英、送電線の鉄塔コンテスト

先日から気になっていた記事です。
基本インフラといえば電力、しかし原発事故以降、つい風力、太陽光といった発電施設建設やどの程度エネルギー変換が行えるかといったことに目が向き勝ちです。

インフラと景観を考えた時、景観に合う橋梁、道路というのは議論がありますが、景観を乱すものとして誰もが認める鉄塔と送電線はかえって、どうしようもないものとして見ないことにする、または余りに昔からあるので見ても意識に上らないし、議論もされてきませんでした。

しかし、これを何とかしようという努力が英国ではじまりました。

5月23日付けテレグラフ紙はElectricity pylons to get makeoverとして「1920年代から殆ど変わらない高圧線用鉄塔がデザインコンテストにより大変身しようとしている」と伝えています。

行政や関係業界によれば、電力需要の増加に対応するため今後10年で20近くの新しい発電所が生まれ、これらを基幹送電網と接続する必要がある。そこでRIBA(王立建築家協会)がエネルギー省、Climate Change、およびNational Grid社(全国高圧送電網)の意を受け建築家、デザイナー、エンジニアに向けた、新しい鉄塔の設計コンテストを実施することとなったということです。

高圧送電網の担当者が「将来のプロジェクトで優勝デザインの利用を真剣に考慮するだろう」と述べていますし、現在イングランドとウェールズのNational Grid社の基幹送電網にある22,000本を含め、英国全体で88,000本の鉄塔があることから、場合によっては英国の田園風景を変えるものになるかもしれません。

現在のデザインは1927年にSir Reginald Blomfieldが設計したものが原型であり、高さ50mのスチールが格子状になった鉄塔はほとんど変わっていないとあります。

この記事は5月23日付けYahoo NewsにもBritish electricity pylons to get a makeoverとして報じられています。エネルギー省は英国の電力の4分の1は古い原発や石炭火力発電所によるもので、温暖化防止の観点から2020年までに閉鎖の予定であり、これに変わる風力・潮力発電所は遠く離れた場所にあると説明しています。つまり送電網の大きな見直しが必要であり、これに合わせて少しは見場のよい鉄塔にということのようです。

記事によれば、最も脆弱な環境にある場所では、環境に与える影響を最小限にするため送電線は地下化されるものの、新しい架線鉄塔も必須だとのこと。

強風、落雷に加え、ケーブルの重さや張力に耐え、なおかつ美しい鉄塔、ハードルは高そうです。

コンテストは7月12日に締め切られ、ショートリストに上がった人たちは最終設計を行う前にNational Grid社と作業を行う機会が与えられると同時に市民に公開され、9月提出、優勝者の発表は10月が予定されています。そして気になる賞金は1万ポンドだそうです。
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by fukimison | 2011-05-26 11:52 | 景観  

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