英国、CABEと地域主義

エジプトの騒乱、豪州のハリケーン被害と日本人の生活に関係するニュースがいろいろとあるのに、大相撲の八百長事件、春場所中止の記事が新聞一面を飾る日本、これはマスコミの問題?それとも政府が眼をそらすための政策かと疑いたくなります。

オーストリアのインスブルックとイタリアのフォルテッザを結ぶBrenner Baseトンネルの建設をオーストリア政府が承認したというニュースをお伝えしようかと思ったのですが、先週末に引き続きのトンネルということで、これは後日に譲ることにして、日本でも国交省が建築基本法について勉強会を開くというニュースが流れていることから、制度問題ということで、このところ気になっている英国のCABEとLocalismの関係を少し拾ってみることにしました。

まず事業仕分けで廃止が決まったCABEの行く末ですが、2月4日付けBD誌はCabe looks locally to ensure survivalという記事を掲載しています。
いままでもCABEがデザイン評議会と合併すること、しかしデザインレビュー部門のみ(約20名の職員)が残ることをお伝えしてきましたが、BDの記事は是に向け、各地のデザインレビューパネルと精力的に会合を重ねていることを伝えています。

「ある情報筋は新しい組織は20名のCABE職員、主にデザインレビューにかかわった者が含まれ、そのレビューはより地元に根付いたものであり、プランニングアドバイスや公共スペースといった地域主義を対象とするものとなろうと述べた」

CABE会長のFinch氏達を会合を持ったDesign South Westの幹部のコメントとして「我々は今までとは違ったパートナーシップを彼等と結びたいと考えている。以前は明らかに序列が存在したが、今後はより同等のパートナーシップになるだろう」というのがあり、デザインにおける中央集権があったことをうかがわせ、もっと地元の事情を踏まえたデザインレビューが行われることを期待していると解釈。そのあたりがLocalismが出てくる所以でしょうか?

これとは別に2月4日付けのBuilding誌にあるWalthamstow stadium: A dog’s chanceという記事ですが、ドッグレース場を300戸の住宅に再開発したい事業者(L&Q社)とそれに反対する地元民の3年にわたる対立、先週両者の会合が持たれたが、その意見の隔たりは今まで以上に大きく、これは新しい地域主義の予兆か?としたリードで始まります。

要点を拾っていくと、3年前住宅開発事業者のLondon & Quadrant社が490戸の住宅を建設目的として1800万ポンドで購入、しかし不況と土地価格は半減、L &Q社は計画を2010年まで凍結、Conran & Partnersが再開発計画を設計したことで批判が高まる、反対派はドッグレース愛好家、ロンドン市長のジョンソン氏、地元選出議員などなどとあります。

ドッグレースを行うほうが雇用の促進につながるという地元派、住宅不足を少しでも解消できるとする事業者、良くある構図です。しかし今回は公聴会が2度ほど事業者側によりキャンセルされたことで対立が激しくなったとあります。しかし事業者側によれば、社員が反対派に脅迫されたりして公聴会を開く状況になかった。20年この業界で仕事をしているが、公聴会をキャンセルしたことはなく、こんな状況に出会ったこともないとのコメントがあります。

これが地域主義とどのように関係するのかというと、どのようにコミュニティーを開発してゆくかを議論すべきであるのに、ただの反対になっていること、政府の言うlocalismが間違って捕らえられているとの説もあります。

行政・事業者・近隣の人々が一緒になって望ましい将来を話し合い、その方向に開発が行われるのであればLocalism万歳ですが、英国でも波高しのようです。
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by fukimison | 2011-02-07 12:19 | 動向  

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