ガズプロムタワー、大統領も高すぎると苦言

昨年(2009年)9月にロシアの景観紛争と題して、サンクトペテルブルグで計画中のガズプロムタワーを巡る住民の反対運動やユネスコからの世界遺産剥奪警告をお知らせしました。

そして本日はその続報ということで、5月31日にThe Moscow Times紙がMedvedev Hints Gazprom's Tower Is Too Tall として報じた記事を中心にお知らせします。

記事は「メドベージェフ大統領はサンクトペテルブルグの当局者にガズプロムが同市に計画中でいろいろと論争の種になっている超高層の高さに関し再考を促した」で始まります。
さらに記事は「Okhta Center(ガズプロムによるビジネスセンター建設プロジェクト)について直接の指示は出さなかったものの、大統領室はサンクトペテルブルグのMatviyenko(マトビエンコ)知事に書簡を送り、「ロシア連邦の持つ国際的な義務を満たす必要性」について注意を喚起したとメドベージェフ大統領の報道官は発表した」と続きます。

6月3日付けBuilding Design誌もRussian leaders back opposition to RMJM’s Gazprom tower としてこのことを伝えています。

こちらは「大統領は市担当者に書簡を送り、このプロジェクトがロシアの評判やユネスコとの関係を損なう可能性を持つことに関し懸念を表明した」とあります。

ユネスコは403mのガズプロムタワーがサンクトペテルブルグのスカイラインを見出し、これが建設された暁には世界遺産のタイトルを剥奪することになると警告しており、建設作業の中止と高さの低減+歴史的都市の価値と精神を尊重した計画案への再考を求めています。

記事によれば大統領に加え文化相も世界遺産委員会の代替案リクエストを支持しているとあります。

ユネスコ委員会はガズプロムの提案と関連し、サンクトペテルブルグの世界遺産都市としての地位について再考する会議を来月ブラジル行う計画です。もし計画に変更が無かった場合、サンクトは世界遺産の危機リスト入りをすると見られています。

今までにエルベ渓谷のように世界遺産を剥奪された都市は幾つかありますが、エルベ渓谷の場合、住民が何度も公聴会や住民投票を行い、世界遺産都市であるより利便性を選んだという経緯があります。

サンクトの場合、ガズプロムの住民説明会は乱闘事件に発展し、このように大統領からの勧告もあることから、行政がどうするのか、注目です。

これに引き換え、沖縄の世界遺産である首里城は景観を阻害する再開発が進行し、これにより剥奪が起きるかもしれないのに、住民も行政も何も言わず、いったいどうなっているのやらです。
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by fukimison | 2010-06-04 15:00 | 景観  

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