英国の建設業界

フランス企業の賄賂問題、ドバイワールドに64億ポンドの注入、中国がアルゼンチンの鉄道に100億ドルの投資とか、いろいろと派手なニュースがありますが、あえて地味に英国の建設業界は本当に回復しているのかどうか、関連記事を探してみました。

まず7月12日のConstruction Index誌に掲載されたOver 90% of local authorities concerned about contractor financial stabilityは、相変わらず不況が建設業に痛手を負わせていることから、90%超の地方自治体はこの12ヶ月の入札手続において、請負業者の財務実績がより重要になったとし、さらに事前資格審査登録を行っている32の地方自治体を対象の調査は、その70%が恒常的に利用するサプライヤーの倒産を体験していると報じています。さらに記事はビジネス情報企業のExperian社によれば、2010年1-3月に650超の建設企業が破産状態に陥ったそうです。

発注側の自治体に比べ受注側はどうかというと、6月16日付けFT紙がArchitects worse hit by recession, FT reports と報じたとBuilding Design誌は伝えています。FT紙によれば、他の専門職を大きく上回り、2008年4月から2010年4月間に就職給付金を申し立てた建築家は720%増であったとそうです。RIBA(王立建築家協会)の会長が職の確保のため政府にロビーを行うと述べたとあるあたり、その困難さが想像されます。

それから約1ヵ月、7月14日付けBuilding Design誌はNew fall in architects claiming doleと題して、失業給付金を受けている建築家の数は1125人から1055人へ減少したと報じています。さらに記事は7月14日に発表された公式数値もまた、5月までの3ヶ月間に完全失業者は247万へと減少したことを示していると続きます。10ヵ月連続して失業給付の申し立てを行う建築家数が減少し、2055人が申し立てた2009年8月のピーク時の半分になった。(しかし、失業給付を申し立てる人の職業内訳までが統計として公開されるというのがすごい)

この数字を見る限り大丈夫そうな感じですが、記事は「RIBAを含め専門家は、失業した建築家の多くは申し立てをやめたり、建築業に見切りをつけ転職したりしていることから、これらの数値は部分的なものでしかないと述べている」で終わっています。

7月14日付けGuardian紙の記事Unemployment falls but part-time working hits record highを見ると全体像がつかめると思いますし、「失業給付申請者数が減ったものの、多くの人々がフルタイムの仕事が得られないと述べ、16歳-17歳の若年層の長期失業者数の更なる上昇が見られる」というあたり、日本の状況と重なるように思えます。

見えない数字、統計に含まれない人々とその理由、これは日本でも完全失業率に含まれない人、生活保護を受けられないけど、給付対象になってもおかしく無い人、隠れ対象者を考えないとと言われているのと同じです。いろいろな意味で多極化するものに囲まれ、今日・明日は大丈夫でもあさっては?という気分になります。
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by fukimison | 2010-07-15 12:39 | 動向  

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