EU、沖合い油田掘削規制強化を検討

先週、バンコクのスカイトレイン延伸に伴う車両購入という記事をお伝えしましたが、この週末にかけてのバンコク騒乱記事を読むと2006年のタクシン追放軍事クーデターに端を発することだけに、一過性の不安定さなのか不安になります。

週明けの記事選び、不動産バブルを沈静化するための土地売買にかかわる法規の改正(中国)、干ばつに悩むオーストラリアにおける淡水化プラント、中東のグリーンビル、米国の高速鉄道計画などいろいろな候補の中から、業界的に興味深いのは規制強化であり、米国で発生した石油流出事故は他地域にも影響ということで決定、3度目の登場となります。

この流出事故、1度目は4月に火災事故発生とその人的被害について、2度目は5月に環境被害広がるといった視点でお伝えしました。

本日は5月15日付The Portugal OnlineのEurope looks to improve oil rig safetyを中心にお伝えします。

記事は「米南部沿岸で1日あたり20万ガロン超の石油流出が続くにつれ欧州各国の担当者は、同様の惨事発生を懸念し、また欧州委員会委員は大手石油・天然ガス製造業社を集め、現在米国で発生しているような惨事をさせるため、官民協働して欧州の環境保全のため全ての手段を尽くすことを確実とすることを求めた」で始まります。

また「EUは米国メキシコ湾沖合いで行われているような石油・天然ガス探査・生産はEU圏で行われていないものの、沿岸での事故発生の可能性は存在し、これに対処することが求められている」とあること、さらに「ECは事故発生の折、沖合い掘削運営者は環境影響評価指令、生息地および野鳥指令、環境賠償責任および沿岸水域に関する水資源枠組み指令といった関連するEU環境規制法の対象となると主張した」とあり、牽制球が投げられています。

実際に流出が起きた場合、欧州海運安全機関(European Maritime Safety Agency :EMSA)が 汚染対策を支援することになっています。EMSAは種々のEU水域条約の下、石油回収船団を所有し、それらはEUの市民保護メカニズムによる求めに応じ動員を行うことが出来るとあります。

EMSAについては駐日欧州連合代表部にある記述をご覧ください、また油汚染による損害賠償のための国際基金(FIPOL)の制度など読んでおいて良いものだと感じます。
市民保護メカニズム(Civil Protection Mechanism)はEUが2001年に設置した大規模な災害の経験から、それらに対する支援活動を調整・サポートするためのシステムだそうで、こちらは欧州市民保護メカニズムにおけるEU加盟国間のコラボレーションが分り易いと思います。

科学者は否定していますが、強い海流に乗って流出した石油が欧州沿岸あたりに流れ来るのではないか、という不安はポルトガルや北欧といった海洋国で強いようです。漂着しないまでも、沿岸・沖合いの油田・天然ガス開発はこれから強い向かい風に曝されることは確実なようです。それよりも今回の事故で問題なのは探査の場合と生産の場合で掘削における環境影響調査の度合いが違うことのように思えます。
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by fukimison | 2010-05-17 12:19 | 事故  

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