ギリシア、トルコとの国境に万里の長城

2011年が始まりました。昨年に引き続き不透明、不安定と言われていますが、不安と感じるかチャンスが増えたを感じるか、気の持ちようと前向きにです。しかし晴耕雨読の生活を目指し、本格研究に入りたいものだ。

年末に私の周囲でヒットしていたのはBBCの統計番組の番宣のYoutube

世界各国の200年分の寿命×所得×人口のデータで世界の流れを4分間でまとめたもので、「データの可視化」というインパクトもさることながら、統計がテレビシリーズになるという英国の文化も羨ましく思っております。

統計データを利用し、高齢化と人口減少の2本立て社会到来による個人単位での影響を示す昨年の準ベストセラー「デフレの正体」など、統計が身近になり、また、高齢化と少子化の問題が広く世界で議論されるようになってきたように感じます。

そんなことを考えていた年末年始、ウサギ年最初の記事紹介は明るいものをと思うのですが、なかなかこれが難しい。欧米を襲った寒波の被害、中東はナキール関係、なぜか日本では殆ど報道されていない韓国のコ口蹄疫、

そこで私の定義するインフラではなく、しかも景観的に今ひとつと思うのですが、本当に建設され、あと1000年も建てば世界遺産になるかもしれないということで、選んでみました。

1月5日付けSydney HeraldはGreece to build wall on Turkish borderとしてギリシアはトルコからの不法移民の流入を防ぐため、同国との国境沿いに全長206kmの壁を建設する計画だと発表した伝えています。

ギリシアの内務大臣は米国がメキシコとの国境に建設を計画している全長1046kmのフェンスを引き合いにだし、トルコからの不法移民に関しギリシア人は限界に達したと述べたとあります。

この記事の中で気になるのが「批判的な人々はこのフェンスをトルコのEU加盟に関するフランス、ドイツおよびギリシアが主導する多方面にわたる反対のシンボルであり、西東間のキリスト教徒とイスラム教徒の新しい分断の表象と見なされるだろう」あるあたりです。

トルコのEU加盟が多くの問題を抱えているのは、想像がつきます。
欧州の人々にとりイスラム侵攻の歴史、EU欧州連盟でありトルコは東洋でしょう?という地理的なもの(なしくづしにどこまで加盟を許すの?)、クルド人問題。。。

アメリカ・メキシコ国境のフェンスはCCTVカメラ、レーダーによる監視、銃器を携帯したパトロール官、さらに無人偵察機とハイテクを屈指したもので、建設費用は24億ドルだそうです。

ギリシアの計画ではまず第1段階としてOrestiada近くに13kmのフェンスを建設する計画だそうです。
このOrestiadaは2010年10月に大量の不法移民が流入した都市で国境で手薄な場所のひとつだとあります。

トルコからギリシアへ進入し逮捕された不法移民は昨年の1-9月で5倍に増え、EUへの不法移民の9割がこのギリシア・トルコ間を通過し、さらに不法移民は主にイラク、イラン、パキスタン、アフガニスタンからの人々とあると、トルコ人というより通過国としてのトルコの問題とも考えられますね。

このニュースは1月4日付けEuroActivでもCommission downplays Greek plans for Turkish border wallとして伝えられています。

こちらの記事で目を引くのはアジア・アフリカからEUを目指す不法移民があり、アジア側はギリシア、アフリカ側はスペイン・イタリアだったのがアフリカ諸国で送還条約が締結され、海上境界の監視強化により北ギリシアからの流入が増加したという部分。

経済格差が移民を引き起こすのでしょうけど、この解決はフェンスではないですよね。
なんとも難しい時代に入ったものです。

そうそう、来年、2012年は世界遺産条約締結40周年記念で、「Heritage and Development」というテーマで2012年11月の締結記念日に向け、ユネスコはいろいろな催事を企画しています。
中でも日本が閉会式の主催を申し出たというのは注目に値します。
首里城からの景観を阻害する超高層ビルを認可など「遺産と開発」のテーマそのものです。
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by fukimison | 2011-01-05 12:13 | プロジェクト  

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