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英不動産、12ヶ月連続で下落

環境系のニュースが続いたのでもっとインフラ的なニュースをと思って探したのですが、時節柄なかなかプロジェクトが立ち上がらないので、不動産ニュースです。

夏ぐらいから英・米の不動産ニュースを時折お知らせしてきましたが、本日は10月30日付け英ガーディアン紙のHouse prices slump by 14.6%です。
その物ずばり、住宅価格は昨年(2007年)10月から12ヶ月連続して下がり、14.6%の下落となったというものです。この数字はネイションワイド住宅組合 (Nationwide Building Society・英国最大の住宅組合、組合員が所有する共済組合)が伝えるもので、住宅の平均価格は1年前に比べほぼ3万ポンド下がり、158,872ポンドになったそうです。

値段が下がったから売買は活発になるかといえばこの金融収縮ですから、同組合は住宅ローンにおいて住宅購入の割合は1974年にこの種の統計がはじまって以来最低水準になったと発表しています。一方で他のデータ、不動産売却にかかる日数は昨年に比べ60%以上も長くなり、ほぼ12週間を要するようになっているそうです。(3ヶ月かかっても売れればいいんじゃないでしょうか?)

今週の初めイングランド銀行は、約50万人の自宅所有者が不動産価格より高額の住宅ローンを抱え、さらなる15%の価格下落が、120万人をネガティブエクイティー(市場価格から担保を引いた価格がマイナスになること)に直面する結果をもたらすかもしれないと発表した。

サブプライムの始まりが2007年秋でしたから、当然英国は2007年の夏で不動産価格がピークアウトするわけで、その頃に不動産購入を行った人は逆ザヤ現象に見舞われるというバブル崩壊時の日本と同じことがおきているのだなと痛感です。

ここでも「歴史は繰り返す」でしょうか。
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by fukimison | 2008-10-30 18:13 | 不動産  

金融危機打開に再生可能エネルギー

28日に続き、29日も環境系のニュースです。
10月28日付けのVoice of AmericaにEnvironmentalists Say Renewable Energy Brings Economic Benefit という記事が出ました。

アメリカはというかブッシュ政権は欧州に比べ、環境保護に余り熱心とはいえません。しかし環境系の技術開発となると別で、いろいろと先進的な研究を行なっています。平たく言えば、環境保護というより、儲かるか、儲からないかが一番に来るということだと思います。

そして本日の記事ですが、このたび発表された報告書は、再生可能エネルギーは温室効果ガス削減に役立つだけでなく、成長株産業の育成や世界的な金融収縮の打開の一助となろうと記しているとあります。この報告書はグリーンピースと欧州再生可能エネルギー評議会とでもいうのでしょうか、European Renewable Energy Council が共同で発表したもので、省エネと風力、太陽光、地熱といった再生可能エネルギーの積極的な利用で、世界は何兆ドルもエネルギー支出の削減が行えるとしています。

グリーンピース欧州事務所で気候・エネルギー政策を担当する部長は、「我々が言おうとしているのは、再生可能エネルギーはウィン・ウィン・ウィンゲームだということだ。これにより雇用が創造され、現在我々が遭遇している不安定な経済を再活性化し、さらに経済構造を改善するものだ。ますます不安定な様相を見せている化石燃料への依存度を減らすとともに、今後出される排気量を減らすだろう」と述べています。

先日、今まで規制緩和で経済は発展してきたと言われているが、これからは規制強化で経済は発展していくのでは、という話が出ました。つまり環境保護を行うため規制がかかる、これにより技術が発展し新しい産業が生まれる。この考え方で行くと、いままでのようにどんどん生産するのでなく、人が欲しがる物件をほんのちょっとだけ提供する。欲しい人が多いのに物品にしろサービスにしろ、少なければ当然値段は上がります。
でもこの考え方は太古の昔からあり、新は旧なり、旧は新なりを地で行くものだと感じています。
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by fukimison | 2008-10-29 18:28  

中国企業がカナダでバイオマス発電所建設

先週末から今週にかけ公私共に怒涛のような日々で、インフラニュースチェックどころか、メールチェックも滞るありさまでした。その間に円はあっと驚くような価になっているし、株価は最安値をつけるし、いったいどうなるんでしょう?

こうなると自給自足できる海辺の農家あたりが、いいのかなと。。。
大きく儲けようと思ったら儲かる道もなくはなく、でもそれなりに収支トントン、穏やかにくらしていきたければ、そうもできるという選択肢のある生活として、いいんじゃないかなと思案中。。。。

そんなことを考えながらも見付けたのが、カナダはオンタリオ州政府のONTARIO AND CHINA GO GREEN TOGETHERの記事です。これでけじゃなんのことかわからないでしょうけど、このあとのリードでMcGuinty Government Promotes Two-Way Investment And Trade In Shanghaiと続きます。

10月28日カナダのWindfields Solar and Renewable Energy社は、中国のWuhan Liren社と共同で実証プラントの建設運営を行う計画だと発表した。Wuhan Liren社はさらにバイオマス発電システムを建設し支援するオンタリオ製造プラントにも投資する計画だ。これはオンタリオ州のDalton McGuinty州知事とその使節団は上海を訪問中で、この建設契約は同知事が署名を行っています。つまりオンタリオ州は環境技術を中国に売り込み、また中国からの投資も同州に呼び込もうという計画で、そこでタイトルの双方向投資というタイトルがなるほどという意味を持ってきます。

そしてプレスリリースは「太陽光や風力といった従来の再生可能エネルギ源と違いこの発電施設は、殆ど排気を行わない農業や森林廃棄物を利用するものとなろう。この新しいバイオマス発電施設はこの種のものとして北米初の施設となるだろう。」という説明が続きます。

こういう金融恐慌で世界経済が疑心暗鬼ですることなすこと萎縮しそうな時に、環境問題で世界から叩かれている、でもまだ伸びシロのありそうな中国に自国の技術を売り込みながら、自国に投資させていくカナダ、恐るべし。

1、オンタリオと中国の二カ国貿易は2003ねんから2007年にかけ2倍超に躍進し、2007年には210億ドル超に達した
2、中国は2006年から2010年にかけ、1750億ドルを環境保護に投資する。
3、現在オンタリオに環境技術企業が2600社ある

と数字が列挙され、環境ビジネスの未来、カナダの強みを示しています。
カナダは資源がある。オーストラリアも資源があるけどカナダに比べ市場から遠い。
うーん、よいかも。
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by fukimison | 2008-10-28 13:12  

米、ハリケーン被害額

昨日は友人たちと、地元のまちあるきをしました。好天に恵まれ、おしゃべりとしながらの散歩は気分転換になり、なかなか楽しいものでした。

夜は夜で友人たちと業界のお話に興じ、良い1日でした。
そして今日のニュースですが、相変わらず各紙はサブプライムに端を発した金融・経済不況一色です。読者は明るい話題、楽しいニュースを求めているはずなのにでてきません。

そんなわけで今日も暗めのニュースです。

10月21日付けのBBCにアメリカ南部を襲ったハリケーン・グスタフとアイクの被害についての記事がありました。

この2つのハリケーンは9月にカリブ海諸国と米国を襲い、大きな被害を与えています。そしてこのハリケーンによる被害を英保険企業のロイズ社のアナリストが、保険業界にとり200億から250億ドルに相当すると見積もったこそうです。

正確な数字はまだわからないとしていますが、ハリケーン2つで200億超の被害、
このハリケーンはルイジアナのニューオリンズに壊滅的な被害をもたらした、あのカトリーナに比べれば被害は少ないといわれていました。それでもこの数字です。ロイスは最初の予想よりも被害額は大きいが、といって企業の屋台骨が折れるような数字ではないとしています。しかし9月のロイズ社は2007年の1-6月期の18億ポンドに比べ、2008年の1-6月期は9億4900万ポンドに減益したとの報告を行っています。減益の理由は投資収益の減少と損害支払い費用の上昇によるとしてます。

自然災害による被害は大きくなっているのでしょうか?
子供の頃や教科書でならった台風による堤防決壊、家屋浸水、橋が流されたなどは数は、土木技術の向上により少なくなったものの、逆に一度起きるとその被害は大きくなったような気がします。

温暖化による台風の大型化を原因とする被害の拡大もあると思いますが、インフラが整備されたお陰で普通の台風程度ではそんなに大きな被害は起きない、でも一度そのインフラが利用できなくなると、そのインフラが無いときに比べ数倍の被害を及ぼす。たとえば先日首都高池袋選で起きた火災による通行不能による渋滞、地震による上越・信越・東北新幹線の不通などです。

被害額はインフラの整備に正比例して高くなっていく、そんな気がします。
じゃあ、どうするかといえばどうしようもないのですが、文明化は人が信じているほどの明るさを人にはもたらさないのかもしれないと思わせた記事でした。
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by fukimison | 2008-10-22 11:30 | つれづれ  

ガザ地区のトンネル産業

本当はインフラや景観、特に都市景観に関係する事柄を紹介する目的で始めたブログなのに、リーマンショック以降なかなかこういったプロジェクトに関する記事が出てきません。プロジェクトを進めるのにはどうしても資金が要るため、建設業界の外側の状態を紹介するのは必要なんですけど、それが行き過ぎた記事選びになっていると、ちょっと反省です。でも面白い記事が出てきません。

そうした中、10月16日付けのBBCにGaza tunnels 'become an industry' という記事が紹介されていまいた。イスラエルとパレスチナの対立は、最初は何で始まったのか、どういう経過でこういうことになっているのか、忘れてしまうほど、または日本人にとっては理解し出来ないほど込み入っていています。一般的な意識は、イスラエルとパレスチナは対立している。イスラエルはパレスチナのガザ地区を封鎖している。これに対抗してパレスチナ人は自爆テロを仕掛けるなどして、対立抗争はどんどんエスカレートしているといったところでしょうか?

イスラエルの封鎖によりガザ地区は、恒久的はインフラ整備は進まず(空爆もあったりして破壊されることはあっても、新規に建設されることはまずない)そのため汚水処理施設というより、溜池で凌いでいる状態。日本ではあまり報道されませんでしたが、2007年春にはガザ地区北部で汚水貯水池が決壊し、村が洪水になり死者や負傷者がでている始末です。(BBC2007年3月27日

さておさらいです。ガザ地区の面積は360平方km、ここに150万人が居住。地中海に面し、西をエジプト、それ以外をイスラエルに囲まれている。

そこで本日の記事ですが、国連の報告書によるとガザ地区とエジプトを結ぶトンネルが同地に住むパレスチナ人のライフラインになっており、食糧や燃料をはじめとして多数の製品がトンネルによって運び込まれ、このトンネル産業に何千人もの人がかかわるようになってきているとあります。

イスラエルはエジプトの取り締まりが緩いため、食糧や生活物資だけでなく武器までトンネルを介して運ばれていると非難しています。また報道によれば、現在国境沿いに数百のトンネルが存在しているそうです。国連報告書は「事業者の能力不足により正規の通行所を介しての商業活動が行えないでいるため、トンネルはパレスチナ人にとりますます重要度を増している」と記しています。しかしエジプト、イスラエル、パレスチナ人の穏健派とイスラム原理主義者、そして第1次中東戦争から因縁を考えると、そう簡単に閉じた国境を緩めるとか、欧米で見られるような通関作業なんてできると思えません。

しかしトンネル事故により約40人が死亡していると続くところを見ると、ちゃんと設計したものではなく、たぶんで手掘りの危険なものだと想像されます。
2008年9月、ガザ地区を支配するパレスチナのハマス(イスラム原理主義者のほう)は、トンネルを介した通商の免許と管理に関する規則を導入したとあることから、正規のものとして利用していくのですね。
正規のものとして利用していくのは良いけれど、やっぱりちゃんと国境を空けるべきだとUN報告書は結んでいます。

土質なんて考えてもいない手掘りトンネルでしょうけど、現実に人の役に立っているというのはインフラの本質ですね。
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by fukimison | 2008-10-20 12:34 | 公共財  

米の不動産不況深刻化

10月16日に続き米国の話題です。でも16日の分が大型公共工事だったのに比べ、暗い話題です。もっともこの先行き不安定な時期に、大型公共工事の話がでてくるのが不思議です。

10月16日付けのIHTはU.S. home prices seem far from the bottomという記事を出し、米国の不動産はまだまだ先が見えないと伝えています。

カリフォルニア、フロリダ、アリゾナの各州が最も大きな影響を受けた州で、売りに出た家屋は多数あれど買い手は帆ドン度以内という状況。ウォートンスクールの助教授(不動産)は「所得が落ちるとき、家屋の需要も減る」とコメントしています。(うーん、このぐらいのコメントなら助教授でなくてもできるなぁ)

政府が金融機関へてこ入れを行う一方住宅ローンの利率は上昇し、10月15日30年の平均固定金利ローンは、それまで6.06%であったものが6.75%になっています。

これに関してはNational Monthly Average Mortgage Rates をみると1983年から2008年までの平均値の変化がみられておもしろいですし、2008年だけをみても30年ものが1月に6.25%であったのが9月に6.65%となっています。えーと1983年1月は固定金利13.40%ですよ。

6月の数字でみると、貸家の10軒に1軒は借り手がみつからないでいますし、失業率も2007年末に4.4%であったものが6.1%に上昇しています。それでもまだ、住宅価格は高留り状態にあると記事は続いています。

その例としてマイアミが挙げられていますが、ムーディースの分析によれば、同地の住宅価格は年間賃料の約22倍です。過去20年間の平均値は年間賃料の15倍であり、この数字の違いは現在50万ドルの値がついている住宅の本当の価値は、長期間的な値段と賃料の関係を元に考えれば、34万1000ドル程度であろうということを意味しています。つまり買うのと借りるのとどちらが得かを考えるときの指針は、借りたほうが得とでます。

ラスベガスの世帯向け家屋の価格は、2006年のピーク時に比べ既に34%、サンディエゴは2005年後半から31%下落しています。

失業率は上がる、住宅価格の下落はさらにつのる米国に対し、他の国はどうかと見てみました。

英国の政府統計局(ONS)は15日、9月の失業率は前月に比べ0.1ポイント上昇し、2.9%となり、8ヶ月連続して増加したと発表しています。9月の失業者数は前月から3万1,800人増えて93万9,900人。2007年1月以来の高い水準を示しています。

どこも大変、どこまで続く泥濘ぞ、です。
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by fukimison | 2008-10-17 12:23 | 不動産  

米カリフォルニアの新幹線計画

このところアメリカ発の金融危機で暗いニュースばかりでした。
今日のニュースもアメリカ、それもサブプライム問題の源泉的なカリフォルニアのお話です。

10月15日付けのL.A.TimesにBackers push bullet-train measure as a dramatic change in California transportationという記事と輸送中の新幹線新型の写真がでました。

あの車社会のカリフォルニア州で新幹線計画ですか?というのが最初の疑問だと思いますが、加州での新幹線計画は四半世紀前から浮上しては消えということを繰り返してきました。また意外に思われるでしょうが、サンフランシスコでは地下鉄も走っています。

今回のL.A.Timesの記事は、総延長800マイルの新幹線網建設計画の手付金として100億ドル近い債券発行に関する1A提案が11月4日に投票されるというものです。
今日も世界的に株価がさがっているし、サブプライム発祥の地のカリフォルニアにそんな余力あるの?というのが素朴な感想です。

この1A提案は総工費450億ドルのプロジェクトで、時速220マイルの新幹線型列車を運行しようというもので、1869年の大陸横断鉄道完成以降最も野心的な公共工事といわれるものです。

たしかに原油価格は高騰し、空港や高速道路は常に混雑していることから、その面だけなら良いタイミングのように感じますが、加州は恒常的に赤字に悩んでいますし、ウォール街はそれどころじゃないし、プロジェクト実施を問うには最悪のタイミングでしょう。といいながらも既にカリフォルニア高速鉄道公社(1996年設立)は、6000万ドルもこの計画につぎ込んでいますし、過去の経緯から、今回成立しなければ次は無いと思い定めているようです。

でも99億5000万ドルの債券を発行し30年かけて償還していく年間コストは6億4700万ドルに達します。そしてこれで得られた資金は、サンフランシスコのベイエリアとロサンゼルスとオレンジ郡を接続する高速鉄道計画第1期(330億ドル)に充てられます。

カリフォルニア高速鉄道公社のサイトをみると、高速鉄道は交通の改善だけでなく、2030年までにベイエリア全体で48000の新規雇用を生み、工事期間中に10万の雇用を生み出すとしています。さらに高速鉄道がもたらす交通網改善を高速道路や空港の改善で行おうとすると、鉄道工事費用の倍は必要になるとしています。現在の交通渋滞はベイエリアの全運転者にとり、毎日15万時間のロスタイムとなり、これを経済費用に換算すれば年間26億ドルに相当するとしています。

高速鉄道建設、個人的には賛成です。第1期のサンフランシスコ・ベイエリアからロサンゼルスのユニオン駅はともかく、最終的に州都のサクラメントからサンディエゴまでをつなげるこの計画、相当な多難が想像されます。

もし上手く行けば、工事は2011年に始まり、2020年に運行開始となります。予定ではサンフランシスコとロサンゼルスのユニオン駅を2時間半弱で結び、運賃は55ドルが見込まれています。本当にこの時間でこの料金なら、建設したものの閑古鳥が鳴くということはないでしょう。でもアムトラックは建設以来一度も黒字になったことがないことから、この路線で利益がでる、黒字になるのは別問題のような気がします。
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by fukimison | 2008-10-16 14:08 | プロジェクト  

アイスランドと英国 その後

10月10日にアイスランドが銀行を国営化したことで、これらの銀行にある英国の個人顧客と地方自治体の預金が消えるかもしれないというニュースをお伝えしました。自国民の預金保護を行っても、他国の人のお金の心配までできないというのは、自分の身に起きたら憤慨するでしょうけど、他人事として聞いているぶんには「ソーダロー」と言ってしまいます。

インフラ関連のニュースとは少し毛色が違いますが、BBCやガーディアン紙に記載された後日談をお伝えします。

まず10月15日付けのガーディアン紙のCouncils and ministers to discuss fallout from banking crisisを読むと、アイスランドの財政難に陥った銀行に預金していたイングランドとウェールズの自治体は116にのぼり、総預金額は8億5880万ポンドであることが判明したとあります。最大100の自治体で10億ポンドという予想より、自治体数は多かったものの、預金総額は少し少なかったようです。

凍結された預金について英財務省は預金の早期返還について、アイスランド政府と協議を行っているとしていますが、地方自治体協議会(LGA・イングランドおよびウェールズの全地方自治体の意見を代表、統一するための組織)はこのアイスランド金融危機の影響をうけた地方自治体で差し迫った流動資金問題に直面する自治体は無い主張しているものの、とりあえず英政府は危機に陥った自治体を支援する緊急支援ユニットを立ち上げています。コミュニティー自治大臣は預金者の資金を取り戻すことが政府の第1の課題であり、その一方、緊急支援ユニットがトラブルに陥った自治体の支援を行なうと発表しているところをみると、大丈夫だといいながら、それほど地方自治体は大丈夫ではないような感じです。

そして10月15日付けのBBCはUniversity's £11m held in Iceland という記事で、アイスランドの銀行国有化のため、ケンブリッジ大学は1100万ポンドが凍結されたと伝えています。それよりも1100万ポンドはケンブリッジ大学の投資総額の約3%でしかなく、たいした額ではないと続いており、つい投資総額を計算してしまいました。ちょっとした国家予算なみですね。10月14日付けのBBCでは、12の主要大学が総額7700万ポンドをアイスランドの銀行で運用していたとあります。

10月10日に30万の英国人がアイスランドの銀行で資金運用をおこなっていたとお伝えしましたが、その資金総額は40億ポンドで、地方地自体、大学、慈善団体などの機関が運用していた資金を合わせると56億ポンドといったところのようです。

どんどん凄い数字になってきます。

しかし面白いのはイノベーション・大学・職業技能省が「この数字は年間収益180億ポンドというコンテクストの中で見るべきだといっていることです。

これもまた凄い数字です。
こんな数字をみると、日本でもアイスランドで資金運用している人いそうな気がします。

でも国民の預金保護にしろ地自体の緊急支援にしろ、最終的に「7月、格付け機関はこれらの銀行の格下げを行い、同時期に英政府諸大臣はアイスランドの銀行の破綻の可能性と預金者の資金への脅威について警告を発している」という一節に尽きるのでしょうね。

アイスランド中央銀行のサイトをみたら政策金利12%とあったのですが、あれはどういう意味でしょうか?
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by fukimison | 2008-10-15 21:52 | 公共財  

ユーロトンネル火災のその後

英国とヨーロッパ大陸(フランス)の間にある英仏海峡、ドーバー海峡と言ったほうが分りやすいですが、その海底にロンドン・パリ・ブリュッセル間を結ぶ高速列車のユーロスターが走るユーロトンネルまたはドーバー海峡トンネルといわれるトンネルがあります。この海底トンネルはトンネルボーリングマシン(いわゆるTBM)により掘り進められたトンネルで、その工事についてはプロジェクトXで紹介されています。

このユーロトンネルですが、工事としては非常に面白いのですが運営は問題を多く抱え、1994年の開通後2006年に1兆5000億円の負債を抱えトンネル運営会社のユーロトンネル社は破綻しています。その後債務の減債が行われ、新会社のグループ・ユーロトンネルへ株式交換がなされました。

このトラブル続きのトンネルは開通後の94年にもトンネル火災を起していますが、またしても今年(2008年)9月11日にトンネル内のフランス側から11kmの地点で通行中のトラック輸送用列車から出火し、14人が軽傷を負う事故が発生しました。このため30時間にわたりトンネルは完全に閉鎖され、その後も一ヶ月にわたり間引き運転を強いられ、9月29日になってやっとほぼ平常運行になったというほどの損害を与えました。

さて今日のニュースですが、簡単に言えば、今回の火災は思った以上の損害をユーロトンネル社に与えたということなのですが、海底トンネルのライニング(裏層)が熱で損傷を受け、運休と回復工事などその損害は2200万ユーロにのぼり、ユーロトンネル社の2008年第三四半期の収益は2007年同時期に比べ6%落ち込んだというものです。(9月8日付けテレグラフ紙

ユーロトンネル社会長は、同社の保険は計9億ユーロにのぼる火災によるほぼ全ての物的損害をカバーするものだと強調しています。それでも同社は保険対象外の費用1000万ユーロを払う必要があります。(10月9日付けFT紙)

同社は乗客率も貨物輸送も上向きだとしていますが、数字をみると貨物輸送はそれほどでもなく、どちらかと言えば落ち込んでいるようで、これが収益の伸び悩みに繋がっているようです。

ユーロトンネル社会長は現在の金融危機の影響は少なく、2008年1-9月の総収益は5%上昇し5億7500万ユーロであったと主張していますが、同社の株価は31セント下落し、6.28ユーロです。

大型インフラ事業は工期が長く、予想外の経済変化に対応できないことが多々あります。その例が青函トンネルであり、アクアラインであり、本四架橋(本四架橋は1本でよかったというのもあります)です。そういうことからすると、欧州とアフリカ大陸を結ぼうというジブラルタル海峡トンネルなんていうのは、海流が強いし、距離は長いし、夢物語で触らない方が良いプロジェクトの1つでしょうし、あとはイタリアの本土とシチリア島を結ぶメッシーナ海峡大橋もイタリアの首相が変わるたびに復活したり取りやめになったりしていますが、ちょっと触らない方が良いプロジェクトのように思えます。
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by fukimison | 2008-10-14 12:00  

英地方自治体、金融危機に直面

今回のサブプライムショックですが、日本では昨晩不動産投信が倒産していますし、各国の不動産や建設業に大きな影響を及ぼしていることについて何回かお伝えしてきました。

不動産・建設関連だけでなくアイスランドは銀行を国営化すると発表していますし、その影響は昨年9月にサブプライムショックが始まったとき言われていたことよりも、想像以上に大きいというのが、だんだんに分ってきたように感じます。

そして10月9日付けの英Guardian紙はCouncils 'could lose £1bn' after bank collapseという見出しを掲げ、アイスランドの銀行が倒産したことで、英地方自治体は総額10億ポンド超の資金を失う恐れがあると伝えています。

BBCによれば、計80の自治体や警察署が総額7億ポンド超の資金を失う恐れがあることが判明しています。

つまり英地方自治体などでアイスランドの銀行に歳入の一部を預けており、それが銀行凍結により引き出し不能に陥る可能性があるということです。BBCの10月8日付けの報道でも、アイスランド政府はランズバンキを管理下においたことと、インターネットバンクは英国に約30万人の顧客があり、その人々の口座も凍結されたと伝えています。

地方自治体が資金を引き出せなくなるということは、自治体職員の給与、各種サービスや施設の維持管理に支障がでるということです。地方自治体は英政府に「ナントカシロー」と言い、ブラウン首相やダーリング蔵相も「コマッタモンダー」と言っていますが、なんとなく早急に打開策がうてるかどうか、文章のトーンからすると微妙です。

なぜ英国がアイスランドの銀行を利用するのかしらと思い、wikiでアイスランドを調べてみました。人口約30万ということは、英国人でアイスランドの銀行に口座を持っている人と同じじゃありませんか!さらにクレジットカードやインターネットバンキングなどによるキャッシュレス決済が進み、現金決済が著しく少ない(GDP比1%以下)ことで有名。金融部門の伸びが著しく、金融、不動産がGDPにしめる割合は、26%に達していると続きます。

いぜん環境系のことで調べたとき、EU資金による水素エネルギーバスの運行実験が始まり、水素エネルギーによって欧州のクェートを目指すとしていました。環境と漁業の国と思っていたのが、いつの間にか金融立国に変身していたのですね。

サブプライムの影響の大きさに驚くと共に、日本の地方自治体や公共機関は大丈夫なのか、とても不安になります。
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by fukimison | 2008-10-10 10:16 | 公共財