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ロンドンオリンピック、水泳競技場 by Hadid

本日は久しぶりに本格的建築作品記事のご紹介です。

11月11日のGurdian紙はLondon waves hello to Zaha Hadid's Olympic centrepieceとしてZaha Hadid設計のロンドンオリンピック、水泳競技場の屋根(鉄骨フレーム)が完成した(日本風に言えば上棟式といったところでしょうか?)と伝えています。

記事は「ザッハ・ハディッド設計による160mの屋根を持つ工費2億4400万ポンドのaquatics centreのフレームワーク除幕はオリンピック実施局の大建築スキームにとり重要なイベントであった。2つの50mプール、25mの飛び込みようプール、を備え、同センターはオリンピック期間中に17500人の観客を収容する水泳競技場となる」と続きます。

2億4400万ポンドの水泳競技場かぁ、思わず換算してしまいました。32,354,119,680円だそうです。

このアクアティックセンターの当初予算は7300万ポンド(うそでしょう?いくらなんでも323億に膨らまないでしょう?)であり、オリンピック終了後は収容人数3500人の競技場に縮小されるそうです。北京オリンピックの時の巨大競技場群、あの維持管理費だけで年間数十億といわれており、またあの競技場群のうち1つをうめるほどのイベントは年に数回もないと言われていることから、この縮小を視野にいれた計画は○ですね。

さらに記事は「オリンピック後に競技場の移動床がコミュニティー活動に利用できることを確保するため、 スポーツイングランドはこの競技場建設資金として4000万ポンドを拠出。しかし地元の一部自治体はいまだに娯楽用のプールがないことを不満としている」と続きます。

予算削減、設立当初目的の意義などを問われ、今後が注目されるcabeはこの建物をどう評価しているのかと思い、探してみました。

2008年2月のデザインレビューとしてLondon 2012 Aquatic Centreありましt。

やっぱりというかんじで、「Stratford Cityの高層ビルからの眺めも含め、長期・短期において、Aquatic Centerのインパクトは屋根の外観によるものとなろう。」とまず屋根の形状についてコメントがあります。

デザインレビューはその建物のデザインだけを問うものですが、設計家の意図するところを汲んだ建築や維持管理にまで言及しているのが、すごいところです。

へぇと思ったのがアクセス、「現在メインエントランスは敷地の南端とされているが、これだと建物の入り口と敷地との距離が長すぎ、さらに観客の大部分が8mの高さを階段で登ることになり、cabeとしては受け入れやすい解決策とは思えない。身体に障害を持つ観客は2機の分離したエレベーターのみを利用することになり、これもまた示された収容人数に対し適切とは思えない」とはっきりと批判しています。

ここまで公開されるというのがうらやましい。

by fukimison | 2010-11-12 12:48 | プロジェクト  

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