米カリフォルニアの新幹線計画

このところアメリカ発の金融危機で暗いニュースばかりでした。
今日のニュースもアメリカ、それもサブプライム問題の源泉的なカリフォルニアのお話です。

10月15日付けのL.A.TimesにBackers push bullet-train measure as a dramatic change in California transportationという記事と輸送中の新幹線新型の写真がでました。

あの車社会のカリフォルニア州で新幹線計画ですか?というのが最初の疑問だと思いますが、加州での新幹線計画は四半世紀前から浮上しては消えということを繰り返してきました。また意外に思われるでしょうが、サンフランシスコでは地下鉄も走っています。

今回のL.A.Timesの記事は、総延長800マイルの新幹線網建設計画の手付金として100億ドル近い債券発行に関する1A提案が11月4日に投票されるというものです。
今日も世界的に株価がさがっているし、サブプライム発祥の地のカリフォルニアにそんな余力あるの?というのが素朴な感想です。

この1A提案は総工費450億ドルのプロジェクトで、時速220マイルの新幹線型列車を運行しようというもので、1869年の大陸横断鉄道完成以降最も野心的な公共工事といわれるものです。

たしかに原油価格は高騰し、空港や高速道路は常に混雑していることから、その面だけなら良いタイミングのように感じますが、加州は恒常的に赤字に悩んでいますし、ウォール街はそれどころじゃないし、プロジェクト実施を問うには最悪のタイミングでしょう。といいながらも既にカリフォルニア高速鉄道公社(1996年設立)は、6000万ドルもこの計画につぎ込んでいますし、過去の経緯から、今回成立しなければ次は無いと思い定めているようです。

でも99億5000万ドルの債券を発行し30年かけて償還していく年間コストは6億4700万ドルに達します。そしてこれで得られた資金は、サンフランシスコのベイエリアとロサンゼルスとオレンジ郡を接続する高速鉄道計画第1期(330億ドル)に充てられます。

カリフォルニア高速鉄道公社のサイトをみると、高速鉄道は交通の改善だけでなく、2030年までにベイエリア全体で48000の新規雇用を生み、工事期間中に10万の雇用を生み出すとしています。さらに高速鉄道がもたらす交通網改善を高速道路や空港の改善で行おうとすると、鉄道工事費用の倍は必要になるとしています。現在の交通渋滞はベイエリアの全運転者にとり、毎日15万時間のロスタイムとなり、これを経済費用に換算すれば年間26億ドルに相当するとしています。

高速鉄道建設、個人的には賛成です。第1期のサンフランシスコ・ベイエリアからロサンゼルスのユニオン駅はともかく、最終的に州都のサクラメントからサンディエゴまでをつなげるこの計画、相当な多難が想像されます。

もし上手く行けば、工事は2011年に始まり、2020年に運行開始となります。予定ではサンフランシスコとロサンゼルスのユニオン駅を2時間半弱で結び、運賃は55ドルが見込まれています。本当にこの時間でこの料金なら、建設したものの閑古鳥が鳴くということはないでしょう。でもアムトラックは建設以来一度も黒字になったことがないことから、この路線で利益がでる、黒字になるのは別問題のような気がします。
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by fukimison | 2008-10-16 14:08 | プロジェクト  

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