ブルガリアの交通政策予備調査

ここのところ環境系のお話が続いていたので、今回はインフラです。

ベルリンの壁が開かれ、ソビエトがロシアになり、共産圏といわれた東欧諸国がEUに加盟するようになり、欧州の地政図は大きく代わりました。EUの支援を受け共産党時代の負の影響から脱する努力を重ねています。それが良いのか、そうでもないのかはまだまだなぞですが、本日はニュースの入ってきにくい東欧・ブルガリアの話題です。

ブルガリアの交通システムは過去つまり共産党時代の投資政策の犠牲者であり、大変貧弱な状態にあります。これを打開するためブルガリアの交通大臣はFaber Maunsell社と200万ポンドの契約を結び、同社にブルガリアのインフラ用交通マスタープラン立案を委託しました。

同社は建設・交通・環境に特化した英国の専門コンサルタント企業で、国内外に30のオフィス、3000人を雇用し、1億6000万ポンドの売り上げを誇る企業です。

ブルガリアが経済成長を遂げるためには鉄道、航空および水運のターミナルやハブの改良が必須です。このたびの調査は、これを視野にれた中長期的な交通投資プログラム作成の基となるものです。

ブルガリアは中央ヨーロッパと近東を結ぶ要衝の地でありその地勢を生かした計画、つまり国内外の貨物や乗客輸送を確保するインフラという経済的な課題達成が求められるでしょう。調査は少なくとも12ヶ月をかけて行われ、より詳細な投資の基礎や個別プロジェクト実施に向けた下準備となります。

EUは既に2007-2013年期に20億ユーロをブルガリアに割り当てており、この調査により同資金を引き出すことが可能となります。

さらに6月4日付けのConstruction Newsは会計コンサルタントのPricewaterhouse Coopers社が発表した報告書「Building New Europe's Infrastructure (新しい欧州のインフラ建設)」が、チェコ共和国、ハンガリーやポーランドから成る中央・東欧州との大型インフラ契約から発生する大量のプロジェクトを強調していることを紹介しています。

EUは旧東ブロックの道路、鉄道、航空、上下水道処理施設、港湾、病院、教育施設を含むインフラ施設を西側の標準にまで引き揚げるため、2013年までに最大1400億ユーロを支出するとしています。ECの報告書によれば、同地域が必要とするインフラ投資は4000億ユーロまで必要だと予想されています。同報告書はこれらの資金供与の大部分は、世界の主要開発業や
建設企業を誘致するため、官民パートナーシップを介して行われるとしています。

一方でこれら東欧の新興国の建設作業員の能力は概して高く、海外企業は入札で早々簡単に地元企業を打ち負かせない、という報道も成されています。

確かに東欧圏の教育水準は高いですから技術力でおすよりも、地元企業とのJVスタイルをとらざるを得ないでしょうね。建設企業は保守的なように見えて、海外での大プロジェクトをいくつも経験しており、その当たりのノウハウの蓄積を上手く活用することでしょう。

ただこれだけ原油高や環境負荷が叫ばれていることから、マルチモーダルといっても水運・鉄道を主体にするでしょうけど、山間部の工事大変でしょうね。
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by fukimison | 2008-07-09 11:25 | プロジェクト  

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