カテゴリ:事故( 19 )

 

ケニア、ナイロビでビル崩壊

アフリカのニュースは来年ワールドカップサッカーを主催する南アが中心となり、あとは大型ダムとか幹線道路の整備などになりがちです。
しかし本日はケニアの首都ナイロビで起きたビル崩壊のお話です。

2009年10月20日付けのBuilding誌はBuilding collapse in Kenya kills at least one personとして伝えています。

ナイロビの郊外で建設中の5階建てビルが突然崩壊し、1名が死亡、15名が重傷を負い、数十名が行方不明になっているというものです。崩壊の原因ですが、建設会社は規則に従わないことでたびたび非難されていたことに加え、週末の豪雨で構造が弱くなったのではないかとあります。

現在ナイロビは建設ブームで、安全基準を守らない建設企業も多いし、近年ビル崩壊事故が発生し、建築基準法の強化が求められているとのコメントがあります。

2009年10月21日のNCE誌は11 die in Kenyan building collapseとこの事故を伝えています。24時間で死者が10人増えていますが、事故規模はまだまだ不明のようです。

さらにケニア土木学会とでも言うのでしょうか、Institution of Engineers of Kenya会員はほぼ毎日といっていいほどの割合で、工事ミスによるビル崩壊の報告を受けているとコメントし、一週間前にケニア建築協会(Kenya Architectural Association)が、ケニアのビルの65%が基準を満たしていないと警告を発したばかりだと伝えています。

そしてこのフレーズ「アフリカでビル崩壊は珍しくない。当局者の腐敗、低水準の資材、未熟練工による作業がその原因となっている」こういうのを読むと、アフリカに建設される巨大ダム、発電所、道路プロジェクトは大丈夫なのかねぇと、つい思ってしまいます。3-5階程度のビルを建設する企業とダム現場が扱える企業は違うというのは解るのですが、実際に仕事をする人はどうなのだろう?
それにしても65%かぁ。
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by fukimison | 2009-10-23 09:47 | 事故  

世界のゼネコンも戦国時代へ

本日の朝刊は華々しい鳩山内閣の閣僚コメントが一面を飾っていましたが、それと同じぐらいの記事量だったのが地価下落の記事。東京の大型新築ビルの空室率は25%台ですし、福岡のそれは70%台。空き家率は全国レベルでは13%ですし、3大都市圏の総空き家戸数は363万戸。こういった状況下、不動産に上向けというのは相当なレトリックが必要なのに加え大型公共事業の見直しは、ゼネコンや開発事業者に覚悟を求めているように感じます。

そんなことを考えていたら9月17日のNCE誌はBalfour Beatty to buy Parsons Brinckerhoffというニュースを報じています。

記事は「英請負業者大手のBalfour Beattyは米国の土木コンサルタント企業Parsons Brinckerhoffを3億800万ポンド(6億2600万ドル)で買収する計画だと発表した」で始まります。PB会長の談話記事を読むと「Balfour Beatty社はPersons Brinckerhoff社を完全子会社にするものの、PBの社名や組織や運営を独立したものとして残すことに同意」とあります。

PB社は従業員12000人を課賭け、建設、環境、エネルギー、交通、およびテレコム部門を中心に事業展開をしており、世界に事業所が100カ所あり年間収入は20億ドルだそうです。
これだけの規模の企業を買収するのですから、当然ながら米国における英資本のBB社のプレゼンスは高くなります。

どの様に買収するのか、そのあたりを建設情報誌のKHLで探すとBalfour Beatty to buy Parsons Brinkerhoffというタイトルのもと、「この買収は株式発行で賄われる」とありました。PB社はemployee-ownedつまり従業員が株式を保有する企業だとあります。株主総会が10月21日に行われ、合併提案の投票が行われるとありました。

BB社の声明は「両者の合併は、インフラサービスの国際市場さらに先進および新興成長市場の両者の増加傾向にあるインフラ支出を介し、長期的な成長を促進するものと確信している。さらに大手インフラ所有者はその主要パートナーからますます統合的アプローチサービスを求める傾向にあり、またサプライヤーは大型化した当社に有利な市場ダイナミクスをもたらすだろう」とあります。

Balfour Beatty社によれば「当社は国際レベルのエンジニアリング、建設、サービス、投資事業を展開している。病院、学校、道路、鉄道、エネルギーシステムや主要インフラといった欠くことのできない社会資産の建設および維持管理を行っている」とあります。この投資というあたりがミソかもしれない。
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by fukimison | 2009-09-18 10:47 | 事故  

トルコの大洪水、原因は無秩序な都市化?

トルコで大洪水が発生し大きな被害が出たことは日本でも報道されています。
9月10日付けのBBCはTurkish flood death toll risesと報じています。この記事を要約すると、イスタンブールから北西トルコを豪雨が襲い、死者31名、行方不明者多数を出した。この豪雨は過去80年で最大のもので、8日(火曜日)9日(水曜)の豪雨のあと大洪水が発生した。道路は突然水没し、場所によっては数フィートの深さにまでなり、人々はバスの屋根に坐り込んで助けを求めた。
イスタンブールで最も被害が大きかったのは欧州とアジアを分けるボスボラス海峡西側(ヨーロッパ側)の低地地区で、同地域は以前から排水不備による被害に悩まされていた。一方で他の地域、例えばスルタンアフメットといった観光客が多く訪ねる歴史地区は殆ど被害を受けなかった。

こういった情報が建築専門誌になるとちょっと代わります。
9月10日付けのNCE誌は記事のタイトルをUrban chaos 'caused Turkey floods'と伝え、洪水の原因に焦点を当てた記事構成になっています。

そして記事はインフラの不備と無秩序な都市開発がトルコ最大の都市、イスタンブールに壊滅的な被害をもたらした洪水の原因であり、その結果排水能力が追いつかず、都市の中心街を鉄砲水が襲うことを許したと報じています。
さらに記事は、高さ6フィート(1.8m)の水が滝のように主要道路から商業地域までを流れ、多くの死者を出したと続きます。そして何十年にも渡り地方からへ人々が流入することで、イスタンブールは急激に1500万人強の巨大都市に膨張し、その間インフラ整備が行われずに開発されたことで、ごく少量の雨ですら処理できない都市となった。WWFの理事は自然の水路が捻じ曲げられたり無計画な開発がなされたことで、降雨が海に排水されなくなったと述べたとしています。

インドでも今年7月に、オリッサ州、コナラクの世界遺産にしていされた太陽寺院(13世紀のヒンドゥー寺院)が洪水で3フィート(0.9m)の水に浸かっています。これを報じる記事Insufficient drainage blamed for India floodsも不十分な排水設備が原因で洪水発生としています。

排水設備は必要なのですが、都市化による伐採で山林、丘陵地帯の保水力が落ちている、温暖化による一転集中的な豪雨など単にインフラ不足と断じ難いなぁと感じます。
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by fukimison | 2009-09-11 10:12 | 事故  

アイルランド、鉄道高架橋崩落

あちらこちらで異常気象が発生するように、以前は余り見ないタイプの事故も発生しています。
これは先週の金曜日に発生した事故ですが、気になるので少し追いかけて見ました。
まず、英建築専門誌NCEの8月24日付けでProbe launched on viaduct collapseという記事が掲載されました。内容は8月21日(金)Broadmeadow河口にかかるダブリンとベルファストを結ぶ鉄道本線が、20mに渡り崩落した。列車の運転士が崩落に気がつき、大惨事は免れることが出来たが、アイルランドの動脈とも入れる同線は調査および修復のため、数週間の閉鎖を余儀なくされるだろうというもの。

同日の記事でもIrish Examinerの記事Seabed erosion blamed for viaduct collapseになると、若干雰囲気が変わってきます。

まず「川底の侵食が、アイルランドでも1,2を争う過密な路線の崩落原因ではと疑われている」というリードで始まり、次に「ダブリン・ベルファスト本線の線路がかかるMalhide河口橋の初期検査は、最近の干潮と豪雨がともにこの事故の遠因であることを示している」に続きます。

なんでもこの渡河橋は1日に90本の列車が通過するもので、通勤ラッシュアワーの始まる時に崩落は発生し、運転士の気転で惨事を免れたようです。予備調査でおそら数週間のうちに発生した小規模な損傷が川底に発生しているのが見つかり、これが流れや渡河橋の橋脚周辺の水圧を変えたものと考えられるとあります。
このほか、鉄道運行にかかわる検査や維持管理報告書は言うに及ばず、潮流、降雨、転向などの問題を含め各方面にわたる調査が行われており、事故のあった区間は少なくとも3ヶ月の閉鎖が予測されるとあります。どうも崩落事故区間の前後の駅までの運行であり、閉鎖区間はバスや他の代替機関に乗り換えて移動するという、なかなか大変な状態が3ヶ月は続くということです。

鉄道利用者組織は全アイルランドの鉄道橋検査を早急に行うよう求めているとありますし、鉄道事業者も早急に他の橋梁や高架橋の精密検査を実施するとしています。

この事故があった渡河橋も、事故発生のつい数日前に目視検査が行われていたそうですが、全面検査は行われたのは2007年10月だったそうです。



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by fukimison | 2009-08-25 10:16 | 事故  

ロシア、ダムのタービンルーム事故で死者多数

日本の新聞にはまだ掲載されていないと思いますが、8月17日ロシアのサヤノシュンスカヤ・ダム(Sayano-Shushenskaya)で事故があり、8名が死亡54名が行方不明という記事が英のNCE誌に54 missing and 8 dead following Russian hydro plant blastとして報じられました。
このサヤノシュンスカヤダムですが、1978年に完成した重力式アーチダムで堤高・242m、貯水容量・313億立方メートルで、wikiでもロシア最大の発電用ダムであり、世界でも第4位の水力発電ダムとなっています。

NCE誌の記事を要約すると,「シベリアのハカシア共和国にあり6.4G.Wの発電容量を持つ同ダムで爆発事故があり、発電所の10本ある送水管のうち2本が崩壊した。同ダムはアルミ精錬所や他の工場に送電を行っており、現在送電は停止している。ロシア政府はダムが決壊する危険はないと言っている」となります。ちょっと詳細に欠けるので他を探してみました。

こういう時はロイターかAFPが強いので8月17日付けのロイターRussian dam disaster kills 10, scores missingを見てみました。
すでに死者数が10名、行方不明者は72名にまでのぼるおそれがあるとしていますし、タービン室に水が入ったのが原因のようです。パニックに陥った付近住民に対し非常事態省はダム崩落の恐れは無いと語った。ロシアの金融市場監督官はこのダムの所有者RusHydroの要請により主要取引所での同社の株取引の停止措置をとった。同社株はMICEXで7.1%、ロンドンで13%下落。同ダムが復旧するまで数年かかり、復旧費用は10億から15億ドルにのぼる、同社の月次損は4730万ドルとの見方もある。さすがロイターらしく経済主体です。

事故原因について記述のある記事を探したところmsnbcがap伝として10 die, dozens missing in power plant explosionという記事を掲載していました。
原因不明としながらも、連邦政府捜査官は修理工事中に送水管が破裂し、タービンが設置されていたエンジン室の壁や天井を破壊し部屋自体も浸水した。浸水の原因は送水管の水圧上昇によるとの発表もあります。ロイターは1本ある送水管のうち2本が破壊されたと伝えていますが、APはこれに加え3本目も大きな被害を受け、残り7本がどのような状態にあるか調査が進められているとあります。ダムのあるハカシア共和国の首都Abakan(人口16万)の住宅の半分が、近隣の都市も停電していおり、事故の影響がどの程度なのかまだ不明だとしています。

事故も問題ですが、このダムから供給を受けていたアルミ精錬工場への影響はめぐりめぐるのではないかと懸念します。
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by fukimison | 2009-08-18 10:32 | 事故  

メキシコ、橋梁崩落で死者8名?

社会不安があると事故も多発するのでしょうか?
メキシコ南東部を流れるTonalá 川にかかる橋梁が崩落し、通行中の車両5台が川に転落、死者8名、負傷者3名をだしたとメキシコ国営報道機関のNotimexが伝えたということです。
参照サイトMexico Tonalá River Bridge Collapse Death Toll At Least 8

あちらこちらのニュースソースにあることを総合すると、崩落した橋はAgua Dulce とTabascoの両市の間を流れるTonala川にかかるもので、崩落原因はまだわかっていないが、機材を積んだトラクタートレイラーが渡河中に崩落したことから、重量が支えきれず橋崩落につながったのではと推測されているとあります。また同地域は交通渋滞で有名な場所でもあるそうです。

これが英国の建築専門誌NCEの記事になるとだいぶはっきりしてきて(7月20日付Mexico bridge collapse kills 8橋梁の長さは260mあったことや、事故はベラクルス州とタバスコ州を結ぶCardenas-Coatzacoalcos道路で発生したとあります。
また、ベラクルス州知事は橋梁は大変古いものであったことや、救助のためボートが直ぐに出動したと語ったことを伝えています。

つい一週間ほど前インドでも地下鉄の工事現場で2度にわたって事故が発生し、併せて死者5名負傷者19名をだしています。7月13日付けCNNCranes collapse at site of fatal bridge accident in Indiaによれば、12日の地下鉄の高架橋が崩落し、5名が死亡、15名が負傷した。翌13日この事故の片付けを行っている最中にクレーンが少なくとも3基倒壊し、負傷者が4名でたというものです。
インドは2010年に英連邦のオリンピックみたいなCommonwealth Gamesを主催するため、交通インフラを整えているのですが、伝統的なお役所仕事でなかなか計画がすすまないようです。

南アのサッカースタジアムのストライキは終わったようですが、こちらも前途多難なようです。
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by fukimison | 2009-07-21 11:23 | 事故  

米、地下鉄事故続報と世界遺産

全く正確の違う記事ですが、どちらも捨てがたいのであえて両方です。

まず、6月28日付けのNCE誌は6月22日にワシントンD.C.で9名の死亡者を出した地下鉄事故の続報を伝えています。同記事によれば国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board:NTBS)が事故発生地点で同型の列車を使った検証作業を行ったところ、衝突事故発生位置で列車が止められると、列車の管理システムはその位置情報を失うことを発見したと伝えています。
調査官は衝突地点近くで終わる両方の線路についた金属間圧縮線状跡は、激しいブレーキと一致していたと述べた。

NTBSは列車管理システムは複雑であり、全部品の徹底検証を必要とするだろうと述べた。調査官は事故日に列車管理システムがどのように機能したか理解するため、線路際のサーキットや列車管理システムデータの検証をさらに継続中だ。
事故列車に搭載されていた所謂ブラックボックスを回収しているが、追突された側の列車9車両のうち8車両分が回収されたが、うち2つは事故関連の情報は入っていなかったし、一部の情報は不確定な理由で事故発生前に情報収集が終わっていたというし、逆に追突した側の列車は事故データ記録装置が搭載されていなかったというので、ちょっとどうなのでしょうか?

事故を防ぐ手立てはあったかもしれない、それを解明する手立てもなかなか大変というのが現状らしく、やはり人災的な色が濃いようですね。

一方でNew four lane bridge loses Dresden its Unesco heritage statusと題された記事がNCE誌上にでました。
記事はユネスコの世界遺産委員会は4車線の橋梁建設を理由に、ドイツのドレスデン・エルベ渓谷をユネスコの世界遺産リストから抹消することを決定したというものです。
ドレスデン・エルベ渓谷は川沿いに約18kmにわたり、16世紀から20世紀にかけての数々のモニュメントや公園が点在し、18世紀から19世紀の景観を残すものとして2004年に文化的景観として世界遺産に登録されました。しかし渋滞回避を目的としたWaldschlosschen橋建設計画が持ち上がったことにより、この3年あまりユネスコの危険リストに載せられていました。

そしてついに、スペインのセビリアで開かれていた世界遺産委員会は取り消しを決定したというものです。世界遺産登録取り消しは2007年のオマーンのアラビアン・オリックス自然保護区の抹消に告ぐ2例目です。

ユネスコの説明によると登録地域を90%削減し開発する決定をオマーン政府が下したからとあり、それでは抹消は仕方が無いといえましょう。ドレスデンも範囲や名称を変えることで再度登録を申請するとしていますが、さてどなるでしょうか?
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by fukimison | 2009-06-29 11:01 | 事故  

アメリカの厄日

昨日、6月23日は暦でみると大安なのですが、アメリカではワシントンD.C.で地下鉄事故はあるし、N.Y.でビルの崩落はあるし、厄日でしたね。

いろいろなメディアの報道を要約すると、6月23日午後5時ごろワシントンD.C.の地下鉄で事故が発生し、9名が死亡、約76名が負傷(うち2名は重傷)した。事故はShady Grove駅へ向かう地上線路で発生し、停車中の専攻列車に後続の列車が追突したことによる。33年間のワシントン首都圏交通局(Washington's Metro Area Transit Authority)史上最悪の事故であり、ロイターの6月23日付Washington subway urged to upgrade before crashと題された記事によれば、国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board)は2006年に今回事故をおこした車両と同型の旧式車種を改善または廃車すべきだとした勧告を出したが、WMATはこれに充分に対処しなかったとした声明を発表したそうです。さらにこの車種は2004年にも負傷者20名を出す事故を起しており、この時も近代化を求める警告がだされていたそうです。

またWMATの広報担当者は、事故車両は1976年の開業当時から使用されている車両であり、現在ワシントン地下鉄で稼動中の1126両の車両のうち290両が、開業当時からのものだと発表しています。新型機種へ入れ替えるための入札準備中としていますが、こうなると人災の色が濃いように感じます。

一方、6月23日付けNCEはFour storey building collapse in New Yorkとして、N.Yで発生したビルの崩落事故を伝えています。
記事によればNY市の担当者は、6月21日にブルックリンで4名の負傷者を出した4階建て商住複合ビルの崩落は、3階と4階の内部亀裂に加え、1階から最上階に至る垂直亀裂の存在を指摘したとあります。

NY市で発生したビル崩落はこの3ヶ月で2件目で、前回の崩落はマンハッタン南部で5階建てのビル崩落事故が4月におきています。

今回崩落したビルは改修工事が行われていた最中だったとありますが、それにしても3ヶ月で2軒、同じ時期に建てられたのか、維持管理は適切だったのか、いろいろと疑問が浮かびます。
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by fukimison | 2009-06-24 10:28 | 事故  

世界のクレーン事故

2009年4月、麹町の工事現場でクレーンが横転し通行中の女性が死亡した事故がありました。この記憶もまだ新しい2009年6月3日、板橋のマンション建設現場でクレーンの旋回台の留め金がはずれ落下、作業員1名が亡くなると言う事故が起きました。

こんなにクレーン事故が続くものだろうか?狭い建設用地に高層建築を行おうとした結果だろうか?それとも技術の進歩に人がついていっていないのだろうか?不況で労働環境の低下が起きているのだろうか?いろいろと疑問が沸き起こります。
そこで海外ではどうかと思い探してみました。

クレーン事故というサーチワードで一番に出てきたのがFour killed in New York crane 'freak accident'と題した英・テレグラフ紙の記事で、2008年3月にニューヨーク市で起きたクレーン倒壊事故を伝えています。

この記事によれば、事故は国連に近い51丁目で行われていた43階建ての高級アパート建設工事現場で発生し、隣接する4階建てのタウンハウスを破壊し、他5つの建物に被害を与え、少なくとも4名の死者、10名の負傷者(うち3名は危篤状態)を出しています。事故を起したクレーンは19階までの作業が終わり、数日後には上層階組み上げのため延伸される予定であったと言います。さらに現場監督の言として「スチールの一部が落下し、クレーンをビルに止めつけている結合部の1つがへし折られ、その結果外れて横転した」と伝えています。なんとなく板橋の事故に似ています。
しかし記事には付近住民の証言として「工事が余りに速く進み、作業員は非合法な時間まで作業を行っているとして何度も当局に苦情を申し立てた」と記しています。
さらに記事はこの数ヶ月間にビル建設現場の事故は多発しており、その中にはクレーン事故が含まれるとしているとあります。

他にでてきたのがこれ、Jordan Gate crane repair to take '2 weeks'というタイトルの2009年6月1日付け米ENR誌の記事です。

5月16日、ヨルダンの首都アンマンで建設中の商業・住宅・ホテル施設を組み込んだ2棟の高層ビル(44階・180m)建設からなるヨルダンゲート・プロジェクトで、クレーンが部分的に崩壊した事故です。このクレーンは長さが220mもあり、撤去用に隣国のドバイからクレーンが輸送され、さらに撤去完了までに2週間を要するというのが記事の要約です。幸いなことに死傷者は出ていませんが、付近住民が避難を余儀なくされたとあります。
このタワー建設は2005年に始まったものの、今回で事故による工事中断は3度目だそうで(2006年9月北タワーの3階が崩落し作業員4名が死亡、15名が負傷、同年アンマン市当局が建設工事許可の不備により工事差し止めをおこなっています。このほかにも北タワーの8階から出火したりと相当難ありです)開発業者はバーレーンを本拠とするGulf Finance HouseがKuwait Investment and Finance CompanyおよびKuwaiti Bayan Holding Companyと共同で行っています。

工事は利益確保と安全確保のバランスが必要(安全が確保されるためにはこのぐらい費用がかかる、というのを確実にしたうえでの利益計算)であり、両者の記事を読んでいくと、どうも共通するのは過酷な労働条件と未熟練工の雇用という利益確保に走ったことによる事故と暗示しているかに思えます。
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by fukimison | 2009-06-04 11:37 | 事故