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英国のフィードインタリフ論争

英国の建築関係紙をみていたら、エネルギー法案の修正に関する情報が出ていました。

英国のビジネス・企業・規制改革省(the Department for Business Enterprise and Regulatory Reform :BERR)が委託した報告書によれば、マイクロ発電のさらなる利用により英国の炭素排出量は、5%削減が可能だという。さらに同報告書は、設備費に対するフィードイン・タリフ(Feed-in Tariff)または助成金といった多様な政府支援によって、この種の技術の立ち上げが大幅に増加されるだろうと示唆している。
これをうけ国際環境NGOのFriends of Earth(FoE)は、「マイクロ発電により気候変動への取り組みや燃料費の削が持つ大きな可能性の発展に対し、この報告書は政府の失敗を明らかにするものだ。電力の大部分が太陽光パネルや風力発電といった再生可能エネルギーシステムを介して発電されるべきであり、エネルギー法案は、グリーンエネルギー発電に向け住宅、事業者やコミュニティーに割り増し支払いを保証するよう修正されるべきだ」としている。(この修正エネルギー法は、1年以内に英国でフィードイン・タリフの導入を保証するものです)

この記事を見て、BERRのサイトで報告書をさがしましたがそれらしいものは見当たらず、5月22日発行のUK photovoltaics sector: a guide to world-class products and servicesかなぁ、でもこれは太陽光パネルの英国市場ガイドだし、ちょっと違いそうですね。ともかく同書によれば、英国は2050年までにCO2の排出を少なくとも60%削減するとしています。また世界の太陽光パネル市場の収益は2005年の13億ポンドから2009年には29億ポンドに伸び、再生可能エネルギー分野において英国は、米国、スペイン、インド、ドイツに並び、世界でも有数の投資環境にあるとしています。

肝心のエネルギー法案の修正はどうなったかと調べたところ、下院では250対210で否決され、あとは上院次第という状態です。しかしブラン首相の支持母体のうち33人が政府案に反対投票をおこない、ブラウン首相は就任以来最大の反発を受けたとありました。(ガーディアン紙

それよりフィードイン・タリフとはどういうものか?
いわゆる再生可能エネルギー、たとえばバイオマス、風力発電、太陽光発電などの導入促進や拡大を目指すもので、その内容は電力買取り価格の設定、買取期間の保証などを行うことで、システム整備に関わる初期投資を一定期間で回収できるようにする制度です。つまり再生可能エネルギーの導入にインセンティブを与えることで新しい市場を創出しようとするもので、ヨーロッパで広く導入されています。
フィードイン・タリフについての詳しい説明となぜこれが英国に導入されるべきかについてはFoEのサイトで説明されています。

日本からみると波力発電の研究も随分すすんでおり、英国は随分がんばっているように見えますが、それでもいろいろとあるのねと。
NEDOなど良いレポートを出しているように感じますが、出すだけでそれを利用しないというのが日本なんでしょうね。

それで私ごとですが、ちょっと所用のため2週間ほどお休みします。
6月20日あたりから再開の予定ですので、よろしくお願いします。
でも、

by fukimison | 2008-06-04 12:28  

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