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英、バターシー発電所再開発に許可

手続きにおける日本と欧米の最大の違いは確認と許可でしょう。
日本は数値があっていると確認がとれれば開発(建築)の確認がおりますが、欧米では許可。つまり責任を取る人が確実に存在する。しかも大抵は議会が許可をおろす。つまり住民が選んだ議員が審議して可否を決める。住民が反対した物件に許可が下りても、それを下ろした議員は住民が選んだという構図になっている。

そこで本日は賛否両論で計画が何度も変わったバターシ発電所の再開発計画に許可が下りたという記事の紹介です。

まず11月12日のBloomberg/Business Weekから。
London’s Battersea Owners Win Redevelopment Approvalは27年前に閉鎖されたバターシー発電所の再開発計画がWandsworth区議会から承認を得たと伝えています。事業者のReal Estate Opportunities社(REO)は55億ポンド(89億ドル)をかけ、アパート(3400戸)、店舗(330,000平方M)、オフィスの複合開発を行う予定です。

The Construction Indexも同じように11月12日に£5.5bn Battersea Power Station Redevelopment wins planning approvalと伝えています。

アイルランドの開発業者Barrett氏とRonan氏の REO社はバターシー発電所を2006年に4億ポンドで購入したものの、当初案は廃案となっていました。修正案ですが、オフィスと店舗スペースが縮小され、発電所の2つあるタービンホールがイベント施設になり、そこにはロンドン最大のダンスホールが建設される予定ですし、さらにaffordable homes(手頃な価格の住宅)が500戸建設されるとあります。

このプロジェクトは10年以上をかけて完成に向かうものであり、バターシー発電所計画はテムズ川の南岸のChelseaとVauxhhall橋のNine Elms地区をカバーするより大掛かりな再開発計画の一部です。

このバターシーの再開発案はあのヴィニオリが設計しており、当初案はガラスのドームがあったりしてなかなか過激な案でした。

そういう事情があるものだからBuilding Design誌は11月12日にCouncil approves Viñoly's Battersea Power Station plansとして伝えていますし、さらに面白いことにBattersea developer launches competition to design first phase of Viñoly's masterplan国際デザインコンペにより、建築家はバターシー発電所再開発計画で最初の主要部分の設計を行うチャンスが得られると伝えています。

つまりヴィニオリのマスタープラン、これに加えコンテストを勝ち抜いた建築家が行う開発計画です。

建築計画に資金計画、いままで紆余曲折あったバターシー再開発です。
最後まで目が離せません。

by fukimison | 2010-11-15 12:15 | プロジェクト  

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