米、深海採掘禁止令を巡るいろいろ

米メキシコ湾での石油流出事故の被害について何度かお伝えしていますが、本日は6月23日のBloombergがDeepwater Drilling Ban Lifted by New Orleans Federal Judgeとして報じた6ヶ月のモラトリアム措置の是非についてお伝えします。

メキシコ湾でBP社の深海石油掘削リグが爆発、炎上したのが4月20日、最初のうちは「ああ、またしても石油流出事故か」といった受け止め方であったのが、約1500mの海底とリグを結ぶパイプラインが3カ所で折れたことが原因で流出が始まったこと、そしてその深さや石油の自噴力などからフタをすれば流出が止るといった簡単な話しではないことなどが明らかになってきました。

オバマ政権も最初は「ああ、また石油流出事故」ぐらいな感度であったのが、被害が拡大するにつれ批判が高まり、そして5月27日に6 month offshore drilling ban(深海での石油掘削を半年間禁止する)と発表しました。

海面を覆う油膜の面積はワシントン州のそれ以上となっており、BPが被害補償のための2兆円の基金設立といっても例のsmall people発言などから、風当たりは相当に激しいのは容易に想像がつきます。

そうした中、流れてきたのが上記のニュースで、「米国史上最大の石油流出事故を受け、オバマ大統領が課した6ヶ月の深海石油掘削禁止令をニューオリンズの連邦判事が解除した」というリードで始まります。さらに記事は「5月27日、大統領は沖合い操業における安全性向上に向けた調査期間として500フィート以上の深海での掘削を一時的に禁止((凍結)していたが、10を超えるルイジアナの沖合い操業やサプライ企業がこの禁止令の解除を求めて訴えを起していた。政府は上訴するとしている」と続きます。

このニュースはbloombergだけでなくreutervoaでも報道されています。しかしやはり業界系のニュースといえばENRでしょう、ということで見ると22日付けでJudge Blocks Deep-Water Drilling Ban, But Obama To Appealという記事がありました。

こちらは「火曜日、連邦判事はオバマ大統領の6ヶ月の新規深海掘削禁止令は事業に悪影響を与え、失業をもたらし、沿岸州の経済を痛めると主張する石油会社側の立場を取り、同大統領のモラトリアム令を無効とした」というリードで始まります。

さすが米国だなぁと思うのが、環境保護団体がこの判断を下した判事の財政状態開示を求め、同判事が石油掘削会社の株を所有していたことを公表して政府の援護に立っているとあるくだり。

かと思えば政府も水深500フィード以上での新規開発を半年間停止しているだけで(影響を受けたのは33)、既存の油井の活動(米の国内生産の31%を占める7000ヶ所)は禁止対象ではないと説明しています。

石油企業や掘削会社は年間30億ドルの貢献を州経済にもたらしていることから、ルイジアナ州の政治家は企業側に立った発言をしています。

永久に禁止ということでなく、新しい安全基準の確立のための猶予期間だと政府は主張しているけど、その新基準が非常にお金のかかるものになると考えて、業界側の反発なんでしょうけど、本当のところ、また中長期的に考えて、どうなんでしょうねぇ?
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by fukimison | 2010-06-23 16:59 | 動向  

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