ルーブル・アブダビ

2007年1月のこと、フランス政府はアラブ首長国連邦(UAE)にフランスの誇る美術館であるルーブルの所蔵美術品・名称さらには専門職員を、UAEの首都アブダビに建設される新美術館に10億ドルで貸与すると発表しました。当然ですが、これはフランス国内で反発・抗議が巻き起こる中、結ばれたものです。

美術館でありながら海外に分館を持つ、このコンセプトで有名なのはニューヨークのグッゲンハイム美術館。同美術館は既にベニス、ベルリン、ビルバオ(スペイン)に分館を設置、さらにはフランク・ゲーリー設計となる美術館をアブダビのサアディアットという島に建設するとしています。

このサアディアット島というのは、今回ルーブル・アブダビが建設される場所でもあり、アブダビが新しい観光名所として莫大な費用をかけ、4つの美術館を建設するプロジェクトを立ち上げています。

アブダビのルーブル館は今年のプリツカー賞受賞者である・ジャン・ヌーベルが設計するもので、そのコンセプトは同氏のサイトで見ることができます。ちなみに同氏の設計で東京にあるものは、電通本社ビルです。もともとパリのアラブ世界研究所(壁面はガラス張りに加えて240枚のアルミパネルが取り付けられている。それぞれのパネルにはカメラの絞りのようなメカニズムが取り付けられており、開閉することで採光を自動調節する仕組みになっている:出典wikipedia)で有名になった建築家です。

今回の設計は伝統的なアラブ都市をイメージしたもので、それがドーム型の屋根の下に内包されていると言った雰囲気のものです。ガラスを多用し、消える建築といわれた彼のイメージとちょっとちがうな、というのが私の感想です。「エレガントな浅いドーム型をした覆いは、直径183mあり、たった5本の柱で支えられるものとなろう」という説明があります。
英国のBuro Happold社がアブダビ・ルーブルプロジェクトの総合エンジニア(構造、建設、土木、防災、保安、音響、ファサード、地質など)として指名されています。

アブダビの島に建設されるということは簡単に考えただけでも、灼熱、砂、潮風に耐えるものでなくてはならない、というきつい制約が入ることになります。

建設は来年の夏に始まり、美術館は2012年にオープンの予定です。

最後にルーブル・アブダビが建設されるサアディアット島の文化プロジェクトですが、まず、このルーブル・アブダビ(ジャン・ヌーベル)、グッゲンハイム(フランク・ゲーリー)、Sheikh Zayed国立美術館(ノーマン・フォスター)、舞台芸術センター、海洋博物館(安藤忠雄)が計画されています。これら文化施設プロジェクトはサアディアット島の開発プロジェクト(30年)の一部として組み込まており、同島とアブダビは新しく建設される2本の橋梁で結ばれる予定です。
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by fukimison | 2008-06-20 12:07 | プロジェクト  

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