ガソリン価格高騰

ガソリンが1バレル60ドルになったといっていたら、つい先日ニューヨークの先物市場では1バレル135ドルを突破しました。日本でもその影響を受け、6月の出荷価格は1リットルあたり10-11円程度引き揚げられるという報道がなされています。

このガソリン価格高騰は、航空運賃においては燃油サーチャージの付加をいう形であらわれ、日本から遠距離の欧州圏は4-5万円の加算になります。(航空運賃が10万円+サーチャージ5万円で計15万円になります)。また我が家のご近所の個人運送店は廃業を決めました。いろいろお話を伺うと、いままでも時間の制約、料金の値引き要求によって経営状況はとても厳しかったがガソリン代の高騰で、ほかの道を探した方が良いだろうという結論に達したとおっしゃっていました。

昨日の新聞に米国の著名な投資家のジョージ・ソロス氏が、ガソリン価格はバブル状態であり、その値上がり曲線はピークアウトが近いことを示しているとコメントしたとの記事が載っていました。

ガソリン価格の高騰は日本だけの話ではないので、ほかの国々の状況はと思い、サーチしてみました。

5月28日のAFPは、車社会の米国でもガソリン価格の上昇により、人々は電車、地下鉄、バスを利用するようになったと伝えています。
シアトル、ダラス、サンフランシスコでは公共交通利用は2ケタ台の伸びを見せており、1日あたり500万人が利用していたニューヨークの地下鉄は、さらにこの1月以来5%の乗客増となっているそうです。ワシントンD.C.の地下鉄営業者は、このままガソリン価格の上昇が続いた場合、さらなる乗客増が予想されることから、これに対応する計画(人員の配置など)を立案中だということです。

5月23日付けのIHTによれば、普通5月末は夏の旅行シーズンの始まりとされ、ガソリンセールスは増えるものだとされていますが、マスターカードによれば2007年の同時期にくらべ、7%近くもガソリン売り上げは減少したそうです。

ほかの国々にくらべ、ガソリン価格の低い米国、車依存の米国であってもガソリン価格の上昇は、人々を車利用から遠ざけているようです。

一方アジア諸国、なかでもスリランカ、バングラダッシュといった発展途上国は、政府や国営企業が石油の輸入や流通を管理している場合が多く、国民生活安定のために日本のように石油価格があがったからといって直ぐに石油卸業者が値上げを価格に転嫁することはなく、また値上げをしてもその上げ幅は低いものになっています。しかしこれを逆サイドからみると、国営企業がロスをだしていることになります。

IHTによれば5月25日、スリランカはケロシン、ガソリン、ディーゼル価格を14%から47%値上げすると発表しました。この記事の中にセイロン石油の会長は、「石油価格の上昇は、簡単に1日あたり160万ドルの損失をもたらすものとなろう。さらにいえば、この値上げを行っても赤字状態だ」と語っています。

欧州に目を転じると、5月27日フランスのサルコジ大統領は欧州全体でガソリン税の削減を提案したとIHTは伝えています。これはガソリンの値上げに対するフランス漁民の抗議行動に対応したものです。この種の抗議行動はフランスだけでなく、英国でもトラック運転手(約300人)がロンドン周辺の高速道路で隊列を組み、警笛をならし、交通渋滞を引き起こすというデモンストレーションを行っています。

EUのエネルギー担当広報官は、「過去ECは、価格上昇に対抗するため石油課税を変更することは、産油国に対し誤ったメッセージを送ることになるとしている」と述べています。

フランスのラガルデ蔵相は、産油国に対し消費国は価格上昇にかんしなんらかの手立てを求めるべきだとしていますし、さらにインタビューで、生産者の利益により際限なく価格が上昇するマーケットモードに、これからもずっと対応できるわけではないと述べています。

EUが何らかの手を打つためには、加盟27カ国が一致して行わなければならないという枷がありますが、欧州、米国、アジアの各国はいろいろな面での影響がはっきりと現れ始めていることから、そろそろなんらかの手立てが打たれるのでは?
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by fukimison | 2008-05-29 18:41 | つれづれ  

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