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世界の不動産投資状況

ここ2-3日環境系のお話が続いたので、今日は不動産の四方山話です。

昨年秋のサブプライムに端を発し、苦境にある米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ、Fannie Mae)と米連邦住宅金融抵当金庫(フレディマック、Freddie Mac)の金融支援策がここ数日新聞紙上を賑わしています。

こんな時は不動産関連の株にしろ、物件にしろ買う人はいるのだろうかと思っていたら、つい先日、石油高騰で資金が潤沢にあるアブダビ政府がニューヨークのクライスラービル(1930年に建設されたアールデコの装飾で有名、しかし内部は維持管理が適切に成されておらず、見た目だけという)の持分の90%を8億ドルで購入したというニュースが流れました。

人と違うことをするから、お金持ちになるのか、お金持ちだからできるのか、などと思っていたら、IHTにThe Association of Foreign Investors in Real Estate,(AFIRE:外国人不動産投資家協会とでも言うのでしょうか、非営利の団体だそうです)の調査記事がありました。なんでもこのAFIREの調査は、世界全域に計7000億ドルの相当の不動産を所有する会員200名に、世界で最も投資効率の良い不動産市場について聞き取ったというものだそうです。

それによると最初に、国毎に投資効率は変わるが、米国と英国の2カ国は景気低迷とインフレに直面し、投資を避けるべき国だとあります。このぐらいなら、私も言えそう。
しかし世界的な経済の不安定な局面から、投資家は長期的に安定的な市場に集まります。それでニューヨークやロンドンの不動産が買われるわけで、他にはワシントンD.C.やパリが登場します。つまりニューヨークはニューヨークであり、アメリカではないという考えのようです。

このあと、インフレやサブプライムの影響をあまり受けていない都市、東京などが投資家の注目を浴びていると続きます。(本当かしら?その割には不動産関係の株価は急落していますが、、、それともインフラが整備されており、政治的な安定がほぼ保証されているので、NYやロンドンと同様に、日本というよりTOKYOというブランドなのでしょうか?)

個人が住宅を買う場合、価格、場所や周辺環境に重点を置きますが、不動産投資家の場合当然ながら、資本化率、資産価値とそれがいくらで貸せるかの相互作用で考えます。

たとえば、香港と上海の住宅市場を比べた場合、香港が1平方フィートあたり2,218ドルなのに対し上海は366ドルで売買されます。これを賃貸にした場合、1ヵ月あたり香港は1平米6.10ドルであり上海は2.10ドルです。香港の賃貸市場は年に3.3%のリクープなのが上海は6.9%のリターンです。投資家からみれば、低い投資額と高いリターンということで、上海の勝ち。

しかし中国政府は外国人が不動産を買うことを制限していることから、上海などのオフィスビルへと投資は動きます。

今は中国本土のオフィスビルという話ですが、これがいつまでも続くとは誰も考えていないでしょう。現に2000-2005年ぐらいは東欧市場に投資家は集まっていたのが、旧ソビエト圏で見られる市場の不透明さや所有権の問題によって、スクに比して見返りが少ないとして投資家は逃げつつあります。

とにかく、「これから伸びる都市に投資する」がカギだというのは不動産でなくても、ほかの産業でもそうでしょう。でも適度に市場透明性があり、法制度が整備されている新興国なんてあるのでしょか?そのあたりのバランスなんでしょうけど、素人は手を出さないのが得策ということみたいです。

by fukimison | 2008-07-17 11:19 | つれづれ  

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