不動産市場から見た香港

通信社といえば、元祖通信社のロイター(英)、そしてAFP(仏)にAP(米)ですが、近年では中国の新華社を加えてサーチすればパーフェクトに世の中の動きがわかる(はず)

そんなわけでAFPの英語サイトをみていたら香港からのニュース、Most expensive flat in Asia sold in Hong Kongが目を引きました。(なぜか一瞬のうちにリンク切れになっていたので英ヤフーの方を見てください。これとていつまで残るか。。。)

要約すれば香港のカオルーンサイドでThe Archという超高級マンションが売却された。
80階のペントハウス(建物最上階にある一番よい部屋)で広さは511平方メートル、自家用プール、ビクトリア湾を一望する眺望、屋上庭園を備え、価格は2億2500万香港ドル(2880万米ドル)。1平方フィートあたり4万1000香港ドル(1フィートは30.48cm、つまり1辺約30cmの四角が約57万)で、アジアで販売された高級マンションとしては1平方フィートあたりの単価が史上最高のものだ。
このペントハウスがある超高級マンションは、カオルーン地区西部に建設中の118階建て、484mのInternational Commerce Center(環球貿易廣場)に隣接するという立地の良さを誇っている。
昨年(2007年)11月、香港島で売り出されたものが、1平方フィートあたり3万9800香港ドル(約55万円)の最高価格をつけたが、これを上回るものとなった。
香港の不動産市場は1990年代のアジア金融危機に大暴落したものの、近年はバブル状態にあるという。

この記事を読んでちょっと調べてみました。
この物件の価格を押し上げるもとになったのは、環球貿易廣場に近いという立地の良さらしいことから、まづ環球貿易廣場について調べてみました。

環球貿易廣場は、香港の地下鉄営業者であるMTR Corporation Limitedと香港最大の開発業者のSun Hung Kai Properties が共同でカオルーン駅の上に建設中のUnion Square projectの一部を成すビルというのがわかりました。
wikiによれば、2002年に建設が始まり、2010年に完成の予定とあります。完成時には現在香港で最も高い、香港島の中環(Central)にある高さ415.8mの国際金融中心・第二期(Two International Finance Centre)を抜き、香港で最も高い超高層ビルとなる予定だそうです。

さらにthe arch自体をwikiしてみると、風水の判断からか中央部がない、いわば巨大な門(まさに凱旋門)のような写真がでていました。2005年に完成、住宅建築物としては香港で3番目に高いとあります。

狭い香港ですから、土地を有効に利用としたら容積率を上げる、つまり高層ビルにせざるを得ないわけですけど、日本式にいえば154坪のマンションが約30億、どこか違う気がします。

さらに以前、香港の土地は香港政庁が管理しており、日本のような個人所有というのはない、香港政庁は歳入を増やすため、開発する地域は容積率をあげ高層ビル化し、一方で郊外の土地は開発させない政策をとっていると記事を読んだ記憶があり、これも調べてみました。
小富豪のための香港金融案内というのがあり、これによると香港の土地は99年とか75年の長期リースによる借地権として売買されるとありました。

長期リース式の売買はシンガポールでも行われていますし、75-99年という期間は人が住宅を利用する時間として充分な気もすることから、ほぼ所有権と同じようなイメージがあります。しかし所有権のない150坪のマンションに30億、違和感はさらに広がります。

でもこの違和感は日本人だからであり、香港人の感覚であれば、家に30億かけられる資産があれば、この土地と値段の関係に納得がいくのかもしれません。またそれだけの資産があるということは、家は香港だけじゃないんでしょうし、30億というのも家に対する価でなく、投資物件に対する判断として納得できるのでしょうね。

先日読んだ記事、英バークレイズ銀行が現金、株式、債券、不動産などを合わせた総資産額を試算し、世界50カ国・地域を対象に調査したころ、総資産が100万米ドル(約1億円)を超える世帯の割合が最も高いのは香港の26.4%、2位はシンガポール(23.3%)、3位はスイス(22.3%)、4位はデンマーク(17.9%)、5位は英国(15.6%)というのを思い出しました。

香港は世帯の4分の1以上が1億円以上の資産を持っている計算になりますが、単位面積での割合なので広い国は不利になる、つまりアメリカあたりは出てこないということになります。
この記事の中にバークレイズのコメントがあり、「「香港は世界レベルのインフラを持ち、法人税率も低い。中国本土とも経済分野で密接な関係を維持していることからも、今後10年間はアジアの経済センターとして重要な役割を果たすだろう」とあり、AFPの記事はこれを裏付ける形になっています。

しかし「月収が5,000HKドル(約7万円)以下の低所得者数が2割に達するなど、中間層が減少する「M字型」社会化、貧富格差の拡大は加速している」と続き、これは先進各国でも見られることですが、あの狭いところに多くの人がひしめき合い、格差が広がるというのは、社会的な不安定さという係数も大きくなるわけで、そのあたりが不安材料です。

香港、そして2位のシンガポール、今後どうなるのか、両者の共通点、そしてライバル関係が気になります。
[PR]

by fukimison | 2008-06-18 23:55 | つれづれ  

<< 英国の風力発電は原子力を上回る? 英国のフィードインタリフ論争 >>