British Energy社の入札

いま英国系投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)によるJパワー(電源開発)株買い増しが新聞紙上を賑わしています。特に国の重要インフラに海外資本の比率が高くなることを日本政府が拒否したことで話題を呼び、またこれについて英国政府が日本政府に対し、外国貿易法の適用基準が不明確であるとの書簡を送ったりしています。

一方、このTCIのお膝元、英国では英大手電力会社であるBritish Energy社(BE)の買収が新聞紙上を賑わしていますが、その内容は日本とだいぶ違っています。

このBE社は英国政府が株式の35%を所有しています。
そしてBBCの報道によれば。BE社は原子力発電所(8カ所)と火力発電所(1ヵ所)を所有し、英国の電力需要の6分の1を賄っています。しかし発電所の閉鎖、新しい原子力発電所の開発費用、原子炉のあった用地の浄化費用など、とにかく雪だるましきに嵩む費用により資金難に喘いでします、

そのためこの英政府所有の35%の株式が売りに出されたところ、買収に名乗りを上げたのが、英国のガス会社Centrica、フランスのEDFやSuez、ドイツのRWE、そしてスペインのIberdrolaの各社です。

Centrica社をのぞけば、すべて外国企業。
また買収の申し出が数社からあったという報道により、BE社の株価が8%上昇したという報道はあっても、国益云々の記事は見付けられませんでした。

さらに5月23日、Suez社はフランス・ガス社との合併に専念するため、BE社の入札からおりる発表した報道がありましが、この報道で面白いと感じたのは、Suez社はフランス・ガス社との合併が終わった後あらためてBE社と交渉を行うことは排除されていないと、わざわざ記述されていることです。

日本的にいえば国の根幹を成す電力インフラですが、株式上場している企業である以上、市場論理と法律に従って交渉されるものであり、買収先について政府は口を出さない。
翻っていえば、国が守りたいのであれば、株は売らないということなのでしょう。




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by fukimison | 2008-05-27 21:26 | 公共財  

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