ベルファスト空港売却

9月7日付けのFTにFerrovial agrees to sell Belfast City Airportという記事がでました。

まず、Ferrovial(フェロビアル)というのはスペインの大建設企業です。そしてイギリスのベルファスト空港の持ち主、というより英国のヒースロー、スタンステッド、ガトウィックなど計7ヶ所の空港を管理する企業のBAA(British Airport Authority)の大株主です。英国を代表するヒースロー空港の管理会社が自国資本でない、というのは日本人にしてみれば、ウッソーですが、 2006年にBAAはフェロビアルに102億3000万ポンド(約2兆1000億円)で買収され、同社の傘下にあります。

そして今度、フェロビアルグループは、ABNアムロのGlobal Infrastructure ファンドが1億3250万ポンドでベルファスト空港を買収すると発表しました。同空港は北アイルランドの首都と英国やフランスを結び、年間2万人が利用する空港です。

2003年、フェロビアル社は同空港をカナダの航空宇宙グループのボンバルディア社から4300万ポンドで買収しています。9月6日付けのIHTによれば、フェロビアル社のキャピタル・ゲインは8560万ポンドだそうですし、9月末までにこのディールは完了の予定だされています。

なんだか儲けてそうな気がしますが、フェロビアルはBAA買収以来BAAの債務計画に苦慮してきたのですが、特に昨年秋の金融引き締め以降、インフラボンドの借り換えが難しくなっていました。それに加え8月、英国競争委員会はBAAはロンドンのヒースロー、ガトウィック、そしてスタンステッドの3空港のうち2空港を、さらにグラスゴーかスコットランドのエジンバラ空港のいずれかを売却すべきだとした予備報告書を発表しています。

日本だと電源開発とTCIみたいに、すぐインフラが海外資本の所有になるのは国益上うんぬんとか国防上かんぬんとか言われますが、欧州では空港管理会社の大株主が外国資本であることよりも、健全に競争が行われているか、利用者が不利益をうけないかが問題になっています。さらにある程度の利益が上がれば、売却される。この場合ABNアムロはオランダの金融機関のような気がしますが、同社も2007年にスコットランド王立銀行の率いるコンソーシアムに買収されています。だからスペイン資本から英国資本に戻ったような気がしますが、これも気がするだけで、利が乗れば、また売りに出されることでしょう。

インフラの売買、日本ではまだまだ未成熟な分野です。
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by fukimison | 2008-09-08 22:24 | 公共財  

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