ベトナムのゴルフ場

先日、ベトナムの原発計画をお知らせしましたが、今回はゴルフ場計画です。
それも、ゴルフ場を造るのでなく、制限する方です。

ベトナム社会主義共和国国会便りとでも言うのでしょうか、The National Assembly of the Socialist Republic of Vietnamに紅河デルタ地方ターイビン省のLe Quoc Dung議員は投資計画省のPhuc大臣に、無計画に農地がゴルフコースに転用され建設されることについて質問したとあります。同議員によれば、現在ベトナムの39都市に運営中および計画中併せて141のゴルフコースがあり、その総面積は49,000ヘクタール、うち2,625ヘクタールは農地だということです。

これに対しPhuc大臣は、農地をゴルフコースに使用する計画で進行中の物は無く、また農地として不適な土地しかゴルフコースにされていないと明言し、さらにこれらゴルフコースの監督に関し、首相は認可を与えず、また各省の人民委員会が認めた地区計画に沿ってゴルフコース建設の免許を与えるよう人民委員会に指定したと答弁。

単にベトナムのゴルフブームの話だけなのだろうかと思い、ほかを見たところ、7月27日付けのAFPにVietnam to freeze new golf courses to protect rice farmsという記事がありました。この記事をかいつまんで紹介すると、
海外の投資家がその勃興経済に注目した事とあいまって、2006年初頭から週に1コース余の割合で新規コースが認可されています。ちなみに2007年、ベトナムは8.5%の成長率を記録している。しかしインフレが二桁で進む中、食糧価格が高騰したことで政府は、土地利用基準や環境保護義務を満たさない新規ゴルフコースの凍結を計画中だと計画投資省の報告書は伝えている。同報告書は「地方政府は、現在二毛作が行われている農地をゴルフ場に転用するプロジェクトに認可を与えることを中止すべきだ」と記しているとVietnam Investment Review誌は伝えたとあります。何千人もの農民が農地や生計手段を失い、そのうえ開発業者はお約束どおり、1平米あたり約2-3ドルの保証金を払うだけだと報告書を伝えている。

18ホールのゴルフ場は、1日あたり2万世帯の消費量と等しい5,000立方メートルの水を消費し、農地が使用する3倍の殺虫剤、農薬そしてほかの化学薬品を必要とします。2000年から2006年にかけ、経済発展を遂げるベトナムは、工業および住宅地域の拡大により稲作面積が450万ヘクタールから410万ヘクタールへと縮小したと6月農業省は発表しています。

すでに中国が食糧製品を輸入し始め、またベトナムやインドがこれに続くと成ると、エタノール製造に流れたことによる穀類市場の混乱と相まって、はさらに大きな混乱が起こると素人の私でさえ考えます。

そういえば、1ヶ月ほど前のIHTの記事にも、スペインがゴルフ場建設を制限する施策を打ち出したというのがありました。スペインはここ数年干ばつに襲われており、農地は大きな打撃を受けています。日本でもバブル崩壊以降ゴルフ人気は衰え手いると聞きます。ゴルフトーナメントの報道は大きくされていますが、若者のゴルフ離れが言われ、実際にプレーを楽しむ人々の層やゴルフにかける費用はどの程度のものなのでしょうか?水や農薬を大量に使うゴルフ場経営は、これからますます難しくなるでしょうね。

21世紀は水の時代といわれており、土地と水は公共財と捕らえることが普通となった場合、ゴルフは最初に槍玉に挙げられそうな気がします。
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by fukimison | 2008-07-30 11:34 | 公共財  

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