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各国の発電計画

八ツ場ダムの工事中止、羽田のハブ空港化、泡瀬干潟の干拓中止と次々と方針を打ち出し、関係者を怒らせ、驚かせている前原大臣、あれは確信犯なのでしょうね。
八ツ場ダムに代表されるダム建設の是非は置いておいて、電力確保は行わなければならない。
こうした現状を少し考えてみようということで、本日は各国の電力政策を見ることにしました。

まずベトナムです。2009年10月13日付けHanoi TimesはDeputy PM calls for nuclear plant safetyというタイトルでNinh Thuan省に建設されるベトナム初の原子力発電所のことを伝え、これが同省の社会経済発展の起爆剤となることが期待されていると伝えています。2014年に建設開始するため投資家は沿岸の交通網、冷却水にDinh川の水を利用することで周辺農民の水不足が予測され、これを防止するためのダム建設といったインフラ整備費が必要とあるものの、発電量や建設費の説明が見当たりません。2009年8月6日付けのロイターインタビューNuclear energy to power 10 pct of Vietnam by 2030でこのあたりを補足すると、「ベトナムは5年のうちに初の原子力発電所建設に着工し、2020年までに送電網に接続する計画」とあります。ベトナムの電力需要は年率15%で伸びており、これをまかなうには原子力と言う結論のようです。ホーチミン市の北東250kmのNinh Thuan省に建設し、最終的に2030年までに15,000メガワットの発電量へと増加する予定、現在60%がガス火力発電、40%が水力発電で発電しているが、総需要をまかないきれず外国(主に中国・2010年には35億キロワット/hになると予想)から買電している現状。

2009年10月13日付けRenewable EnergyはBrazil and Ghana To Build Hydro Plant in West Africaと題し、ブラジルとガーナは西アフリカを流れるOti川を利用しPwaluguに90メガワットの水力発電プラント建設に向け覚書に調印したと報じています。工費3億ドルのこのプロジェクトは2010年に着工予定で、ブラジル政府が2億5000万ドルをガーナ政府が5000万ドルを拠出する予定だそうです。

やはりRenewable Energyが10月13日伝えている記事にHydropower Expansion Could Create 700,000 US Jobsがあります。これはNational Hydropower Associationが発表した調査によれば、新規に水力発電所を建設することで2025年までに最大70万人の雇用が創出されるというものです。米国内に8万2000のダムがあり、その3%でしか発電を行っていない。これを活用することで2025年までに1700万世帯をまかなうに充分な6万メガワットの発電が行えると主張しています。

この中で目を引くのが水力発電は再生可能エネルギーであり、これに長期の税制優遇措置を加えることでビジネスとして成立、揚水システムと小型水力プロジェクトの認可促進というあたりでしょうか。

ダムの堆砂率や、無酸素状態にあるヘドロの処理、沿岸の侵食、山が海を育てる、川を遡上する鮭などのための迂回路建設(米国はこれにすごいお金をかけているはず)などはどこへ消えたのでしょうか?

地球温暖化を考えた時、風力や太陽光は発電費用が高いのは事実ですが、電気代が高いから節約に努めるという選択肢もあってよいのでは?
でも時々、CO2が地球温暖化の主因だとどのような経緯で決定されたのか知りたくなります。
やはりCOP3でしょうか?
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by fukimison | 2009-10-14 11:11 | 動向  

カタール、ベトナムに投資

カタール王族が所有する投資会社Qatar Diar社は以前からお伝えしているロンドン・チェルシー再開発(チャールズ皇太子vsリチャードロジャース)やロンドンブリッジシャッド(テムズ川南岸の再開発で建設される超高層ビル・完成後は欧州No.1の高さとなる予定)の事業者で、同社が6億ポンド(10億ドル)の投資ファンドについてベトナム政府と協議中というのが本日の話題です。

9月30日付けのBuilding誌はQatari Diar plans push into Vietnamというタイトルでこの件を報道しています。

その前にこのQatar Diar社ですが、年間資産運用額420億ドル(4兆2000億ですね)で、カタールや英国の他、フランス、イタリア、オマーン、モロッコ、エジプト、シリア、スーダン、セイシェルといった各国で不動産を持っていますし、モナコのカジノの株もあるらしい。

なんでもベトナムの使節団とQatar Diar社は同社の旗艦プロジェクトであるドーハの北に建設中のLusail(35平方kmの都市開発で総工費は55億ドル)で会談を行ったそうです。2009年3月カタールとベトナム政府は、農業や観光を主対象とする10億ドルのファンド組成について会談しています。また2008年建設コンサルタントのDavis Langdon社はベトナムを、2007-2010年に建設プロジェクト支出が7.5%増加するとして、建設市場の拡大が予想される国別リストで4位に付けています。2007年には36億ドルが建設に投資され、現在も南部海岸にあるPhu Quoc島(ベトナム最大の島)の空港建設などが工事中だ。

そこでベトナム外務省のサイトを探すとNew prospects for long-term cooperation with Qatar, Kuwait というリリースが3月に出ています。このリリースによれば、カタールとクウェート政府はエネルギー、食糧保障を目的としたパートナーシップ設立に同意、またベトナムは両国の食糧生産需要を満たすため農業協力の取り決めに調印。さらに両国はベトナムの石油化学産業、特に石油と天然ガスの探査と開拓に協力とあります。またカタールはベトナム製品紹介のため、首都に貿易ビル建設用地を提供するとともに、カタール・ベトナム共同投資ファンド(当初資金10億ドル)を設立すると発表したとあります。

ベトナムと中東湾岸諸国、中国のアフリカ接近、なかなかです。
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by fukimison | 2009-10-02 11:37 | 動向  

Ikea、中東最大の店舗をアブダビに

Ikea、(イケアというべきかアイケアというべきか)スウェーデン発祥の家具屋というのが当たらずとも遠からずだと思いますが、とにかく、9月16日付けのBuilding誌はGiant Ikea to open in Abu Dhabiと伝え、ZawyaはAl-Futtaim and Aldar sign agreement to build Mideast's largest IKEA store on Yas Islandと伝えています。このZawyaはMENA地域のビジネス情報誌です。

まずZawyaの記事を見ると「アブダビ大手の不動産・開発・投資・管理企業のAldar propertiesはMENA地域で最大となるIkeaショップをYasアイランドに建設することをAl-Futtaim社と合意したと発表した」と伝えています。

このYasアイランドですが、これはAldar社が開発中の施設で11月に開業予定であり、最大の呼び物、Marina CircuitのオープニングイベントがFormula 1™ Etihad Abu Dhabi Grand Prix、フォーミュラ1グランプリです。Building誌は「新しい店はこのYasアイランド内のSuper Regional Mallに出店予定であり、このモールは国内外からの集客の目玉となる予定だ」とあります。さらに「Yasアイランドには7つのホテル、140隻が停泊できるスーパーヨットマリーナ、Ferrari World Abu Dhabiと銘打たれたテーマパークと呼び物には事欠きません。

どう考えてもサブプライム・リーマンショック以前の計画ですね。

その証拠に記事は「Alder不動産の今年(2009年)第二四半期の利益を前年同期と比較すると80%も下落しているのがわかる。同社は2008年前期に26億ディルハムの税引き前利益を上げていたが、2009年前期のそれは11億4000万ディルハムであった。」とあります。

大丈夫でしょうか?

この不安を裏付けるかのようにNumber of projects on hold in the Middle East revealed題された記事を読むと、「最新の報告書によればUAEで566、サウジで106、バーレーン54のプロジェクトが保留またはキャンセルされた」とあります。
さらにセクター別にみるとUAEの住宅部門は「217のプロジェクトが中止または保留とされているが、495のプロジェクトが工事中ないしは入札予定だ」とあります。

総量が違いますが、キャンセル数が少ないのがカタールとオマーンで、カタールは総額420億ドルのプロジェクトがあり、124は工事中ないし入札予定であり、キャンセルまたは保留は7つ、そしてオマーンは総額380億ドル、95のプロジェクトが工事中ないし入札予定であり、8つが保留、キャンセルはなしということで優秀です。
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by fukimison | 2009-09-17 14:59 | 動向  

これからは波力発電?

以前からインフラの実現は技術もさることながら、環境と金融が大きく関係すると思っています。大量利用が無いため、コスト高になる、また大量利用がないため技術革新が進まないという、デフレスパイラルみたいなのが、太陽光発電や波力発電だと感じてきました。つまり将来を考えると石油依存はいい加減にして今のうちから持続可能発電源にシフトした方が良い、でも費用がかかりすぎる→利用されないので効率化技術が進まない、それがハリケーン・カトリーナの惨事・サブプライムに端を発する金融収縮・不景気を打開するためのグリーンニューディール政策が表に出てきました。

そこで本日の新聞記事「国内初、三井造船など波力発電所」が登場しました。三井造船、出光興産、日本風力開発と共同。東京都も協力の予定。11年に実証実験に着手、12年に出力2万キロワット程度の発電所稼働予定。実証設備の建設に約10億円。

発電量が読めるという点では波力発電。でも1に風力、2に太陽光で、波力は一番研究が進んでいないのがここまで着ましたか!この波力については8月27日付けのNCEがWave energy offers 12,000 jobsという記事を出し、スコットランドの波力発電で12000人の新規雇用と歌っています。

このたび発表されたスコットランド政府報告書によればという記事ですが、その中で目を引いたのが「専門家は2020年までに海洋持続可能エネルギーによる1ギガワットの発電を行うには24億ポンドの費用がかかり、2600人のスコットランド人雇用を生み出すと試算」

ギガワット(1ギガワット=1000メガワット、1メガワット=1000キロワット、黒部ダムの最大出力が335,000kW)の出力がある波力・潮力発電で雇用が2600人?これは発電所への直接雇用だろうか?たとえばデンマーク、風力発電用のタービンや羽を製造するベスタスはデンマークの基幹企業ですし、デンマークで風力発電に関係する企業(例えばビスやナットをつくる孫受けを含める)に従事する人々は人口の20%に相当すると言われていることを考えるとどうもよくわからない。

まあそれはともかく、現在着目されているのは太陽光発電ですが、時代は波力・潮力に移りつつあるなぁと。そして保守的といわれる英国が新しいことに挑戦し改良することは、あまり言われないのが少し不思議です。(インフラ的にはPFI,PPP,ECIといったところでしょうか)
日本は海外の動向を調べるのは大好き(この波力・潮力に冠するNEDOの最新動向レポートがあります)で、これだけのレポートが作られているのに人目に触れない、利用されない、これを元にした議論が起こらない残念です。
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by fukimison | 2009-09-03 11:39 | 動向  

ロンドン市長、コロンバスタワー承認か?

このところ大英博物館の新館建築案が却下されたりと、建築計画を巡るやりとりから目の離せないロンドンからまたしても行政区が却下した案件を市長が承認の方向というねじれ記事です。

8月28日付けのBloomburgはLondon Mayor May Overturn Rejection of Columbus Tower Proposal としてロンドン市長のボリス・ジョンソン氏は、地元計画審査機関が否決したカナリーワーフのそばに計画されるコロンバスタワー(244.5m・63階・東ロンドンで最も高いビルとなる)の計画案を覆す決定をおこなうかもしれないと報じました。

このタワーはCommercial Estates Group Ltdが開発を進めているもので、8月4日、近隣の重要文化財建築物(protected building)への影響が大きいとしてTower Hamlets区は案件却下を決定しました。

ロンドン市長は「call in:地方計画庁が行う都市農村計画に対して、環境大臣が強制的に介入すること。詳しくはこちらへ。」というシステムを使うと報じられていますが、何らかの正当な理由が必要になります。

8月28日付け建築専門誌のArchitects JournalはBoris to set historic precedent with Columbus Tower decisionと題した記事の中でその理由を細かく説明していますが、「クロスレールへの資金が作れる」がカギのようです。クロスレールはロンドンの地下鉄網と近郊を結ぶ鉄道で、とにかく予算オーバーが続くトラブルの種のような鉄道です。

市長がコロンバスタワー計画を承認した場合、タワーはクロスレールに500万ポンドを調達するわけですし、カナリーワーフ、ドッグランド地域はすでに高層ビル街なので1棟増えたところで大勢に代わり無く、それより160億ポンドというクロスレール費用の一助の方が重要ということみたいです。
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by fukimison | 2009-08-31 11:27 | 動向  

英国の空き店舗率

景観・インフラに関係する記事を好きなように紹介していますが、本日はちょっと本題とは違うのだけど、根は同じようなものだということとたまには良いかなということで選んでみました。

元ネタはBritish Property Federation(英国不動産連盟・BPF)が7月に発表したプレスリリースSHOP VACANCIES TREBLE AS HIGH STREETS BUCKLE UNDER BROWN'S EMPTY PROPERTY TAXです。

一昨年のサブプライム、昨年のリーマンショックと来て世界的な金融不況、原因は米国なのになぜか欧州での損害の方が大きく、このリリースも「イングランドおよびウェールズ全体における空き店舗数は前年の4.5%から12%へと増加したことが、Local Data Company社の全国を対象とする総合調査により判明した。」というなかなか刺激的な文章で始まります。イングランドとウェールズで12%ということは、法体系が別であっても景気はイングランド・ウェールズに作用されるスコットランドを加えるともっとあがるのかしら?

地域的に見てゆくと、南東の端、地図で見るとフランスのカレーの上のあたりにあるケント州Margateの空き店舗率が5%から25%に上昇しており、最も打撃を受けた地域の1つとして上げられますし、ダービーは8%から22%へと増加しています。BPFがこのリリースを発表しているのですから、「これらの驚くべき数字にも係らず、政府はlease holder(賃借権者)に一切の軽減措置を与えない事業税率を課すことで、空き不動産に課税を行い続けている」 と続きます。

さらにBPFの主張として「非小売目的としてより効率的に空き店舗が利用できるよう、建物の利用変更を再考するとともに、空き不動産課税(Empty Property Rate:EPR)の完全撤廃」を掲げています。EPT税は誰が賃借していようと所有者が支払う、これは長期リースを行った場合、これを借りる用益者も影響を受けることを意味する。BPFはこれは失業者に所得税を課するのと同じことだと主張し、同法の完全撤廃を求めるとしています。

このEPRについて少し調べたところ、2008年4月に施行されたもので、3ヶ月以上空き家の不動産、6ヶ月以上借り手の無い事業地に課税されるものだそうです。政府としては課税されるぐらいなら、安い家賃で貸し出すように所有者に働きかける、所謂ブラウンフィールド(環境汚染などで利用されなくなった工業地)の再開発促進を目指したものだったようですが、実際は思惑どおり運ばなかったようです。

BPFの主張で面白いと感じたのは、「不況は繰り返し起きるものだが今回は不況なのにインターネットの売り上げは高いことだ。市井の小売店はより建物の利用に柔軟になり、サービスや娯楽を提供していけるよう考えるべきだ」としている点です。
そのうち日本にもEPRは登場するでしょうか?
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by fukimison | 2009-08-27 11:19 | 動向  

建設業における失業率

統計数字はいろいろなものを見せてくれます。
数日前の新聞記事ですが、7月末のオフィス空室率、東京都心で上昇というのが出ました。この記事を読むと東京の空室率は7.57%か、でも景気は底を打ったというし米国もだんだんよくなっているようだからと良い方に考えがちです。しかしこれの元情報・三鬼商事の市場調査報告書を読むと東京の大型新築ビルの空室率は32%ですし福岡のそれは70%台です。

そして本日の失業率のお話ですが、これは米建設専門誌ENR誌が8月10日に報じたConstruction's Jobless Rate Rises in July です。

記事は8月7日に公表された報告書でBLSは、建設業のなかなか上向かない高失業率が6月の17.4%から7月は18.2%にのぼったと伝え、さらに76,000人が失職し、景気後退が始まって以来建設業界で130万人超が解雇されたと続きます。
またBLSは建設業の失業率と全国のそれ(6月の9.5%に比べ7月は9.4%と若干の減少)との大きな格差が続いてることを示した。

この5年で建設業界の失業率最も低かったのは2006年10月の4.5%ですから、いかに建設業界が大変な状態にあるかが解ると思います。この1年で最悪だった2009年2月の21.4%に比べれば良いかもしれませんが、比べる数字が余りに悪すぎます。さらに記事は住宅部門と非住宅部門の失業率を取り出し、7月の住宅部門の就業率は6月のそれに比べ1.1%、前年同月と比べると16.4%も下落している(季節調整済み)。非住宅部門の率は6月の数字より1.3%、2008年7月のそれより13.8%下落しているとあります。今年後半から米国再生・再投資法(the American Recovery and Reinvestment Act)からの資金が道路・水道・下水といったプロジェクトに流入することから大規模建設・民生部門はちょっとは上向きになるかもしれないと続きます。

この記事を読んでいて思いだしたのが8月6日付けの英NCE誌の報じたWorking through the '09 downturnで、これは同誌が行った読者調査といったものです。1022人の回答者の分析といったもので、目を引いたのが、「こんな不況の時代でも回答者の81%が仕事に充実感を感じていると答えているが、しかし24%は今後12ヶ月内での転職を考えているし、また回答者の30%は海外への転職も視野に入れている」の部分です。
少なくとも米国がこのような状態では望み薄ということで、南米・東欧・アフリカ・中東・アジア、どこも経済的、治安的、さらには仕事の進め方にもなかなかハードなものが待っていそうです。
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by fukimison | 2009-08-14 11:21 | 動向  

国際コンサルの給与

旧聞ですが、7月10日のBuilding誌にInternational salary guide: where in the world is the best pay?という記事が掲載されました。

簡単に言うと、リーマンショック前までは英国できちんとした経験を積んだ33歳の男性エンジニアはあたりだと、中東で年収最低55000ポンド+福祉厚生手当て完璧といった条件は当たり前で、いくらでも職場はあった。それが今では60のエージェントに登録し、40以上の職に応募したが返事すら送ってもらえないでいる。事ほどさように中東で技術エンジニア職での就職は難しい。
つまり中東の建設不況はまだまだ続いているという意味です。

この調査によれば、金融不況の以前、英国からUAEに移るだけで、給与は。たとえば、プロジェクトマネージャー、英国では平均年収6万ポンドであるのが、UAEに移るだけで3万ポンド上乗せになったとあります。

10年の経験を持つプロジェクトマネージャーの平均年収は8万ポンドで、昨年より1万ポンドさがっています。建築系のサラリーは前年と同じ程度で75,000から70,000ポンド程度

国際的な人材紹介エージェントによれば、ドバイなどで建築専門職の給与は3分の1になった言う話です。

こういう記事を読むと、どこも秋の夕暮れだなぁと。。。。。
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by fukimison | 2009-07-15 12:08 | 動向  

欧州建築市場動向

建築部門の動向はいままで設計事務所の人員削減などいろいろとお伝えしてきましたが、本日は7月8日付けBuilding誌に登場した92% of Europe's architects remain gloomyのことなどをお伝えしましょう。

これに入る前に日本のことを少し。5月の記事で少し古いのですが「建設大手4社はともに受注減、2009年3月期単体決算」と題された記事がでました。この記事によれば「建築受注高は、4社とも前期比で二桁以上の減少」ですし「大林組は延期や中止となった工事金額だけで800億円近く下げた」とあります。2009年3月期単体決算であって、夏に向かい少しずづ上向きになってきたとの報道もあります。

でも本日お伝えする欧州建築家評議会(Architects' Council of Europe:ACE )の調査を基にした記事によれば「4月は回答者の14%が状態が良い、またはとても良いと答えたのに比べ、今回はそう回答したのは8%しかおらず、景気後退以来3事務所のうち1事務所近くが人員削減を行っている」とあります。

このACE調査は31カ国におよぶACE加盟団体が3ヶ月毎に実施するもので、今回は4106の回答が寄せられています。しかしその回答の過半数はフランスとベルギーが占めていることから、全欧州市場というには若干の偏向があるかもしれません。しかし悲観的な見方が主流を占めているのは事実のようです。欧州諸国で2009年に伸びが見込めるのはスイスとポーランドぐらいで、他の各国は2011年まで苦闘が続くという報道もありますし、前途多難というのだけは確かなようです。
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by fukimison | 2009-07-09 11:04 | 動向  

欧米コンサル、中東・アジアへ進出

2008年秋以降収縮傾向にあった建設業界ですが、中東やアジアに事務所を開く動きがあったりして、少し明るさを見せ始めました。

英国を本拠とし国際的なエンジニア・コンサルティング社であるBuro Happold社が極東での存在感を高めるため香港に事務所を開設したというニュースが7月6日付けのbuilding誌に登場しました。同社は英国の7営業所をはじめ欧州各都市、米国や中東に事務所はありましたが、アジア圏は2008年のインドに事務所開設に続き香港事務所の設置となりました。すでに香港事務所は将来中国本土と九竜西部を結ぶ拘束鉄道が予定されているWest-Kowloon Terminusの構造エンジニアリングと持続可能性に関するコンサルタント教務を受注しています。

またインド事務所は昨年秋にHopkins Architectsが設計するインドのワールドカップ・クリケットセンター(Pune International Cricket Centre・55,000席)の設計・調達・建設のプロジェクトマネージャーにとして指名されました。

また米国を本拠とし世界最大級の総合設計事務所といわれるGenslerは、2009年7月アブダビに新事務所を開設しています。これについてbuilding誌はGensler opens Abu Dhabi officeとして伝えています。

既に同事務所はドバイに事務所を開設していますが、中東湾岸地域全体でのプレゼンスを高め各地でのプロジェクト参加のためアブダビにもオフィスを開設したとあります。Gensler社は湾岸地域で Gate Tameer towers やSaadiyat Islandのプロジェクトにおいてマスタープランナー、建築家、インテリアデザイナーとして作業を行っています。
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by fukimison | 2009-07-07 10:42 | 動向