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ソウルのエコタウン

石油価格高騰、地球温暖化が原因なのか世界規模で発生する異常気象、そんなこんなで環境対策、環境に配慮した商品の開発が盛んです。日本でも太陽光発電パネルへの助成金がつ復活したりと、風向きが変わりつつあります。

隣国の韓国も日本と同様に、石油・天然ガスなどのエネルギー資源を輸入に頼っており、ちょっと資料として古いですが、2002年のエネルギー資源輸入額は輸入総額の21%にあたる320億ドルにのぼっています。日本のエネルギー消費量が横ばいであるに比して韓国は、年平均6%台で上昇しています。

こんなエネルギー消費大国の韓国で、エコタウンの建設計画が発表されました。
ソウル市庁の発表によると江西区の麻谷地区を世界でも有数の省エネ地域に転換し、「Eco Energy Town for the Future:未来に向けたエコエネルギータウン」とするそうです。

新しい冷暖房システムにより石油や電力の消費量は50%削減されます。さらに最先端の石油使用量を削減する技術が導入され、同地域のエネルギー使用量の40%がリサイクルされる計画です。平均的なビルに対しこの地域の新築ビルは、そのエネルギー使用量を3分の1削減するよう設計することが求められることに加え、10MWの発電能力を持つ太陽光発電施設が建設され、同市の温室効果ガス排出削減に貢献する計画です。

さらに同市は河川の水により生成されるエネルギーを利用するシステムを開発し、韓国の厳冬期において、約23000軒の住宅の暖房が行えるほどのエネルギー源となることが期待されています。
省エネビルは、再生エネルギーのみならず太陽光エネルギーも利用するものとなろう。「エコスクール」は建物の屋上に設置された太陽光発電装置により、建物で使用するエネルギーを賄う計画です。

「未来に向けたエコエネルギータウン」は、エネルギー消費削減に努力する世界中の都市にとり手本となることが期待されています。ソウルは2009年の世界第都市気候変動サミット(C40)の開催都市となることが決定されており、この麻谷地区の事例は、このC40の際に紹介される予定です。

ちなみにこのC40とは2005年に主要18都市の首長がロンドンに集まり、地球温暖化と気候変動について討議したのが始まりです。そしてことしの10月にC40は東京で開催されます。

麻谷地区で開発された施設や技術は、環境汚染削減の一助として市内の新規開発地域で実践される計画です。ソウルは世界でも有数のエネルギー消費が高く、温室効果ガスを大量に排出する都市ですが、これらのプロジェクトは同市を環境に配慮した都市へと転換する積極的な取り組みの第一歩となるでしょう。

韓国は「エコ特区」を指定して温室効果ガスの削減を行うと供に、環境技術の開発を支援するということのようです。一丸となって取り組むと大きな力を発揮する韓国ですが、1年程度の期間でどの程度のエコタウンが建設できるのか、ちょっと時間的余裕の少なさが気になります。

by fukimison | 2008-06-26 19:08  

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