ガザ地区のトンネル産業

本当はインフラや景観、特に都市景観に関係する事柄を紹介する目的で始めたブログなのに、リーマンショック以降なかなかこういったプロジェクトに関する記事が出てきません。プロジェクトを進めるのにはどうしても資金が要るため、建設業界の外側の状態を紹介するのは必要なんですけど、それが行き過ぎた記事選びになっていると、ちょっと反省です。でも面白い記事が出てきません。

そうした中、10月16日付けのBBCにGaza tunnels 'become an industry' という記事が紹介されていまいた。イスラエルとパレスチナの対立は、最初は何で始まったのか、どういう経過でこういうことになっているのか、忘れてしまうほど、または日本人にとっては理解し出来ないほど込み入っていています。一般的な意識は、イスラエルとパレスチナは対立している。イスラエルはパレスチナのガザ地区を封鎖している。これに対抗してパレスチナ人は自爆テロを仕掛けるなどして、対立抗争はどんどんエスカレートしているといったところでしょうか?

イスラエルの封鎖によりガザ地区は、恒久的はインフラ整備は進まず(空爆もあったりして破壊されることはあっても、新規に建設されることはまずない)そのため汚水処理施設というより、溜池で凌いでいる状態。日本ではあまり報道されませんでしたが、2007年春にはガザ地区北部で汚水貯水池が決壊し、村が洪水になり死者や負傷者がでている始末です。(BBC2007年3月27日

さておさらいです。ガザ地区の面積は360平方km、ここに150万人が居住。地中海に面し、西をエジプト、それ以外をイスラエルに囲まれている。

そこで本日の記事ですが、国連の報告書によるとガザ地区とエジプトを結ぶトンネルが同地に住むパレスチナ人のライフラインになっており、食糧や燃料をはじめとして多数の製品がトンネルによって運び込まれ、このトンネル産業に何千人もの人がかかわるようになってきているとあります。

イスラエルはエジプトの取り締まりが緩いため、食糧や生活物資だけでなく武器までトンネルを介して運ばれていると非難しています。また報道によれば、現在国境沿いに数百のトンネルが存在しているそうです。国連報告書は「事業者の能力不足により正規の通行所を介しての商業活動が行えないでいるため、トンネルはパレスチナ人にとりますます重要度を増している」と記しています。しかしエジプト、イスラエル、パレスチナ人の穏健派とイスラム原理主義者、そして第1次中東戦争から因縁を考えると、そう簡単に閉じた国境を緩めるとか、欧米で見られるような通関作業なんてできると思えません。

しかしトンネル事故により約40人が死亡していると続くところを見ると、ちゃんと設計したものではなく、たぶんで手掘りの危険なものだと想像されます。
2008年9月、ガザ地区を支配するパレスチナのハマス(イスラム原理主義者のほう)は、トンネルを介した通商の免許と管理に関する規則を導入したとあることから、正規のものとして利用していくのですね。
正規のものとして利用していくのは良いけれど、やっぱりちゃんと国境を空けるべきだとUN報告書は結んでいます。

土質なんて考えてもいない手掘りトンネルでしょうけど、現実に人の役に立っているというのはインフラの本質ですね。
[PR]

by fukimison | 2008-10-20 12:34 | 公共財  

<< 米、ハリケーン被害額 米の不動産不況深刻化 >>