超高層マンション

インフラは社会的資産といわれていますが、場合によっては負債となることは、最近の道路特定財源関連の新聞報道で知られるようになりました。

しかし超高層マンションが負債になるかもしれない、というのはあまり声高に言われておりません。確かに超高層マンションを購入なさるのは個人ですし、1個人の問題が超高層マンション全体の評価に繋がるというのは、余りないことです。

超高層に限らず、昭和30年代建設された団地やマンションが、そろそろ建替えの時期を迎えており、そのため政府も平成14年に「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」を策定し、建替え組合に法人格を与えたりして促進に努めているようです。

一方で建替えの成功例は全国で200軒とも、阪神淡路の建替え事例をのぞくと60軒とも伝えられており、なかなか進まないのが現状です。

マンションは普通、築10年を過ぎたあたりから塗り替え、防水、貯水槽や給排水の配管補修などが発生し、そのたびごとに追加の管理費用徴収問題がおきます。
これを乗り越えられるかどうかで、社会資産となるマンションか負債となるマンションかが決まるのですが(維持管理の良し悪しが価格に反映されないのが、問題の1つだと個人的に考えます)これとは別に超高層マンションにおける健康問題というのもあるようです。

土曜日(12日)品川の43階建てマンションの27階で、夫(58歳)が妻(52歳)を刺して重傷を負わせ、自分は窓から飛び降りて自殺したという報道がありました。

58歳・無職とあることから定年退職なさったのか、リストラされたのか、それとも仕事に就く必要のない自適の方なのか分りませんが、1つ考えられるのは、高層になるに従い外にでることが億劫になる、軽い鬱状態になりやすいというのがあります。

これに関し東海大の逢坂講師は、開発業者からの反発を避けるため書き方を控えていらっしゃいますが、事実としてマンションの6階以上に住む妊婦の流産率は24%と、木造住宅に住む妊婦のそれに比べ3倍であること。さらに高層階に住む人ほど高血圧の人が多く、ボケを発症しやすいという調査結果を発表していらっしゃいます。

このほか強風による船酔い現象など、「超高層マンション症候群」というメンタルの課題、そして100世帯超をどうまとめ、意思決定していくのかという維持管理の問題、世帯数が多ければそれだけ、事業に失敗したなどの理由で競売に賦される居室も発生してきます。

この競売に賦された居室を落札し、未納管理費を納め、室内を改修して新たに中古物件と売り出すというビジネスが成り立てばよいですが、そうならなかった場合、この居室を含むマンション全体の価値が下落することが考えられます。

また競売に賦されるようなワケアリの居室でなくても、中古物件は新築物件に比べ価格が下がることから、新築価格でローンを組んだ人と下落価格でローンを組んだ人との間に所得格差が生じます。

建て替えが必要な老朽化したマンションは、2010年までに93万戸に達するという予測数字があるなか、こういう社会的負荷が高くなる可能性を持つ建物の建設を、もう一度考えたほうがよいのではとつい思ってしまいます。
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by fukimison | 2008-04-14 18:39 | つれづれ  

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