チェルシー再開発その後

昨年前半、数回にわたってチェルシー再開発を巡る動きをお伝えしました。
おそらく4月のチェルシー再開発でチャールズ皇太子が意見表明とした記事が最初だろうと思います。

それから紆余曲折があり、チェルシー再開発計画そのものは建築家の選定が終わり、実際のプランを巡り皇太子の財団関係者、地域住民、行政、事業者がともに意見交換をしているという状態で、問題は2007年に事業者であるカタール・ディアールが購入した金額が大きすぎて、採算を考えるとどうしても高層化・密集化は避けられないところでしょう。(高層・密集といっても東京のそれとはだいぶ違いますが。。。。)
このイメージについて4月21日付けBD誌はChelsea Barracks mark II unveiledとして報じています。

そして本日お伝えするのは、最終局面でカタール・ディアールがロジャース案を撤回し、その過程で共同事業者のキャンディー社に損害を与えたことによる裁判の行方です。

まず5月17日付けのBD誌はQatari Diar buckled under prince’s criticism, court hears as £81m Chelsea Barracks action beginsとしてこの裁判の様子を伝えています。

キャンディー社はチャールズ皇太子がSheik Hamad bin Jasim(カタールの首相でありカタールディアールの会長)にチェルシー再開発再考を求める書状送付という干渉により、建築許可を受ける直前になってカタール・ディアールが申請を取り下げたことを不満とし、「カタール企業は契約条項違反であり、プランナーによる計画が承認された時に支払うべき手数料の支払いを求める」と主張しています。でもその金額が8100万ポンド、本日のレートが1ポンド133円ですから10,813,555,712円、といわれるとちょっとすごい。

一方でカタール側の弁護士は「キャンディー社は全く損害を蒙らなかったのだから、この要求は無意味だ」と真っ向から対立の様子です。

キャンディー社はチャールズ皇太子の干渉なんて気にせず、突っ走っちゃえば申請は受理され、当初計画通りに建設されれば8100万ポンドの報酬が得られたのだから損害だと主張し、一方カタールは皇太子の干渉は計画申請の行方に影響を与えることが予見されていた。そうした場合、事業の遅れによるキャンディー社への支払い遅延発生を意味し、それは予見されるものではなかったとしています。

この裁判は他のメディアでも当然ながら報道され、5月17日付けLondon Evening Standard紙はCandys accuse Qatar royals of 'scandalous' action over Chelsea Barracksとして報じています。

こちらはチャールズ皇太子がカタールの王族に向けた書いた手紙が引用されていたりして、なかなかワイドショー的ですし、カタール側は「キャンディーの主張は締結した取引の商業的性格について基本的な誤解があった」としていますし、キャンディー側は「少なくとも契約書に記載されているロジャース案が却下された場合の補償費6900万ポンドを支払うべきだ」と主張とあります。(8100万ポンドがだめなら6900万ポンドですか?それでもすごいなぁ)

この裁判は3週間ぐらいで結審するとあります。
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by fukimison | 2010-05-18 11:42 | 景観  

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