カテゴリ:景観( 43 )

 

英、Cucumber Tower建設へ

リビアでは内務大臣が辞意を表明した途端、「ギャング」に誘拐されたとの報道があり、住む国によって職(立場)と生命はイコールなのだなぁと思ったら、政務次官の辞任報道がでて、こちらは誘拐というより愉快だったりしてと少し皮肉な気分です。

しかし改革、革命の原動力をfacebookだ、twitterだとする声が大きいので少し調べてみたところ、世界で最も接続料が高いのは中央アフリカ共和国の平均月収の3891%とする報道を発見。これは2010年9月2日にBBCが報道したUN reveals global disparity in broadband accessという記事中にあるのですが、2位エチオピア、3位マラウィとアフリカ各国が並びます。逆に安いのは1位マカオ(月収の0.3%)、2位イスラエル、3位香港。
boradbandの契約者数はマラウィの100人あたり0.02人ぐらいしか数字がないこと、しかし携帯電話の契約数は世界で50億とあることを考えると、ネット機能がついたごく少数の高機能携帯がテキストメールを廉価携帯に飛ばしていく、キャスケードかなぁ。

ともかく本題は2月22日付けArchitects' Journalに掲載されたPartington's Cucumber gets green lightで、円筒形をした42階建ての超高層ビル計画が承認されたというものです。

「ウェストミンスター議会はCABEが激しい非難を浴びせる中、大金持ちのSimon とDavid Reubenが支援する西ロンドン、パディントンのMerchant Square計画(Robin Partington設計)を承認した。目玉となるタワーは住宅(222戸)、屋上スカイバー、テラスカフェを備えたブティックホテル(90室)等で構成される」とあります。

しかし2010年11月30日付けBUKISAの
Billionaires Reuben Announce Plans For ‘the Cucumber’ Towerを見ると「当初計画は500戸だったとあり、もっと規模の大きな開発だったようです。高さ140mでロンドンで17番目に高いビルであり、あのガーギンのライバル」とあるあたりなかなかです。

計画委員会議長は「建築設計は素晴しい。ロンドンのスカイラインにあらたに象徴的な建物として加わり、パディンおよびその周辺地域のfocal pointとなるものだ」と”賞賛”しています。

CABEの批判ですが、2月11日付けLondon Evening StandardのWatchdog takes a bite out of the Cucumber in design rowによれば、求められる「国際レベル」基準に欠けている、また「円形の形状」が周囲にそぐわないと評しているとあります。

一方でウェストミンスターの計画官は関係者は皆支持していると述べたとあり、先日参加したPlanning Inspectorのシンポジウムのはなしとどう結び付くのか、もう少し見てみなければ。。。
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by fukimison | 2011-02-24 11:19 | 景観  

Prince's Foundation、DR路線で新たな批判

景観法があっても、都市マスタープランがあっても、都市計画法があっても、社会全体を巻き込んだ景観論争の起きない日本(誤解を恐れずに言えば、すくなくとも前者2つは理念法であり、余り意味がないとワタシは思っています)それどころか記事にならない。景観・デザインレビューが映画、本、レストラン、と同じぐらいの頻度でメディアに登場し、普通にランチタイムの話題になる日を夢見る今日この頃。

つい2週間ほど前、チャールズ皇太子の財団、cabeのデザインレビューを狙う?というタイトルで、Prince's FoundationのDittmar事務局長が、予算カットとなったcabeの穴を埋めるため、同財団がデザインレビュー役を務める用意があるとした発言を行なったことをお伝えしました。

この声明発表時から賛否両論でしたが、11月26日付けGuardian紙はPrince Charles seeks 'big society' role in shaping UK towns and citiesとして財団の動きについて懸念する報道をしています。

記事は「チャールズ皇太子は政府によるneighbourhood planning system(コミュニティー計画制度とでも言うのでしょうか?)で重要な役割を果たすことで英国の都市へ影響を広げようと図っている。官僚よりも人々の手に渡すことを目的としたキャメロン政権の「bid society」政策の一部である、コミュニティーにどういったものが建設されるべきかについて皇太子の補佐官は政府に助言をおこなっている」と続きます。

このBig Society論ですが、簡単に言えば「政府ではなく個人が意思決定を行う」というもので、ご興味のある方はこちらをご参照ください。日経ビジネスオンライン「英総選挙に米国の近未来を見た

いままでのPlanning Systemからもっと地方への自治権限委譲、住民参加の度合いが強くなった場合、事業者・行政・地域住民の仲介役として入る団体の考えにより、どういった施設が建設され、その形状はどうあるべきか、といった地域の姿は大変影響を受けることでしょう。それで専門家は皇太子が好む伝統で保守的な建築物へコミュニティーが引きずられ、民主的な計画制度に皇太子の影響が濃く出ることを懸念しているとあります。

これへの懸念を表しているのがAlsopの「我々は圧倒的多数の人々がチャールズ皇太子の態度に好感をもっていることを知っている。しかしいかなる芸術や科学と同様に、建築も古いものを守ると同時に新しいもので成長し、興味の対象を追い求めていく。Prince's Foundationの参加により、新規なものは無用になってしまうだろう」というコメントでしょう。

近代建築は技術により可能となった形状というのもありますし、3歩すすんで2歩下がるという回転的進化を思うと、こういう時期もあってまた先に進むという理解でよいのではと、つい外国のことなので言ってしまいます。

しかし、この件を検索した時、ヒットしたものの中にgulf timesに上記のguardian記事を引用したものを見付けました。やはりというか、皇太子の横槍でカタールティアールが計画した30億ポンドの住宅建築計画が1からのやり直しになり、開発事業者と泥沼の法廷闘争に至ったことから、これは見過ごせないということでしょう。
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by fukimison | 2010-12-02 10:32 | 景観  

開発か保存か?米ミルウォーキーの場合

米ミルウォーキーといっても今ひとつイメージが湧かないと思います。
ミシガン湖の西岸に位置し、ウィスコンシン州最大の都市です。詳しくはwikiをご覧いただくとして、18世紀の米国における最大の都市と言われています。

そのミルウォーキーでホテル建設をめぐり保存か開発かという議論が沸き起こっているというのが本日の記事です。
まずアウトラインを11月6日付けFOX Newsのサイトからおつたえします。
Potential $50 million hotel project sparks debate over demolition in historic areaと題された記事は「開発業者のJackson Street Managementはミルウォーキー通りとウィスコンシン通りの交差点に5000万ドルを投じて万理夫ホテル建設を計画しているが、市議会議員の Robert Bauman氏はこの計画に反対している。」で始まります。

問題は建設プロジェクトが歴史地区にある建物の一部を取り壊すことを前提にしていることにあるようです。そしてお定まりのこのプロジェクトは200の永久的な雇用と450の工事関係の雇用を生み出すという経済問題も。そして11月15日に歴史保存委員会と事業者の会合が行われる予定だが、ここで委員会が計画を却下した場合、12月末か来年早々に市議会に申請が提出されるだろうというものです。

もう少し詳しい記事を探したところ、11月3日のBiz TimesにMarriott hotel proposal faces historic preservation battleという記事がありました。

こちらによると200室、10階建てのホテルとあり、東京に住む日本人は10階かぁ、たいしたことないじゃないかとつい言いたくなります。どうも問題は建設用地を作り出すのに、ほとんど空き家状態であるものの歴史的建造物の指定を受けたビル5棟の撤去が必要だというもののようです。ミルウォーキーを本拠とするホテル開発事業者が計画するプロジェクトであり、やはりミルウォーキーを本拠とするRCI First Pathway Partnersと協働し政府のEB-5プログラムを介して外国投資家により資金を受け実施される計画だとあります。

このEB-5プログラムは、米国で雇用を生む投資を行った外国人に対し、グリーンカードそして将来的には市民権を用意するものだとあります。(高いグリーンカードに市民権の気がしますが、、、、)

このプロジェクトは同市の歴史保存委員会のレビューを受ける予定ですが、市議会は委員会の勧告を受け入れないことも可能です。もし歴史保存委員会が建物の撤去を拒否した場合、市議会の3分の2以上の票が集まれば、これを覆すことができるとあります。

計画に反対している市議会議員は「市街地再生には歴史的なビルが鍵となるし、ウィスコンシン通りとミルウォーキー通りの南西部の歴史的建物を撤去することは同市の中心地マスタープランと矛盾するものだ」と述べているそうです。

一般に欧米では都市マスタープランと矛盾する建築物は建設できないのですが?このケースはいかに?
今後の成り行きが注目されます。
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by fukimison | 2010-11-08 12:22 | 景観  

英、ウォーキー・トーキータワ建設始まる

昨日に続き英国のニュースですが、本日は景観・都市計画にかかわる話題です。

今年(2010年)6月に英ロンドン、新たにヴィニオリの超高層が加わる?として、ヴィニオリ設計する俗称ウォーキートーキータワーの建設が再開されるようだとしたニュースをお伝えしました。

あの時点では事業者間の話し合いが進んでいるといった状態だったのが、10月19日付けConstruction Digital誌はConstruction Begins on “Walkie Talkie” Towerとして、Land Securities社とCanary Wharf Group社は50:50の合弁事業契約を締結したが、タワーの建設をめぐりUNESCOという手ごわい反対者がこのビルの建設はロンドン塔の景観を阻害し、計画の中止を求めていると伝えています。

記事によれば「このタワーの当初計画は45階建てでしたが、建築申請は修正され高さは37階へ減じられています。ヴィニオリ設計による中央部分が膨らんだテレビというかウォーキートーキー型の同タワーは高さ160m、最上階3フロアはスカイガーデンになり、総工費は5億ポンドと見積もられている。
事業者のリリース文によれば、「1階部分は2012年2月までに完成し、全体は2014年までに完成」だそうです。

このニュースは10月19日付けthe construction indexもCanary Wharf Constractors to build 500m Walkie Tolkie Towerとして伝えています。

こちらでは「37階建てビルの建築許可は2009年10月に認められている。総床面積約690,000平方フィートであり、各階は14,000から28,000平方フィートと国際レベルのフロア構成」と伝えています。

さらに「建物の基礎および上部構造物の詳細設計は近日中に開始の予定。
Land Securities社とCanary Wharf Group社は共同開発監督として任命され、Land Securities社が主導するものの両社がリースに責任を負う 」と続きます。

こちらの方はUNESCOの反対については一言も触れておりません。

Construction DigitalのCGを見て思うのは、歴史的価値、景観を守るのであれば最初から、荒野に1つたてば個性的でも都会に乱立すると没個性
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by fukimison | 2010-10-20 12:58 | 景観  

ベニス、修復費用捻出方法を巡り論争

昨日のハンガリーでの事故写真、赤土色の泥流が覆った写真、なかなかすごいです。

本日もまずは9月18日付けNew York Timesに出た写真をご覧いただきたいです。(こういうのが写真のツヨミですねぇ)

記事のタイトルはBehind Venice’s Ads, the Restoration of Its Heritageで、ベニスで行われている歴史的建造物修復作業を行う際の防水シートに広告を載せることで、修復費用の捻出を行うという方法が論議を呼んでいるという記事。

これだけだと良さそうに思えますが、広告とそれを取り巻く景観の不一致ははなはだしい。しかも修復費用が充分に捻出できるなら兎も角、ぜんぜん足りない(広告費用として安すぎるという声もある)のでは議論が起きるのは納得です。

Art Newspaper10月号にも同様の記事Ads of Sighsが掲載されており、こちらによると「2008年からこうのような巨大広告がベニスに出現するようになり、サンマルコ広場や大運河沿いの建物に巨大アドボードを出す費用は(3年契約で月約40,000ユーロと思ったほど高くない」とあります。40,000ユーロは、日刊紙に2ページ広告を打つより安いし、必要な修復費用は280万ユーロであり、広告からお金を得てもまだ60万ユーロ足りないのだそうです。

市議会や建造物監督署(これらの広告の許可権を持っている)は、アドリア海とラグーンを隔てる防潮提建設(モーゼ計画・春の高潮でベニスが浸水し歴史的建造物に被害が及ぶのを防ぐ・2014年完成予定)に公的資金が費やされているため、建造物修復にまわせる費用が大変少なく、この方法だけが費用捻出方法だと強固に主張しているとあります。

しかしこれらの広告が夜ライトアップされるようになり、四六時中これらの広告が目を射るようになったとあります。この方法に批判的な者の声はもっと高くなり「1966年の大洪水の時、ベニスどころかイタリア全体ももっと貧しかったが、こんな方法を取らなくても修復は出来た。ほかの方法を考えるべきだし、世界遺産に登録されたベニスを守る義務がイタリアにはある」としています。

世界遺産に登録される、これは義務を伴うもので、その良い例がエルベ川渓谷の剥奪でしょう。これは架橋計画が実施された場合、剥奪するとユネスコは警告を出していたのですが、利便性か称号かで数度住民投票を行い、架橋を選んだという背景があります。

さて、ベニスはどうなるのか?です。
世界遺産に登録することに熱心で、その後の保全(こちらの方が重要であり大変)に目が届かないことの多い日本、ベニスの事例研究重要でしょう。
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by fukimison | 2010-10-07 16:51 | 景観  

エンパイア・ステートビルの景観を脅かす高層ビル計画

このところ米国関係の記事はメキシコ湾の石油流出事故関連ばかりでしたが、本日は景観系、しかもニューヨークという別格の地の話題です。

エンパイアステートビルから2ブロックばかりの場所に超高層ビルが計画されており、その是非をめぐり紛糾したものの、議会は承認というのがあらすじです。

いろいろなソースでこの件は報道されていますが、とりあえず8月26日付けのKHLから。

New York's 15 Penn Plaza approvedは、「ニューヨーク市議会は、同市の象徴でもあるエンパイアステートビルから2ブロックの地点にVornado Realty Trustが計画中のClarke Pelli設計による15Penn Plazaビル(67階建て・363mビル)を47対1で承認した」と伝えています。

計画ビルはエンパイアより18m低いだけであり、開発業者は「ニューヨークのスカイラインに素晴しいビルが加わる」と絶賛していますが、エンパイア側は「計画ビルはその高さやデザインがエンパイアに接近しすぎている」と反対を表明してましたが、ニューヨーク市長のブルンバーグ氏は計画に賛成していたことから47対1になったのでしょう。

この計画について8月26日付けWorld Architecture NewsはManhattan's iconic skyline at riskとして報じています。こちらのパースで見る限り、美しいとはちょっと言い難い。記事中に「6000の職と1500万ドルの交通改善を同市にもたらすと約束」とあるあたりが鍵でしょうし、大型ビル建設が景気に与える影響を是とする判断が大勢を占めたのでしょう。

しかし記事にあるこの部分、「エンパイアビル側が実施した調査は新タワーに肩入れする人の85%が同ビルはスカイラインを脅かし、うち39%がビルのインパクトを軽くするためストリートレベルでのセットバックを求めている。ニューヨークのスカイラインに関する論争はデザインメリットと市のイメージを形作るビルの役割に関し疑問を投げかけている」は議会は建設メリットだけを見ていると言いたいようです。

いろいろな特例を利用し、ゾーニングよりも50%容積率が大きい計画を承認した議会、ペン駅周辺は昼間は人でごった返していますが、夜は閑散としたものになります。そこへ新たなオフィスビルは混雑を増し、しかし住民がいないことで町としては機能が衰えたものになる。

複合開発といいますが、オフィスと商店だけでなく、人が住む、また住める場所に誘導しないと最終的につまらないことになるというのは過去の例から明らか。
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by fukimison | 2010-08-27 11:12 | 景観  

2010年、英Carbuncle Cup

今を去ること25年前、チャールズ皇太子がRIBAの創立50周年記念式典で当時話題を呼んでいたナショナルギャラリーの新館建築案を「親しい友人の顔にできた醜いおでき(carbuncle)のよう」と評したスピーチを行い大変な物議をかもし出しました。

それを「記念」してか、その年に建設された「醜い建物」を選び、なかでも最も醜いものに「Carbuncle Cup」を授けるという催しを建築専門紙が行っております。

その栄えある受賞作がこれです。
南ロンドンのElephant & Castleに建設された Strata tower(BFLS 設計

8月12日付けBDによれば、43階建てで屋上に風力発電用タービンが3基設置されているそうです。

その他候補作品がでていますが、どれもなかなかの力作です。

そして8月16日にはFrom New Zealand to Ukraine, Carbuncle Cup receives global coverageとして、各国からCarbuncle Cupが注目されていることを伝えています。(英国内の各メディアはもとより、ベルギー、ウクライナ、ニュージーランド)

これはもう、百聞は一見にしかずなので、本日はこれまで。
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by fukimison | 2010-08-19 11:17 | 景観  

駐英イラン大使館 チェルシーの二の舞か?

紆余曲折、建設における連続ドラマの様相を呈したチェルシー再開発が終わりを告げたばかりの今日この頃、ロンドンの南ケンジントンに建設が計画されている駐英イラン大使館が新たな火種と成りそうというのが本日の話題です。

8月2日のBuilding Design誌はResidents call on Prince Charles to intervene over Iranian Embassy proposalとしてイラン大使館建設計画に反対する住民の声を伝えています。

南ケンジントン、ハリントン通りの角に建設予定の駐英イラン大使館はイラン人で現在オーストリアをベースに活動しているArmin Daneshgarによるもので、高さは5階建てでたいしたことは無いのですが、パースを見ると、様式がなんともいえない、近未来的なもので、隣接する建物がGradeIIのSt Augustine教会と言われなくても、反対がでてもしょうがないと思います。

イラン大使館という微妙な建築物であることから、ケンジントン&チェルシー議会は保安上の問題により申請の詳細をオンラインで発表していないため(オンラインで詳細が発表されるほうが日本人にとっては驚きですが。。。)役所に足を運び、IDを提示して、200ページにわたる申請書類を見せてもらわなければならないとあります。

秋には建築申請に対する結論がでることから、付近住民はチェルシーの時のように、チャールズ皇太子に介入を求めていると記されています。

8月1日付けのDaily Mailの記事Charles urged to fight scheme for ‘hideous’ new Iranian embassyにBuilding Designのものより解りやすいパースがでていますが、この黄色と不規則な形・配置の窓はちょっとダメでしょう。

英国は景観が不動産価格の一部になっていることから、記事は「このあたりで2bedroomのフラットで約125万ポンド、タウンハウスだと350万ポンド程度する。このようなイラン大使館やイスラミックセンターがすぐ近くにあるようになると、不動産価値は125万ポンドが100万ポンドへ、350万ポンドが300万ポンドへと価値が下がるだろう」と続いています。
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by fukimison | 2010-08-03 10:47 | 景観  

チェルシー再開発最終章

「暑いですねぇ」が挨拶になった今日この頃。

英国で起きた熱い戦いもついに終わりを迎えたようです。
2009年4月に「チェルシー再開発でチャールズ皇太子が意見表明」というタイトルのもと、初めてこのチェルシー兵舎跡の再開発問題を取り上げ、その後、大きな展開があるたびに取り上げてきました。

ロジャース氏の建築案に対する批判、チャールズ皇太子の介入を民主主義のプロセスから批判するもの、またその意見への批判同皇太子のRIBAスピーチロジャース氏の反撃、土壇場で開発業者の建築許可申請取り下げ、そして、開発エージェントが資金主に補償を求める訴訟と、他国の傍観者にとっては最後までハラハラドキドキの「事実は小説より奇なり」を地でいくような展開でした。

そしてついに裁判は2010年6月25日FT紙がCandy wins battle over Qatari property dealとして報じたように、痛みわけ的な勧告が出て終わりました。

そして7月26日付けBuilding Design誌はChristian Candy apologises to Qatarisとして詳細は発表されていないが、不動産エージェントのCandy社と事業主のQatar Diarは和解し、Candy社はQatarとチャールズ皇太子に対し、行きがかり上仕方が無かったとして謝罪を表明したとあります。

裁判でもCandy側の主張は認められていますし、要求額(6850万ポンド)通りの補償には価しないが、でも補償はされるべきだとしていますので、それなりのものを手にしたことから、こういう結果(謝罪広告)になったのでしょう。

とりあえず、メデタシ、メデタシです。
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by fukimison | 2010-07-27 10:40 | 景観  

NYC、中断されたプロジェクトの美観と利用

ワールドカップサッカーや大相撲、参議院選挙で経済の話題は影が薄くなっている今日この頃、しかし6月25日付けのCNBCはLike Others, Rich Are Also Falling Behind on Mortgagesというタイトルのもと、全体としての米国の住宅ローン延滞率が8.6%であるのに比して、100万ドル超のそれが13.3%に上昇したと報じています。失業率や欧州の不安、いろいろ考えると二番底はあるのかとした記事も真実味を帯びてきます。

そうしたなか目に付いたのが6月24日付けNBCのDesign Firm Uses Icebergs to Hide Stalled Constructionという記事です。

ミッドタウンにある建築事務所、Woods Bagotが企画したもので、記事には「ニューヨーク市内の至るところにある経済不況のため工事途中で中断された何百ものプロジェクトに非常に軽いポリマーとスチールでできた構造で覆い、氷山のように見せかけるというアイディアが提案された」とあります。材料は再利用が可能、費用は無いも同然、見た目にも綺麗だし、マーケットが上向き、工事が再開されるまでの間、仮設の店舗、イベント会場として利用することで事業者も若干の収益が得られると3方1両得みたいなものだと伝えています。

ニューヨーク市内にはhundreds ofといわれるほど、中断された現場があるのかぁと思い、別の記事を探してみました。

6月23日付けKHLにIcebergs proposed for NYC's half-completed construction projectsという記事がありました。こちらの方が若干詳しく、事務所の言として「このコンセプトは近隣を活気ずかせ、潜在的投資家に対し魅力あるものとすると同時に、コミュニティースペースや、広告、レンタルによる収入をもたらす」を紹介しています。さらに「氷山」はいろいろな大きさの構造を作り出すためまとめられ柔軟でモジュール式に出来ており、スチールフレームの構造物はEFTE(Ethylene tetrafluoroethylene:エチレン・テトラフルオロエチレン)と呼ばれるプラスチック繊維で覆われている、とあります。

このEFTEは2008年北京オリンピクの水泳競技場、ザッハ・ハディドが設計したwater cubeに利用されていた素材だそうです。

建設費用は約200万ドルと見積もられ、レンタル収入は年間約100万から200万ドル得られるだろうとしていますし、壁に広告も可能。撤去に要する時間は約1週間だそうです。

ちょっと面白いかも?でもNYCではこんな提案がでるほど中断された工事現場があるのでしょうか?
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by fukimison | 2010-06-30 12:31 | 景観