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アイスランドと英国 その後

10月10日にアイスランドが銀行を国営化したことで、これらの銀行にある英国の個人顧客と地方自治体の預金が消えるかもしれないというニュースをお伝えしました。自国民の預金保護を行っても、他国の人のお金の心配までできないというのは、自分の身に起きたら憤慨するでしょうけど、他人事として聞いているぶんには「ソーダロー」と言ってしまいます。

インフラ関連のニュースとは少し毛色が違いますが、BBCやガーディアン紙に記載された後日談をお伝えします。

まず10月15日付けのガーディアン紙のCouncils and ministers to discuss fallout from banking crisisを読むと、アイスランドの財政難に陥った銀行に預金していたイングランドとウェールズの自治体は116にのぼり、総預金額は8億5880万ポンドであることが判明したとあります。最大100の自治体で10億ポンドという予想より、自治体数は多かったものの、預金総額は少し少なかったようです。

凍結された預金について英財務省は預金の早期返還について、アイスランド政府と協議を行っているとしていますが、地方自治体協議会(LGA・イングランドおよびウェールズの全地方自治体の意見を代表、統一するための組織)はこのアイスランド金融危機の影響をうけた地方自治体で差し迫った流動資金問題に直面する自治体は無い主張しているものの、とりあえず英政府は危機に陥った自治体を支援する緊急支援ユニットを立ち上げています。コミュニティー自治大臣は預金者の資金を取り戻すことが政府の第1の課題であり、その一方、緊急支援ユニットがトラブルに陥った自治体の支援を行なうと発表しているところをみると、大丈夫だといいながら、それほど地方自治体は大丈夫ではないような感じです。

そして10月15日付けのBBCはUniversity's £11m held in Iceland という記事で、アイスランドの銀行国有化のため、ケンブリッジ大学は1100万ポンドが凍結されたと伝えています。それよりも1100万ポンドはケンブリッジ大学の投資総額の約3%でしかなく、たいした額ではないと続いており、つい投資総額を計算してしまいました。ちょっとした国家予算なみですね。10月14日付けのBBCでは、12の主要大学が総額7700万ポンドをアイスランドの銀行で運用していたとあります。

10月10日に30万の英国人がアイスランドの銀行で資金運用をおこなっていたとお伝えしましたが、その資金総額は40億ポンドで、地方地自体、大学、慈善団体などの機関が運用していた資金を合わせると56億ポンドといったところのようです。

どんどん凄い数字になってきます。

しかし面白いのはイノベーション・大学・職業技能省が「この数字は年間収益180億ポンドというコンテクストの中で見るべきだといっていることです。

これもまた凄い数字です。
こんな数字をみると、日本でもアイスランドで資金運用している人いそうな気がします。

でも国民の預金保護にしろ地自体の緊急支援にしろ、最終的に「7月、格付け機関はこれらの銀行の格下げを行い、同時期に英政府諸大臣はアイスランドの銀行の破綻の可能性と預金者の資金への脅威について警告を発している」という一節に尽きるのでしょうね。

アイスランド中央銀行のサイトをみたら政策金利12%とあったのですが、あれはどういう意味でしょうか?
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by fukimison | 2008-10-15 21:52 | 公共財  

英地方自治体、金融危機に直面

今回のサブプライムショックですが、日本では昨晩不動産投信が倒産していますし、各国の不動産や建設業に大きな影響を及ぼしていることについて何回かお伝えしてきました。

不動産・建設関連だけでなくアイスランドは銀行を国営化すると発表していますし、その影響は昨年9月にサブプライムショックが始まったとき言われていたことよりも、想像以上に大きいというのが、だんだんに分ってきたように感じます。

そして10月9日付けの英Guardian紙はCouncils 'could lose £1bn' after bank collapseという見出しを掲げ、アイスランドの銀行が倒産したことで、英地方自治体は総額10億ポンド超の資金を失う恐れがあると伝えています。

BBCによれば、計80の自治体や警察署が総額7億ポンド超の資金を失う恐れがあることが判明しています。

つまり英地方自治体などでアイスランドの銀行に歳入の一部を預けており、それが銀行凍結により引き出し不能に陥る可能性があるということです。BBCの10月8日付けの報道でも、アイスランド政府はランズバンキを管理下においたことと、インターネットバンクは英国に約30万人の顧客があり、その人々の口座も凍結されたと伝えています。

地方自治体が資金を引き出せなくなるということは、自治体職員の給与、各種サービスや施設の維持管理に支障がでるということです。地方自治体は英政府に「ナントカシロー」と言い、ブラウン首相やダーリング蔵相も「コマッタモンダー」と言っていますが、なんとなく早急に打開策がうてるかどうか、文章のトーンからすると微妙です。

なぜ英国がアイスランドの銀行を利用するのかしらと思い、wikiでアイスランドを調べてみました。人口約30万ということは、英国人でアイスランドの銀行に口座を持っている人と同じじゃありませんか!さらにクレジットカードやインターネットバンキングなどによるキャッシュレス決済が進み、現金決済が著しく少ない(GDP比1%以下)ことで有名。金融部門の伸びが著しく、金融、不動産がGDPにしめる割合は、26%に達していると続きます。

いぜん環境系のことで調べたとき、EU資金による水素エネルギーバスの運行実験が始まり、水素エネルギーによって欧州のクェートを目指すとしていました。環境と漁業の国と思っていたのが、いつの間にか金融立国に変身していたのですね。

サブプライムの影響の大きさに驚くと共に、日本の地方自治体や公共機関は大丈夫なのか、とても不安になります。
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by fukimison | 2008-10-10 10:16 | 公共財  

ベルファスト空港売却

9月7日付けのFTにFerrovial agrees to sell Belfast City Airportという記事がでました。

まず、Ferrovial(フェロビアル)というのはスペインの大建設企業です。そしてイギリスのベルファスト空港の持ち主、というより英国のヒースロー、スタンステッド、ガトウィックなど計7ヶ所の空港を管理する企業のBAA(British Airport Authority)の大株主です。英国を代表するヒースロー空港の管理会社が自国資本でない、というのは日本人にしてみれば、ウッソーですが、 2006年にBAAはフェロビアルに102億3000万ポンド(約2兆1000億円)で買収され、同社の傘下にあります。

そして今度、フェロビアルグループは、ABNアムロのGlobal Infrastructure ファンドが1億3250万ポンドでベルファスト空港を買収すると発表しました。同空港は北アイルランドの首都と英国やフランスを結び、年間2万人が利用する空港です。

2003年、フェロビアル社は同空港をカナダの航空宇宙グループのボンバルディア社から4300万ポンドで買収しています。9月6日付けのIHTによれば、フェロビアル社のキャピタル・ゲインは8560万ポンドだそうですし、9月末までにこのディールは完了の予定だされています。

なんだか儲けてそうな気がしますが、フェロビアルはBAA買収以来BAAの債務計画に苦慮してきたのですが、特に昨年秋の金融引き締め以降、インフラボンドの借り換えが難しくなっていました。それに加え8月、英国競争委員会はBAAはロンドンのヒースロー、ガトウィック、そしてスタンステッドの3空港のうち2空港を、さらにグラスゴーかスコットランドのエジンバラ空港のいずれかを売却すべきだとした予備報告書を発表しています。

日本だと電源開発とTCIみたいに、すぐインフラが海外資本の所有になるのは国益上うんぬんとか国防上かんぬんとか言われますが、欧州では空港管理会社の大株主が外国資本であることよりも、健全に競争が行われているか、利用者が不利益をうけないかが問題になっています。さらにある程度の利益が上がれば、売却される。この場合ABNアムロはオランダの金融機関のような気がしますが、同社も2007年にスコットランド王立銀行の率いるコンソーシアムに買収されています。だからスペイン資本から英国資本に戻ったような気がしますが、これも気がするだけで、利が乗れば、また売りに出されることでしょう。

インフラの売買、日本ではまだまだ未成熟な分野です。
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by fukimison | 2008-09-08 22:24 | 公共財  

スペインのインフラ投資

昨日の米国のインフラニュースに続き今日はスペインです。でも米国のがちょっと暗めのニュースだったのに対し、スペインのはインフラに大型投資を行うというもので、明るいといえば明るい。

建設専門誌のNCEによればスペイン政府は2008/2009年に公共住宅や中小企業に160億ユーロを投じると宣言したとあります。

この記事の元は何かと探したところ、NASDAQのなかにSpanish Government Announces Reform Package To Boost Economyという記事を発見しました。

こちらの記事によれば、スペイン政府は急速に後退する経済を活性化するため、2008/2009年の経済改革パッケージを発表したとあります。スペイン経済省は24の政策、これには住宅、交通、エネルギーおよびテレコミュニケーション分野を含むを介して行うとしています。

この計画の一環として政府は中小企業むけ貸付改善のため、スペイン金融公庫(ICO)のクレジットラインをはじめ、2009年と2010年に200億ユーロを注入する計画だ。この計画には富裕税の撤廃も含まれている。

スペインは州によってはですが、太陽光や風力発電に特化して環境的な成功を収めている地域もありますが、原油高や世界的な不況、他の国と同様の不動産不況に見舞われ、結構つらい状態にあります。GNPは第一四半期に2.7%であったものが、第二四半期には1.7%におちています。さらにGDPの約10%にあたる予算赤字があり、この赤字を増大させないことを確保し、EUの赤字リミットの3%内に留めるため、新インフラ計画の資金は間接的な、おそらく民間資金調達を介するものとなるでしょう。

スペイン政府の声明によれば、この新改革パッケージは2010年までに経済成長を3%ほどにまで後押しするものとなろうとしています。

スペインの年間インフレ率は7月に1997年以来最高の5.3%に達しています。

うーん、明るいというより必死という方が近いかもしれません。
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by fukimison | 2008-08-27 10:50 | 公共財  

米国、港湾事情

本日はアメリカのニュース、しかも港湾関係という珍しいものです。鉄道、道路や橋梁は身近にありすぎて、かえって目に入らないぐらいなのですが、逆に港湾は非常に関係していのだけど遠すぎて、わからない。船舶が接岸され、荷揚げ中に排出される排気ガス(船舶、コンテナ車etc)は大変なものというのは、建物の排気が都市排出CO2の25%を占めるというのと同じぐらい知られていません。そのため米西海岸最大の港湾であるニューポートビーチは、ディーゼル発電を止めるため、船舶用の配電システムを用意したなんていうニュースが2年ぐらい前に流れたのですが、こんなこと日本で知っている人は環境系か建設系のオタクぐらいでしょう。

本日の記事はこれと似てなくも無いのですが、米港湾でインフラ不整備のため穀物輸出が滞っているUS Grain Exports Snagged By Infrastructure Delays というものです。これはAPが配信し、米加各地のTVや新聞で同じ記事が出ています。

背景として、原油価格の高騰からバイオディーゼルに関心が向き、人間が食べたり家畜の飼料にしていた穀類がバイオディーゼルに転用され、総量不足から穀類の価格も高騰しているというのがあります。そうなれば当然、生産者は増産に向かいます。

ところが急激な輸出量の増加は、これらを輸送する米鉄道、幹線道路、河川の非効率さにより、場合によっては数ヶ月も山積みにされ、風、雨、場合によってはネズミにさらされたまま放置され、この費用は農家、船主、採取的には消費者に年間何百万ドルもの損失となってのしかかっているということです。

農家は増産を行い天候も農家の見方をし、農務省は今年(2008年)米国のトウモロコシは史上2位、大豆は4位の収穫量を見込んでいます。米の穀倉地帯は中西部で、そこはミシシッピやミズーリと大河川流域であり、大量輸送ができること、人員も燃料費も少なくて済むことから、穀類の積み出しはこの河川を利用した船舶輸送に頼っています。

ところが途中のダムや閘門が旧式であることから大量輸送が出来ず、穀物はサイロに保管されたまま、数ヶ月も積み出しの順番待ちを強いられています。陸軍工兵隊によれば、この艀による損失だけで平均年間7260万ドルの加算費用となってるそうです。

損失は艀により発生するだけでなく、鉄道の延着によっても起きています。2006年、アイオワ、イリノイ、そしてインディアナで10億ブッシェルの穀類が野積みや仮設のシェルターで保管されたと見積もられ、およそ1億700万ドルから1億6000万ドルが輸送費に加算されたと農務省は伝えています。これは2006年のトウモロコシと大豆の輸出総額138億ドルの約1%にあたります。

集荷されたものの貨車の手配がつかなく野積みされ、損失をだす。そのためには鉄道の延伸や整備が必要なのですが、米鉄道教会は増える需要に見合うよう鉄道の延伸を行うには今後30年間に1480億ドルの投資が必要だとしています。しかし同協会はその約70%の資金調達能力はありません。

一方、ミシシッピ川の閘門とダムを近代化し、大型の艀が通行可能にするためには今後20年超に22億1000万ドルが必要だと見積もられていますが、これは議会の承認を要します。

やっとの思いで港に集まった穀類ですが、こんどはそれを輸出するためのコンテナの問題が立ちふさがります。いままでは中国などの海外から商品を運んできた20フィートコンテナを借り受け、それに穀類を積み込み海外へ送り出したのですが、米国の輸入量が減り、コンテナを借りるのが難しくなっている。これは借り賃の値上がりを意味し、この10ヵ月だけで70%の上昇をみたと伝えられています。

穀類輸出国の勢力分布図をみると、アルゼンチンやブラジルが輸出量1位の米国を急迫していることから、ここでも米国のずりずりと後退していく姿が見え隠れしているようです。

上手くまわすカギは正しいインフラ投資
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by fukimison | 2008-08-26 12:02 | 公共財  

ベトナムのゴルフ場

先日、ベトナムの原発計画をお知らせしましたが、今回はゴルフ場計画です。
それも、ゴルフ場を造るのでなく、制限する方です。

ベトナム社会主義共和国国会便りとでも言うのでしょうか、The National Assembly of the Socialist Republic of Vietnamに紅河デルタ地方ターイビン省のLe Quoc Dung議員は投資計画省のPhuc大臣に、無計画に農地がゴルフコースに転用され建設されることについて質問したとあります。同議員によれば、現在ベトナムの39都市に運営中および計画中併せて141のゴルフコースがあり、その総面積は49,000ヘクタール、うち2,625ヘクタールは農地だということです。

これに対しPhuc大臣は、農地をゴルフコースに使用する計画で進行中の物は無く、また農地として不適な土地しかゴルフコースにされていないと明言し、さらにこれらゴルフコースの監督に関し、首相は認可を与えず、また各省の人民委員会が認めた地区計画に沿ってゴルフコース建設の免許を与えるよう人民委員会に指定したと答弁。

単にベトナムのゴルフブームの話だけなのだろうかと思い、ほかを見たところ、7月27日付けのAFPにVietnam to freeze new golf courses to protect rice farmsという記事がありました。この記事をかいつまんで紹介すると、
海外の投資家がその勃興経済に注目した事とあいまって、2006年初頭から週に1コース余の割合で新規コースが認可されています。ちなみに2007年、ベトナムは8.5%の成長率を記録している。しかしインフレが二桁で進む中、食糧価格が高騰したことで政府は、土地利用基準や環境保護義務を満たさない新規ゴルフコースの凍結を計画中だと計画投資省の報告書は伝えている。同報告書は「地方政府は、現在二毛作が行われている農地をゴルフ場に転用するプロジェクトに認可を与えることを中止すべきだ」と記しているとVietnam Investment Review誌は伝えたとあります。何千人もの農民が農地や生計手段を失い、そのうえ開発業者はお約束どおり、1平米あたり約2-3ドルの保証金を払うだけだと報告書を伝えている。

18ホールのゴルフ場は、1日あたり2万世帯の消費量と等しい5,000立方メートルの水を消費し、農地が使用する3倍の殺虫剤、農薬そしてほかの化学薬品を必要とします。2000年から2006年にかけ、経済発展を遂げるベトナムは、工業および住宅地域の拡大により稲作面積が450万ヘクタールから410万ヘクタールへと縮小したと6月農業省は発表しています。

すでに中国が食糧製品を輸入し始め、またベトナムやインドがこれに続くと成ると、エタノール製造に流れたことによる穀類市場の混乱と相まって、はさらに大きな混乱が起こると素人の私でさえ考えます。

そういえば、1ヶ月ほど前のIHTの記事にも、スペインがゴルフ場建設を制限する施策を打ち出したというのがありました。スペインはここ数年干ばつに襲われており、農地は大きな打撃を受けています。日本でもバブル崩壊以降ゴルフ人気は衰え手いると聞きます。ゴルフトーナメントの報道は大きくされていますが、若者のゴルフ離れが言われ、実際にプレーを楽しむ人々の層やゴルフにかける費用はどの程度のものなのでしょうか?水や農薬を大量に使うゴルフ場経営は、これからますます難しくなるでしょうね。

21世紀は水の時代といわれており、土地と水は公共財と捕らえることが普通となった場合、ゴルフは最初に槍玉に挙げられそうな気がします。
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by fukimison | 2008-07-30 11:34 | 公共財  

アセアン諸国、災害活動網構築へ

7月24日付けのIHTを見ていたらASEAN countries to pool resources for disaster reliefという記事が目を引きました。

その内容は、アジア・太平洋保安会議参加各国(EUおよび参加26カ国の外相)は、同地域を取り巻くサイクロン、地震や洪水といった自然災害を戦うため、国際的に資源(軍事的な支援を含む)をプールするという野心的な計画を発表したというものです。2004年のインド洋大津波に始まり、ミャンマーのサイクロンや中国の四川省大地震などの大災害の折、官民というか民間と軍隊両者を上手に調整し作業に当たることの必要性が明らかになった。2009年に救援訓練を大々的に行う計画も示された。

確かにこのところ、気候変動のためか米国のカトリーナ、欧州の熱波、イギリスの洪水、日本では東北地方の地震と世界中で大災害が相次いでいます。

Think the Earthの方がおっしゃっていましたが、平均気温が2度あがると大変なことになる、といわれている。でも一般の人にとり2度上がるということが、そんなに大変なことと思えない、是に対し、平均気温を自分の体温を考えて、体温が2度あがったらどうなるか、平熱が36度の人にとり38度は病気でしょうし、これが39度になったら、40度になったらと想像してみれば、実感できるでしょうといわれ、とってもリアルでした。

それはともかく、この会議を主催したシンガポールのYeo外相が「この主の演習を行うことで共通の言語を生まれ、緊急時に誤解を生むことなく救援活動が進められる」としています。つまり共通認識として、「地域的な災害救助のおいて軍事的な資源と人員が益々重要な役割を果たす」があるということでしょう。

来年この災害援助演習を行う場所として、フィリピンが申し出ており、日時や場所、路地スティック手段などが確認された。これによって、どの国がどういった人災や資材、資源を保有しており、それの利用法などを知ることで、いざとなったらどこに何を求めればよいか、手法の確立が行えるというものです。でも、サイクロンで大災害を受けたミャンマーのように、いくら救援が目的とはいえ、外国の軍隊が入ってくることで政府の基盤が崩れることを危惧する軍事政権などありますから、そうそう簡単にこれが実行できるとは思えません。またそういう国ほど、インフラの不備などで、自然災害+人災=大災害になりやすい状況にあります。

多発する自然災害に備え国際的な救援活動網の設立は、本当に必要なことだと思いますし、この試みの成功を願うものですが、地震や津波はともかく、身の回り3mでできることを通じて温暖化防止に努め、それが大サイクロンの発生防止に繋がることを望むばかりです。
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by fukimison | 2008-07-25 16:04 | 公共財  

英国のガソリン税論議

英国の業界誌であるNew Civil EngineerをみていたらSpend fuel tax funds on roads says RACという記事があり、どこでもガソリン税について議論があるのだなと思いちょっとみてみました。

RACとはRoyal Automobile Clubのことで自動車利用者団体です。このRACの研究機関として設立された財団の調査が発表され、それによれば平均的な英家庭が利用する無鉛燃料の費用は2008年4月末に比べ3.4%上昇し、1ヵ月あたり106ポンドになった。財務省はこの106ポンドのうち64ポンドを、ガソリン税と付加価値税(VAT)として直接徴収している。英国の運転者は欧州で最も高いガソリン税を支払っており、毎年財務省に入る総税収は450億ポンドにのぼる。2007年に英運転者が支払った金額(VATを除く)で道路網改善に支出されたのは、その4分の1(26%)でしかない。

そこでRACのサイトを見てみるとCARS NEED FUEL ……AND ROADS にありました。
RAC財団のアナリストは運転者から徴収される税額と道路網への投資として戻される金額の差が、1970年代中頃に比べ400%超上昇していることを例をあげ示しています。
つまり1975年の運転者からの税収(2006年価格で116億ポンド)はほぼ同額(111億ポンド)が道路網へ投資されています。しかし1990年から1999年にかけての財務省に充当された税収は400億ポンドを越えるものの政府は、道路網拡充への急速な要求にもかかわらず、これにみあう増加は行わなかった。現在その差は460%に及んでいるとあります。

どこの国も目的税が目的とされるものの、建設・拡充・維持管理に使われないという現状、そしてそれに対する不満はあるものだなぁと思います。

それは当然のことなのですが、このNCEの記事の続き、読者からの投書がちょっとおもしろかった。
ある人は、ガソリン税が道路に使われようと保健に使われようと政府の支出先について余り気にしていない。いるものはいるのだからガソリン税が廃止されたところで、政府は所得税を増額するだろうと書いています。

また別の人は、一般に運転者が支払う税は納税者全体にばら撒かれているという不適切な神話があり、財団のこの言はその神話を崩さないようにするため、注意深く道路交通費の大部分を取り除いているふしがある。優秀な交通エコノミストのように道路輸送費に関し、全体的なアプローチをとれば、一般納税者が運転者を助成しているのがわかるだろうと書いてます。

日本でこういう問題がとりあげられると、マスコミですら感情的な論調を示すことが良く見かけられます。この英国の雰囲気、なんとなくいいなぁ
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by fukimison | 2008-06-03 12:03 | 公共財  

British Energy社の入札

いま英国系投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド(TCI)によるJパワー(電源開発)株買い増しが新聞紙上を賑わしています。特に国の重要インフラに海外資本の比率が高くなることを日本政府が拒否したことで話題を呼び、またこれについて英国政府が日本政府に対し、外国貿易法の適用基準が不明確であるとの書簡を送ったりしています。

一方、このTCIのお膝元、英国では英大手電力会社であるBritish Energy社(BE)の買収が新聞紙上を賑わしていますが、その内容は日本とだいぶ違っています。

このBE社は英国政府が株式の35%を所有しています。
そしてBBCの報道によれば。BE社は原子力発電所(8カ所)と火力発電所(1ヵ所)を所有し、英国の電力需要の6分の1を賄っています。しかし発電所の閉鎖、新しい原子力発電所の開発費用、原子炉のあった用地の浄化費用など、とにかく雪だるましきに嵩む費用により資金難に喘いでします、

そのためこの英政府所有の35%の株式が売りに出されたところ、買収に名乗りを上げたのが、英国のガス会社Centrica、フランスのEDFやSuez、ドイツのRWE、そしてスペインのIberdrolaの各社です。

Centrica社をのぞけば、すべて外国企業。
また買収の申し出が数社からあったという報道により、BE社の株価が8%上昇したという報道はあっても、国益云々の記事は見付けられませんでした。

さらに5月23日、Suez社はフランス・ガス社との合併に専念するため、BE社の入札からおりる発表した報道がありましが、この報道で面白いと感じたのは、Suez社はフランス・ガス社との合併が終わった後あらためてBE社と交渉を行うことは排除されていないと、わざわざ記述されていることです。

日本的にいえば国の根幹を成す電力インフラですが、株式上場している企業である以上、市場論理と法律に従って交渉されるものであり、買収先について政府は口を出さない。
翻っていえば、国が守りたいのであれば、株は売らないということなのでしょう。




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by fukimison | 2008-05-27 21:26 | 公共財  

学校の統廃合-3

学校の統廃合とは直接関係ないのですが、昨日、隣の町に住む友人と話していて驚いたのは、彼の住む町の町会(1-3丁目まであり、この区では住宅地域です)で、今年の事業活動について会議があり、敬老の日に高齢者へ配る記念品について話し合われたそうです。

一般に65歳以上がお年寄りというくくりになっていますが、これだと750人超にのぼり、町会財政としては厳しい、したがって、今話題の後期高齢者になる75歳以上の方々に配ろうということになったそうです。
しかし10歳伸ばしても、600人ほどいらっしゃるそうです。

数学的に考えれば、長命になればなるほど死亡率が減るのは当然で、10年先を見ても半減しないというのは、なんというか喜ばしいというのか、当たり前というのか、難しいところではありますが、まあ、そういうものでしょうとしかいえません。

問題は新入学児童にも記念品を配ろうということです。こちらの人数は、敬老記念品を受け取る方々の人数からゼロが1つおちます。

つまり、75歳以上の年を重ねた方と7歳になる子供の人数に10倍の開きがあるということです。

住宅地域といってもこの10年でマンションが多くなり、町会に加入なさるお宅も減ってきています。また古くから住んでいらっしゃる方は町会に加入されていますが、子育てに向く地域とは余りいえないことから、新しく越していらっしゃる方にお子さんのある世帯が少ない、代替わりの際は相続税支払いのため、売却されることが多いため、子育て世代は引っ越さざるを得ないなどなど諸事情があり、町会加盟世帯という枠内のこととはいえ、この10倍の差というのは恐ろしいです。

人口減による弊害の記事が新聞紙上を賑わしていますが、どこか他人事に感じていました。しかし自分の住んでいる地域の人口構成を見せられると、近い将来ではなく明日のことと実感されます。
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by fukimison | 2008-04-25 10:56 | 公共財