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ベニスの橋

サンチャゴ・カラトラバ(Santiago Calatrava)というスペインの建築家がいます。ちょっと調べたところ、1951年生まれというから、北京オリンピックのメインスタジアム鳥の巣を設計したヘルツォーク &ド・ムーロンが1950年生まれですから、ほぼ同年代の建築家です。アテネオリンピックのメインスタジアムを設計した人です。

橋の設計を多く手がけていることから「橋の巨匠」とも呼ばれています。
かれのサイトはこちら、プロジェクトの中を見るといろいろ出ています。

その巨匠がベニスのグランドカナルにかかる橋を設計、このたび完成したのでそのお披露目をしようとしたら、それが延期になったとという記事が8月27日付けのガーディアン紙に出ました。

この記事にもありますが、昨年の今頃、ベニスで大反発を受けているという記事を読んだ記憶があります。その理由として必要ない、安全といい難い、ハンディキャップのある人が利用しにくい、そしてあまりに現代的すぎるというもの。
ベニスの運河にかかる橋ですから、ある程度の調和が必要だと言うのはわかります。

実際、スチールとガラスで構成された全長94mの橋と言われると、ベニスの景観にまっちするとは思えません。

でも、彼の作風は分っているのだから、最初から彼に依頼すべきでなかったというのがワタクシの考え。

その他にも、予定より4年も完成が遅れた上、300%の予算超過だそうです。
これまた凄いですね。予算の3倍ですよ。工期の遅れはよくある話ですが、運河にかかる橋ということで軟弱土壌でトンネルを掘るわけでもないでしょうし、そこまでの工期の遅れは想像し難いし、しかも資材が値上がりしたとしても3倍は凄い。カルトラバ側のプレスリリースはハンディキャップの人々の利便を考えた設計変更を求められたりしたことが、工期の遅れと予算超過の原因であり、それはベニス側のやり方に起因したもので我々には責任はないとしているそうです。
これもまた、凄いです。

そのうち、ひそやかに橋は利用されはじめるのでしょうけど、こういうのは両者にとり不幸ですね。たぶんカラトラバにとってはこれがベニスの景観にあうものだという絶大な自身があるでしょうし、でもその地に何十年も住み続けている人々にとっては、ベニスの橋というのはこうあるべきだという感覚的なものがある。美しい景観、好ましい景観というのは数値化できないだけに、それは違うというのを相手に納得させるのは至難の業です。

その場合、発注者側が欲しいイメージをはっきり提示し、著名というよりも、そのイメージを具現化できる設計を行う建築家を選ぶというプロセスを選んだ方が良かったんでしょうね。
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by fukimison | 2008-08-28 16:48 | プロジェクト  

スペインのインフラ投資

昨日の米国のインフラニュースに続き今日はスペインです。でも米国のがちょっと暗めのニュースだったのに対し、スペインのはインフラに大型投資を行うというもので、明るいといえば明るい。

建設専門誌のNCEによればスペイン政府は2008/2009年に公共住宅や中小企業に160億ユーロを投じると宣言したとあります。

この記事の元は何かと探したところ、NASDAQのなかにSpanish Government Announces Reform Package To Boost Economyという記事を発見しました。

こちらの記事によれば、スペイン政府は急速に後退する経済を活性化するため、2008/2009年の経済改革パッケージを発表したとあります。スペイン経済省は24の政策、これには住宅、交通、エネルギーおよびテレコミュニケーション分野を含むを介して行うとしています。

この計画の一環として政府は中小企業むけ貸付改善のため、スペイン金融公庫(ICO)のクレジットラインをはじめ、2009年と2010年に200億ユーロを注入する計画だ。この計画には富裕税の撤廃も含まれている。

スペインは州によってはですが、太陽光や風力発電に特化して環境的な成功を収めている地域もありますが、原油高や世界的な不況、他の国と同様の不動産不況に見舞われ、結構つらい状態にあります。GNPは第一四半期に2.7%であったものが、第二四半期には1.7%におちています。さらにGDPの約10%にあたる予算赤字があり、この赤字を増大させないことを確保し、EUの赤字リミットの3%内に留めるため、新インフラ計画の資金は間接的な、おそらく民間資金調達を介するものとなるでしょう。

スペイン政府の声明によれば、この新改革パッケージは2010年までに経済成長を3%ほどにまで後押しするものとなろうとしています。

スペインの年間インフレ率は7月に1997年以来最高の5.3%に達しています。

うーん、明るいというより必死という方が近いかもしれません。
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by fukimison | 2008-08-27 10:50 | 公共財  

米国、港湾事情

本日はアメリカのニュース、しかも港湾関係という珍しいものです。鉄道、道路や橋梁は身近にありすぎて、かえって目に入らないぐらいなのですが、逆に港湾は非常に関係していのだけど遠すぎて、わからない。船舶が接岸され、荷揚げ中に排出される排気ガス(船舶、コンテナ車etc)は大変なものというのは、建物の排気が都市排出CO2の25%を占めるというのと同じぐらい知られていません。そのため米西海岸最大の港湾であるニューポートビーチは、ディーゼル発電を止めるため、船舶用の配電システムを用意したなんていうニュースが2年ぐらい前に流れたのですが、こんなこと日本で知っている人は環境系か建設系のオタクぐらいでしょう。

本日の記事はこれと似てなくも無いのですが、米港湾でインフラ不整備のため穀物輸出が滞っているUS Grain Exports Snagged By Infrastructure Delays というものです。これはAPが配信し、米加各地のTVや新聞で同じ記事が出ています。

背景として、原油価格の高騰からバイオディーゼルに関心が向き、人間が食べたり家畜の飼料にしていた穀類がバイオディーゼルに転用され、総量不足から穀類の価格も高騰しているというのがあります。そうなれば当然、生産者は増産に向かいます。

ところが急激な輸出量の増加は、これらを輸送する米鉄道、幹線道路、河川の非効率さにより、場合によっては数ヶ月も山積みにされ、風、雨、場合によってはネズミにさらされたまま放置され、この費用は農家、船主、採取的には消費者に年間何百万ドルもの損失となってのしかかっているということです。

農家は増産を行い天候も農家の見方をし、農務省は今年(2008年)米国のトウモロコシは史上2位、大豆は4位の収穫量を見込んでいます。米の穀倉地帯は中西部で、そこはミシシッピやミズーリと大河川流域であり、大量輸送ができること、人員も燃料費も少なくて済むことから、穀類の積み出しはこの河川を利用した船舶輸送に頼っています。

ところが途中のダムや閘門が旧式であることから大量輸送が出来ず、穀物はサイロに保管されたまま、数ヶ月も積み出しの順番待ちを強いられています。陸軍工兵隊によれば、この艀による損失だけで平均年間7260万ドルの加算費用となってるそうです。

損失は艀により発生するだけでなく、鉄道の延着によっても起きています。2006年、アイオワ、イリノイ、そしてインディアナで10億ブッシェルの穀類が野積みや仮設のシェルターで保管されたと見積もられ、およそ1億700万ドルから1億6000万ドルが輸送費に加算されたと農務省は伝えています。これは2006年のトウモロコシと大豆の輸出総額138億ドルの約1%にあたります。

集荷されたものの貨車の手配がつかなく野積みされ、損失をだす。そのためには鉄道の延伸や整備が必要なのですが、米鉄道教会は増える需要に見合うよう鉄道の延伸を行うには今後30年間に1480億ドルの投資が必要だとしています。しかし同協会はその約70%の資金調達能力はありません。

一方、ミシシッピ川の閘門とダムを近代化し、大型の艀が通行可能にするためには今後20年超に22億1000万ドルが必要だと見積もられていますが、これは議会の承認を要します。

やっとの思いで港に集まった穀類ですが、こんどはそれを輸出するためのコンテナの問題が立ちふさがります。いままでは中国などの海外から商品を運んできた20フィートコンテナを借り受け、それに穀類を積み込み海外へ送り出したのですが、米国の輸入量が減り、コンテナを借りるのが難しくなっている。これは借り賃の値上がりを意味し、この10ヵ月だけで70%の上昇をみたと伝えられています。

穀類輸出国の勢力分布図をみると、アルゼンチンやブラジルが輸出量1位の米国を急迫していることから、ここでも米国のずりずりと後退していく姿が見え隠れしているようです。

上手くまわすカギは正しいインフラ投資
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by fukimison | 2008-08-26 12:02 | 公共財  

暖房か、それとも食べ物か

このブログを始めた理由の1つに大深度地下工事や橋梁建設を見るのが好きというのがあります。そして世界でどんな大規模建築が行われいるのか、そして建築を取り巻くいろいろな環境はどういったものなのかを知りたいというのもありました。

今日の記事は直接インフラに係らないのですが、今後の景気を占うものの1つとしてお伝えします。

これは8月22日付けのテレグラフ紙にあったFamilies face further rises in gas billsという記事です。

記事の出だしを要約すると「大手エネルギー供給企業2社が値上げを発表したことから、英国の1400万超の世帯で光熱費が最大年間260ポンド(約52,773円)の値上がり、大部分の世帯で光熱費の年間額は約1300ポンド(263,869円)に達するだろうというものです。

一方で7月31日付けの報道にシェルは80億ポンドの利益を上げたとか、ブリティッシュ・ガスの親会社は6ヶ月で9億9200万の利益を得たとあります。

それはともかく、この値上げ報道は7月にEDFが平均20%の値上げを、その翌週、1000万人の顧客を持つブリティッシュ・ガスが25%の値上げを計画していると発表し、さらにスコティッシュ&サザーン・エナジー社が電気料金を19.2%、ガスを29.2%値上げする一方、E.ON社が電気16%、ガス20%の値上げを行うとしたことに端を発します。

この記事を読んでいて日本と違うなぁと感じたのに、インフラ供給会社が英国企業に限られていないというのがあります。EDFはフランス電力公社ですし、E.ONはドイツの企業です。海外の機関投資家であるTCIがJ-Power株の追加取得をしようとした際の騒ぎと凄い違いです。

それはともかく、自分の身に引き換えて考えても光熱費が年間で5万円ちょっとあがるのは痛いです。この冬は人々は暖房をとるか、食べ物をとるかの選択を迫られるというのも、わかります。

この記事の中で目を引いたのは政府に対するコメントで、既存・新築にかかわらず、省エネ対策の充実した建築物の促進、化石燃料に依存するエネルギー市場の転換です。

地球温暖化の問題とは別に、今回の原油価格高騰は1つの資源に頼ることの危うさをはっきりと人々に報せたように感じます。よく資産は不動産、株、投資信託などに分散し、さらのその中でもいろいろな商品に分散することで、危険も分散できると言われています。エネルギーもこれと同じで、化石燃料だけに頼るのでなく、風力・水力・太陽光・バイオマス・潮力・波力・温度差・メタンハイドレート(これは相当時間がかかりそう)などをベストミックスする必要があると感じさせた。少なくともワタクシは、太陽光と小型風力発電を設置した不動産物件があれば見てみたいものだと。今後のマンション不況時代のウリの1つになるのではと思っています。
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by fukimison | 2008-08-25 11:56 | つれづれ  

ニューヨーク市長、NYをグリーン電力都市へ

先日、コネチカットが中・低所得者向け太陽光発電装置ローンを始めたというニュースをお伝えしました。
今日はNYのブルンバーグ市長が、NYの至るところに風力、太陽光、潮力発電施設を設置し、グリーン電力都市に変革すると宣言したというニュースです。

これは18日から19日にラスベガスのネバダ大学で開催されたNational Clean Energy Summitで発表されました。初日のキーノートスピーチをあのブーン・ピケンズがしているところが、なんとなく変です。

まあともかく、ブルンバーグ市長は「地産地消型発電推進のため、沖合い風力発電、小型風力発電、潮力発電システムへの誘導を取り上げ、10年内に同市が必要とする電力の10%を風力発電で賄うことが可能と見積もられている」と述べたました。

つまりブルックリンブリッジやエンパイアステートビルの上に小型風力発電機を設置したり、イーストリバーの川底に潮力発電装置を設置し、ロングアイランドの沖合いに風力発電ファームを建設するということです。

同市長が言うように、NYみたいな都市が率先して省エネ、再生可能エネルギー源への移行を行うことはこれに習う機関や自治体が出てくる効果があります。そこでNYは2017年までに市の機関が消費するエネルギーの30%を削減するという目標を立てています。

さらに民主党、共和党の両大統領候補者のエネルギー政策を批判し、ガソリン税を低くするよりも省エネとクリーンエネルギーの生産を主体とした総合的なエネルギー政策を取るべきだとしています。
こういった研究開発に投資するだけでなく、送電網の信頼性や送電能力の改善にも投資すべきとしているところが、ブルンバーグさんらしいですね。

でもロングアイランドの沖合い風力発電ファーム計画は、地元の反対で頓挫していますし、鳴り物入りで行われたイーストリバー川底の潮流発電は、マシントラブルであまり成果をあげていないし、先は遠いです。

そんななか他の州、マサチューセッツやデラウェア州では、少しづつ小型発電や沖合い発電への道が開かれようとしています。
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by fukimison | 2008-08-22 16:21  

ロスでパパラッチ対応住宅

割合と真面目なインフラ関連のニュースを選んでいるのですが、今日はちょっと面白系にしました。

現在建設中のCarlyle Residencesは、ロサンゼルスの中心部、ロデオドライブ、サンタモニカウィルシャーの3つの通りが囲むゴールデントライアングルに位置する24階建てのコンドミニアムです。

これだけですと特に高層なわけでもなく、よくある高級コンドミニアムに感じますが、このコンドミニアムのウリはプールでもワインセラーでもなく、パパラッチが入ってこられない、内部の写真を取ろうにも取れない、プライバシーを完全に守ることが設計に組み込まれていることです。

8月19日付けのL.A.Timesによれば、1室290万から2000万ドル(ペントハウス)のカーライル・レジデンスは、イスラエルで訓練を受けたVIP専用ガードが24時間体制で警備にあたり、エレベーターも専用、高い生垣がプールや芝生を囲み、盗撮者を防ぐとしています。建物は三日月型をしており、これ自体が中をのぞかれにくくする効果があるそうです。

素人としては、イスラエルの要人警護訓練を受けてビルのガードマンですか、という気がしなくも無いです。

Carlyle Residencesというからにはカーライルホテルが運営するだろうなと思いながら、どういう不動産開発会社がこんなコンドを建設するのかと思い、サイトを覘いてみたところElad Propertiesとあります。同社はイスラエル資本でN.Y.のプラザホテルを所有し、ラスベガスでもホテル開発を行っていおり、そのポートフォリオは世界中に75億ドルを越える不動産が載っています。

パパラッチ対応のコンドはこのカーライルが初めてではなく、サンセットストリップの西端にあるSierra Towersもこれを売り物にして、所謂セレブや有力者をお客にしています。この物件を売り出したサザビーの不動産部門の担当者によると、パパラッチは常に建物の外で張り込んでいるがいくつもの関門があるし、駐車場から自宅まで通じる専用エレベーター、ロビーからのエレベーターは不審者を閉じ込めることが可能なことから、パパラッチが中に入ったことは一度も無いと言っています。

これに対しパパラッチの反論が載っているのですが、「建物から出てきたところを狙い、車を追いかけるから、大丈夫」とのこと。

ずーっと家の中に隠れているわけにも行かないし、でも、いつもそんなことを気にして生活するのは、うっとうしいだろうなぁ。

でも高級物件のマーケティングとしては面白いですね。
しかし値段の幅、290万ドルが3億円、2000万で20億ちょっとで、値段として中途半端な気がします。

来年から売り出しだそうですけど、こういう内部情報がパパラッチに渡るなんてことないんでしょうね。
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by fukimison | 2008-08-21 16:30 | つれづれ  

米、グランドキャニオンで洪水

日本でも報道されていましたが、あまり大きな扱いではなかったので、アメリカでも異常気象が起きています(その代表が2005年8月のハリケーンカトリーナですが)

先週末(金曜日から日曜日)雷雨が北アリゾナ州を襲い、なかでもスパイキャニオン(グランドキャニオンの一部)で小型のアースダム(土を盛り上げて堰堤にしたダムというより溜池)が決壊したことで、さらに被害は大きくなりました。

8月18日付けのL.A.Timesによれば、観光客、地元民あわせて250名超が、人里はなれたネイティブ・アメリカンの寒村に取り残されたとあります。この村、スパイ村というのですが、1990年の国勢調査で104世帯、423人の村、Hualapaiの山頂から渓谷をずーと下り(高低差900m)、当然車の通れる道路はなく、村まで13kmのハイキングです。

救助といっても歩いて行ける訳がないのでヘリコプターで、日曜から月曜にかけ、数百人(CNN
とL.A.times でカウントの仕方が違うらしく、250人超といったかんじです)救助されたわけですが、問題なのはコロラド川で川下りをしていた人々。

ハイキングであろうとラフティングやボートで下り夜は川岸でキャンプをして過ごすそうと、届届出が必要です。これを元に救助隊が出動していますが、豪雨と水かさの増した川、なんともいえません。CNNの報道は、ラフトが5つ流され、16人が立ち往生していると伝えています。

時系列で見ていくと、この16人は救助され、行方不明だった11人も発見されたとあります。

北京オリンピックの影に隠れていますが、あちらでもこちらでも、洪水や異常気象が発生しているのですね。
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by fukimison | 2008-08-20 10:50  

米コネチカット州、中低所得者向け太陽光発電ローン

昨日、一昨日とちょっと涼しかったけど今日は朝からお日様が元気です。
暑いのはともかく、気候が温暖といわれた日本で見られなかった気温の変動やゲリラ豪雨の多発、そんなことから環境ニュースをザッピングしてみました。

Renewable Energy Wrold ComがConnecticut Announces Solar Loan Programというニュースを伝えています。タイトルからするとコネチカット州が太陽光発電向け融資プログラムを発表というごく普通の記事に読み取れます。

どの国でも、太陽光発電装置の設置は初期費用が高く、環境問題に敏感かつ余裕のある世帯でないと住宅用太陽光発電の設置はなかなかハードルが高いものです。日本も数年前まではNEDOが設置費用の一部補助をしていましたが、補助が細るにつれ設置する世帯は減っていきました。

このコネチカット州のSolar Lease Programは米国初の低・中所得者向けの融資で、住宅向けPV(Photovoltaic:太陽電池)システムの購入・設置に伴う初期費用を撤廃することを目的とした政策です。

実際にはConnecticut Clean Energy FundCCEF)を介し、割戻しと税還付を組み合わせてソーラーシステムの賃貸費用を下げることで住民がクリーンは太陽光エネルギーを利用しやすくするもので、CCEFは今後3年間に3,860万ドルを投じ約1、000軒に設置を進めたいと考えています。

中・低所得世帯向けとありますがCCEFのサイトを見ると、適正な財政状態にあり(このあたりが個人破産の多いアメリカです)住居地域の平均所得の150%と同等かそれ以下の自家所有世帯が、このプログラムの対象世帯になります。

ThreeHuggerによれば、コネチカット州の州都のHartfordを例にあげると、4人家族で年収121,650ドル以下であれば、一切費用負担なしにPVシステム一式の設置対象になります。面白いのは居住地域の平均所得の150%とあることで、所得階層の高い地域と低い市域ではカットオフポイントがだいぶ違う(高い地域の176,700ドルに対し低い地域の95,550ドル)ことです。標準的なシステムで一ヶ月あたり120ドル弱の支払いになると見られているそうです。

そのほか設置後2年間は、年に2回ほどCCEFにデータを報告する義務があります。

このCCEFとCSLPのサイトを読んでいくと、太陽光発電のメーカー、設置業者、そして住民の3者一両得をめざしたプログラムだなと感じます。つまり住民は、CCEFが適正を認めた業者によりカリフォルニア州エネルギー委員会が認めた機器を設置しないと割戻しの対象にならない。当然、このプログラムに申請し、受理された後でなければ割戻しは受けられないし、PVシステムも20年の保証付きのものでなければならない。
当たり前と言えば、当たり前ですけど。

でも、対象が面白いですね。
ただ景観的に考えると、屋根にPVシステムパネルを載せた家がずーっと建ち並ぶのは、ちょっとだなぁ。あの群青色のピカピカ、もうちょっとどうにかならないかしらね。
贅沢でしょうか?
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by fukimison | 2008-08-19 12:04  

四川省地震、その後

5月に中国四川省で発生した大地震で5万人が住宅を失い、7万人を越える死者を出し、さらに1万8000人がいまだに行方不明です。この地震の直後に核施設の被害や土砂崩れによる堰止め湖の問題などお伝えしました。

8月17日、中国の国家発展改革委員会(National Development and Reform Commission:NDRC)は、50ページからなる四川省地震復興計画案を発表したと新華社は伝えました。
報道によると、NDRCは復興費用を四川省の2007年の全経済生産に匹敵する1457億ドル(BBCによれば、2007年度の中国の歳入の5分の1に相当)と見積もっています。

またガーディアン紙によれば、この額は1995年の阪神淡路大地震の復興費用1200億ドルを上回るもので、オリンピックに備え首都北京の整備に費やした費用の3倍にあたるとしています。

この計画案は復興・再建における優先課題は基本的な生活環境や経済発展が地震前の状態に戻る、またはそれを越えることで、それには約3年を要するだろうと見ています。

BBCによれば、四川、甘粛、峡西の各省で約3400の小学校が再建され、さらに2600校の安全基準が改善される計画です。
学校の倒壊による子供の死傷者数が多かったため、地震発生当初から被害児童の父兄から手抜き工事や贈収賄の批判が相次いだ事を受け、報告書は特に学校や病院といった公共施設の建設の際は、建設基準の厳格な実施を求めるとしています。

100万人に職が必要だと言われる一方で、農村部で300万戸の住宅が、都市部では100万戸のアパートが必要とされています。また140万人が被災により貧困層へおちることを防ぐため、福祉プログラムが拡大され、これに加え中心的な雇用創出計画として、省都の成都から綿陽へ至る約150kmの都市回廊道路の延伸が計画されています。この計画に関し明確な予定は組まれていないが、以前中央政府は8年で人々の生活を正常なレベルに戻すことを目標とすると述べたとガーディアン紙は伝えています。

日本も今年の夏、岩手・宮城内陸地震が発生し、堰止湖による二次災害の危険報道や、2007年の中越沖地震で新潟の柏崎刈羽原発が火災を起したことは記憶に新しいです。
阪神淡路に匹敵する震度を記録した中越地震は2004年ですから、もう4年近く経ちますけど被災者が何らかの形で落ち着き、復興住宅が撤去されたのは昨年末でした。

関東大震災の日が近づくにつれ東海地域が大きな地震に見舞われた際の東京の被害を想像してしまいます。地震は来るといわれながら、なぜか超高層が建つ、最新の耐震技術を利用し大丈夫ですと建設会社は言うけど、本当の実証実験はしていないわけだし、建物自体に大きな被害は出なくても、停電すればトイレの水すら流せなくなる。大丈夫とは何をもって大丈夫というのか、疑問です。
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by fukimison | 2008-08-18 10:48 | つれづれ  

中東不動産市場

ここのところ楽しいニュースがないです。
どれを見ても建設不況、不動産下落、工事延期といった文字が並びます。
そのなかで原油高の恩恵を受けている中東産油国は、6月20日にお伝えしましたがルーブルやグッゲンハイム美術館を誘致する、美術館は世界でも高名な建築家に依頼すると文化路線を目指す国、有名な大学の研究機関を誘致してR&Dセンターとしてがんばる国、いろいろあって資源大国はやはり強いと感じていました。
なんといっても、世界はエネルギー、食糧、これを背後で動かす金融で構成されているのですから。

そうしたら、8月13日付けのWall Street JournalにDubai Homes In on Effort
To Cool Red-Hot Property Market
という記事がでました。

加熱市場を冷やす、なんだか以前にもいろいろな国の市場で聞いたことのあるフレーズです。

いつかは石油が枯渇する。その日を見据えてドバイは観光、ビジネス、交通の要衝となるべく努めてきましたし、その政策の中心にあったのが不動産開発でした。
世界一高いビルといえば台湾にある台北101ビル(509m)です。このビルを追い越し、世界一の称号を手に入れようと建設中なのがドバイのブルジュ・ドバイ。建設中のほかのビルに追い抜かれたくないので正確な高さを公表していませんが、尖塔をいれて800m超となるはずです。
ほかにも、超豪華リゾートとして有名な人工島のパームジュメイラなどがあり、欧米のお金持ちに人気の避寒リゾートになっています。

ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)の1つですが、このUAEのなかで初めて外国人に土地の所有権を認めました(2002年)。ドバイ土地局(Dubai Land Department)の見積りによると、土地取引額は2002年に387億ディルハムだったのが2007年に4620億ディルハム(約1258億ドル)に増加しました。さらに2008年には7170億ディルハムに達するだろうと予測しています。

ところがMorgan Stanleyが出した報告書は「ドバイの不動産取引は、2007年に65%増加し、また価格も79%上昇、2008年の前半でも25%上昇している。人口も2007年の141万人から2012年までには200万人に増加するとみられ、地価も2000年から4倍になり1平方フィートの平均価格は116.25ドルであるものの、2010年までに10%下落するだろう」と記しています。

2002年にコンドミニアムの分譲が始まった例の超高級リゾートのパームジュメイラですが、なんと価格は600%超の上昇を見せていますから、10%下落するといわれても貧民にとったはそれがどうしたです。

それよりも、MSの報告書が「ドバイで発生する確率は低いが、最悪のシナリオは1990年代のシンガポールで不動産価格が18ヶ月に80%下落したのと同様のパターンを起すことだ」と記している方が気になります。アジアの通貨危機はシンガポールどころかアジア各国を襲いました。今回のサブプライムでも分るように、ある国の市場急落はその国だけに留まらず、その地域全体、ある意味世界中に影響を与えます。

でも、強気のUAE人には気に入らないことだろうと思います。

アブダビの英字新聞The National はDubai house prices 'to fall' by 10%の見出しと共に、ドバイに比してアブダビは2010年までに25%の地価上昇があるだろうし、同様にカタールも15%の上昇が見込めるとしています。

しかし下落がいつ始まるか確かなことは分らないとしながらも、ドバイは価格修正の兆しが見えているとした専門家の談話を載せています。
また過剰な不動産価格上昇と過剰なコンドミニアム建設、これをもっとゆっくりとした安定的な成長に抑えるため、新しい法律やキャピタルゲイン課税が必要だとする専門家の談話も紹介しています。

600%の上昇は、素人が考えても市場のファンダメンタルというより投機が牽引しているわけで、いずれは価格の修正が起きるのは当然でしょう。

MSの報告書は2009年の第2四半期から下降が始まるとしていますが、別の専門家は2001年から価格の修正が始まるとしています。
ともかく、2009年あたりから注意するというのが結論のようです。
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by fukimison | 2008-08-15 12:06 | 不動産