのではと1人で突っ込んでいました)

さらに最近出版された「ヒルズ・挑戦する都市」で提唱している垂直の庭園都市(ヴァーティカル・ガーデンシティー)に話しは移り、これを新橋で行われている再開発(環状2号線新橋・虎ノ門地区再開発事業)と絡めて森ビル型都市開発論を展開されました。

地下25-30mの東京歴層まで地下を掘り広げその空間を利用することで、地上+地下の容積率1500%でも建ぺい率を50%が確保でき、みどり溢れる地域となる。職・住近接で低炭素社会であり、モノレールを建設してマルチモーダルを目指すといった計画案でした。

現在の試算では新橋・虎ノ門再開発の費用は1兆3000億と試算されているが、このやり方だともっと安い金額で行えるとのこと。
これをCG動画バリバリのプレゼンテーションで見せられ(本来は他の企業体や再開発事業団用と推察)このプレゼンテーション画像もWDCの時にキーノートスピーカーが見せたプレゼンテーション画像を思い出させ、内容もさることながら、現在の都市計画系のプレゼンテーションはこういう傾向にあるのか!と別の知識を取得でした。

会場からコルビジェvsジェイコブスに代表される再開発高層化について意見を求められたところ、孫を含め3世代が41階の超高層に住んでいるが、高層に住むことになんら違和感を感じないし、これに批判的な人の考えが解らないとのお答えでした。

さらに超高層ビル用エレベーターの開発についてコメントされ、エレベーターは錘でバランスをとっているから垂直移動であってもエネルギー消費は少ない、箱よりも箱をつるすローブの耐久性・距離と正比例する重要の方が解決が難しい、耳の気圧変化に対応はエレベーターが上がるほうが下りる時に比べラクなので、降りる時に減速するなどの対応が必要かもしれない、またエレベーター自体として高さは600m程度が限界と聞いているとも。

そこで思い出したのがブルジュ・ドバイ(現在はハリファ)の展望台へ向かうエレベーターの故障事故。たしかオープン早々に閉じ込め事故発生と報道が流れたが、さて828mというエレベーター限界値を超えた超高層はいかな具合かと思い検索してみると、あら、閉鎖中!

2010年2月9日付けのMENAはBurj Khalifa observation deck is closedという記事を掲載しています。

記事はオープンからやっと一ヶ月の世界で一番高いビル、ブルジュハリファの展望デッキが閉鎖を余儀なくされた。その理由は「予想外に大勢のお客が詰めかけたことに加え電力供給に問題が発生し」これに対応した修理を行うためと説明されている、とあります。広報担当者は現在、電力供給について元請・下請けが対策を講じている最中で、これが終わり次第再開すると発表しています。

その後、2月14日に再開のニュースが流れ、Burj Khalifaのサイトを見るとオープンしているようなのですが、MENA記事の末尾にあるtwitterをみると2月18日の段階ではまだ閉鎖していたようです。

それはともかく、事前予約で100ディルハム、当日で400ディルハム、つまり事前予約をしていないと展望台に上がるのに100米ドルもかかるとは、これも電力代だろうか?
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by fukimison | 2010-03-04 11:03 | つれづれ  

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