イギリスの建設不況

このブログはタイトル通り、主に私の好きなインフラと景観の話、そしてそのインフラや景観を取り巻く社会情勢、経済、環境などを扱っていこうと思い始めました。昨日の都市開発のお話は、都市の裏側にはインフラが存在し、また都市は景観を作りも壊しもするものだけに興味深いものです。今日の記事は少し角度を変え、建設不況が日本だけでの現象ではないという視点です。

7月2日付けの英専門誌NCE誌に「杭打ち業者、倒産・人員削減の危機」という記事が出ました。

個人住宅市場の着工数が激減したことで、ある杭打ち業者は1000人程度の解雇の可能性を認め、またある業者は、会社の買い手が見つからない場合は清算業務を行うことになるだろうと述べています。住宅建設の最初に行われる杭打ち、その杭打ち業者がこのような状態ということは、これに続く各業種の企業も連鎖的に倒産の危機にあり、人員削減を行わざるを得ないということです。
「市場の激しい下落により、多くの住宅建設業者が着工を延期している。」「今のところ親会社が損失を負担してくれているが、もう親会社も限界だ。中長期的に見て市場の好転は望めないことから、親会社もこれ以上支援はできないだろう。」「会社を売りたいが、興味を示す会社はあっても成約に至る場合は殆どない。」と悲鳴のようなコメントが続いています。

このような杭打ち業者の現状は資材市場にも影を落としています。

The Construction Product Association (建設製品協会)は、2008年大に四半期に杭打ち産業が使用する重量資材は急激な売り上げの減少を見たと発表しています。

またThe Royal Institute of Chartered Surveyors (王立公認調査士協会)も、「全国的な住宅市場の下落を受け、工事作業量は調査士史上最も速いペースで下落し、作業量が1995年以来最も大幅な下落を示し、雇用レベルもこの10年で始めて減少した」としています。

建設市場だけが不況なワケはなく7月1日付けのIHTは、ロンドンで最高級の7地域の住宅やアパートの平均価格が、前月に比べ6月は1.7%下落したと報じています。

言い換えれば、信用危機と世界経済への懸念という2重の不安が、ロンドン中心街の最高級不動産にまで影響を与えたということでしょう。

ロンドンの高級住宅市場は30万人といも言われる銀行家や金融関係者からの需要で下支えされてきました。この人々が人員削減やボーナスカットへの不安から購入を控えれば、当然需要は減少しますし、需要が減少すれば価格も下落します。高級住宅地の販売は、昨年から60%減少したそうです。

高い借入費用により貸付は抑制され、このため6月の英国住宅価格は前年比6.3%の下落となりました。これは1992年11月以来、最大の下落幅です。100万ポンド以下の住宅の価格は、2.3%下落しています。

ロンドンの住宅市場で下落の影響を最も受けなかったのは、1000万ポンド超の超超高級住宅です。月ベースで見て、この3年で初めて値段は下がったものの、1年前に比べまだ23%高くなっています。
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by fukimison | 2008-07-04 12:28 | つれづれ  

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