米国のグリーンビル事情

6月18日付けのネット版ENR誌を見ていたら、数年前までグリーンビルディングは費用がかさみ、格好は良いけど添えモノ的な扱いであったのが、この2-3年に環境問題や気候変動への関心の高まりから持続可能な設計が台頭してきた。 更に石油価格の高騰、環境に配慮した製品や素材の普及により、グリーンビルの建設はぜいたく品ではなく、場合によっては今までの設計手法に対する省エネ代替法となり、市場として成立し始めたという記事にぶつかりました。

ENR誌は5月にグリーン設計市場の調査を行い、このほど結果が発表されました。それによると上位100社は国内市場16億2000万ドル、海外市場1億2120万ドルの収入を得、その総収入は17億4000万ドルにのぼりました。設計企業上位100社でみるとグリーン設計は7.4%を占めています。グリーンスタンダードが一般的な建設市場において上位100社の総収入は86億8000万ドルであり、そのうちグリーンプロジェクトは18%、15億6000万ドルを占めているとあります。

この台頭の理由として、持続可能法により新規プロジェクトに対しLEEDのお墨付きを要求する都市(ボストンやワシントンD.C.など)の出現があげられます。また一部ではテナントが省エネ、良好な水質や換気を要求することで、機を見るに敏な開発業者にグリーンデザイン採用を促しています。一部地域は地域法において促進する必要があるものの、持続可能な設計は開発市場でも普及しています。ある中西部の都市は、ビル所有者や設計家に断熱、エアコンやエネルギー利用法といった問題に配慮を促すための独自の持続可能ガイドを採用しています。

また今までは小規模な、ある意味趣味的なものであったLEEDに則ったグリーンビルが、だんだんに大規模プロジェクトでも見られるようになってきた。ラス・ベガスのPalazzoは3000室、19億ドルのカジノですが、LEED承認を受けた世界最大のグリーンビルでもあります。

このリゾートカジノホテルのプールは太陽光パネルで温められ、水を温める必要のない夏季は客室のお湯を沸かすのに使われます。このほかラス・ベガスのMGMシティーセンターでは各ビルがLEEDのシルバー基準に合致したものとなる、1800万平方フィートのプロジェクトが進行中です。あの享楽都市のラスベガスのカジノが環境に配慮した建物に変身?カトリーナが米国に与えた影響の大きさを感じます。

このLEEDとはU.S. Green Building Council(全米グリーンビルディング評議会)が実施するThe Leadership in Energy and Environmental Designの略号で、LEED Green building Rating systemは高性能なグリーンビルの設計、建設および運営の全国的なベンチマーク、つまり環境性能の格付けとなるものです。

このLEEDの説明はNEDOが2006年に米国のグリーンビルディング評価制度というレポートを出しています。

是に対し英国はBREという格付けシステムを持ち、両者はちょっと複雑な関係にあります。
これに関しては以前の記事(4月21日のスタンダードとは)をご覧ください。
[PR]

by fukimison | 2008-07-02 19:13 | グリーンビル  

<< 英国、エコタウン計画の成績表 中国の不動産価格、鈍化の兆し? >>