Sherford Project

英国のチャールズ皇太子は建築・景観に関心が深く、Prince's Foundation for The Built Environmentという財団を設立し、伝統的かつ環境に配慮した建築・都市計画の教育や実践につとめていらっしゃいます。

その財団がマスタープランを行った開発が、デボンのSouth Hams District 議会により承認されたことで、始まることになりました。

プロジェクトは、Sherfordとよばれるプリマスの郊外に建設されるもので、2020年の完成を目指し5500軒の新築家屋、あわせて67,000平方メートルの事業および商業スペース、小学校3校、中学1校の建設が予定されています。

実施面に関しては、Red Treeという開発業者やRoyal Bank of Scotlandからなるコンソーシアムが支援を行うそうです。

チャールズ皇太子の財団がマスタープランを行うのですから、当然今時の開発とは異なり、「the logic of a traditional market town」を基本構想に据えているそうです。

日本人には伝統的なマーケットタウンの考え方といわれても、良く分らないのですが、、The Architects' Journal のイメージを見ると低層のタウンハウスを主体とし、緑覆率も高く、外壁も煉瓦などで建設された街区のようです。

事実デイリーメール紙の記事を読む5階より高い建物は建設されないとあります。

さらに街区の一部は車両の通行が禁止され、街の周囲に建設される400エーカーの駐車場には風力発電施設が建設されるなどして、Sherfordの全エネルギーの少なくとも半分は、再生可能エネルギー源(風力、太陽光パネルなど)により配電され、CO2の排出量も建築基準法の規定より60%低くし、英国で最も環境に配慮した街にする計画だそうです。建設資材も半径50マイルの地域から調達されるそうです。

二酸化炭素の排出削減のため、住宅、商店、職場がそれぞれ徒歩圏内に建設されることで車両利用を減らし、上下水を含め全廃棄物はリサイクルされる計画です。

どうも外見は18-19世紀の英国田園都市風景でありながら、その内部や施設は超近代的技術を屈指するということのようです。

環境に配慮した建築、伝統的な英国風の街区、その土地固有の植生を重視した植栽を行うとしても広大な野原をコンクリートで覆うわけですから、このプロジェクトが提案されて以来、近隣の町村を主体に3000を超える反対意見が寄せられたそうです。設計プロセスの一部を担うように要請されたことで、反対意見は消えたと伝えられています。

いわゆる開発業者と地域住民の相互理解というか、調和・協調的開発の道が開けたということでしょうか。

この反対する人の意見を意訳すると「慣れ親しんだ自然がなくなるのは大変腹立たしいが、設計構想を知るにつれ、いままでに郡議会や地元の開発業者が建設してきたものに比べれば、ましだということで、まあ納得した」ということのようです。

皇太子・財団・物を言う・実践・エコは社会資産となるか、なかなか興味深い角度に富んだプロジェクトとなりそうで、追いかけてみたくなります。
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by fukimison | 2008-05-02 22:13 | つれづれ  

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