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LEED 2009 改定へ

本日は久しぶりに環境系、グリーンビルの話題です。

環境に配慮した持続可能なグリーンビルといっても、その評価方法を巡り各国がしのぎを削っています。英国はBREEM、日本はCASBEE、そして米国はU.S. Green Building Council(米国グリーンビル協議会)がLEEDという評価システムを導入しています。
このUSGBCに関してはNEDOがレポートを出しています。

これは建物のみならず、飲料水の使用量の削減、代替エネルギーの導入、建築材料の有効利用、室内環境の品質改善、といった観点からの評価も数値化しての評価システムです。その評価システムが改定に向け最終段階に至ったというニュースが米国の建築専門誌であるENRや環境ニュース配信のENNで流されました。

どちらにも「9月2日まで改定内容に対するパブリックコメントが行われ、その期間中に1万8000人の会員中約7,000の意見が送付された」というコメントがあり、関心の高さが示されています。

USGBCによるLEED2009の解説はこちらで読めます。
それによれば、既存のLEEDの焼き直しでなく、どちらかえといえば幾つかの重要な進歩を伴ったLEED評価システムの再構築だとしており、LEED2009はLEED必要条件/クレジットアラインメントおよび調和、予測可能な開発サイクル、透明性のある環境/人的影響へのクレジット加重、地域化を綜合したものと記しています。

ENRやENNは、「LEED2009において最も興味深いことは、最優先課題として気候変動と省エネを反映させるため、LEED間のポイント割当を変更したことだ。これは評価システムの中で最も重要な変更の1つであり、エネルギーの自給、気候変動の緩和、他の世界的な優先課題にたいし直接的であり、重要な解決に寄与する1つの方法として、グリーンビルの重要性を増すものとなろう、これに加え地域クレジットがプロジェクトの特別な環境ゾーンに適用される計画だ」としています。

各項目の配点を再検討し、これを気候変動の緩和、省エネ、ライフサイクルコストといった観点から配点しなおしたということですね。

過去でなく今後を見据える、建設物は建設された後が重要、との視点を大きく打ち出したといえましょう。
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by fukimison | 2008-11-28 12:08 | グリーンビル  

Global Corruption Report 2008

表現はきついですが、どの業界にも不正はあります。とくに開発援助、ODAというと、賄賂、キックバック、不正受給などいろいろな言葉で浮かびます。そういったことで支援における公正性を看視するTransparency Internationalという組織があります。この組織が2008年版世界不正報告書(Global Corruption Report 2008)を発表しました。3部立てになった報告書ですが、その第1部が水に係る不正・腐敗を扱っています。よくまあ、これだけの角度から調べ、書けるものだと感心する報告書です。

もう20年ぐらいまえでしょうか、世銀副総裁が「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と予言され、衝撃を受けたことがありますが、2008年になり地球温暖化により、その予言が現実のものとなりつつあるようです。

そしてダムによる河川の影響を懸念する世界的な組織であるInternational Rivers Networkも、この報告書を初めての水部門における不正報告書として大きく取り上げています。IRNによれば「多くの貧困国で気候変動による水不足への懸念が高まり、さらに水産業の汚職の対価は、世界中で年に10-30%の割合で水に係る費用を押し上げている。早期に改革が必要であり不正の撤廃が行われなければ、人的にも資源としても高コスト化、重要なエコシステムの破壊、資源を巡る対立や社会的な緊張をさらに増加させるものとなろう」と警鐘を鳴らしています。

ダム建設による住民・生態系への影響を考えるところから始まったIRNですから、大型ダムプロジェクトにおける腐敗報告を大きくとりあげており、「水力発電部門の大型投資額(今後10年間に年間500億から600億ドルと見積もられる)非常に複雑でカスタマイズされた土木プロジェクトは設計、入札、大型ダムプロジェクト実施における腐敗の温床となっているとばっさり切って捨てています。
直接ダム建設にまつわる費用だけでなく、ダム湖により移住を余儀なくされる人々の再定住費用基金や補償費に関しても不正が見られるとしています。

地球環境問題に取り組むWorldwatch Instituteもこの報告書をとりあげ、「人口が増えるにつれ水資源は乏しくなることから、汚職の機会は増え、有害な作用はより激しいものとなる」と記しています。

先進国は衛生面において安心な水が提供されているのに、さらにお金を出して水を買う時代。低開発国では遠い井戸から不衛生な水を汲んできて、それを大切に使う。

土木はもっと輝いてよいはずなのに、インフラ批判を読むとどうも暗くなりますね。
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by fukimison | 2008-11-26 16:02  

Hollywood Heritage

日本に比べ、歴史的建造物の保存が盛んな欧米ですが、こういう事もあるあるという話題です。

カリフォルニア州ハリウッド、映画の町としておなじみですし、米国で一番晴天日が多いという理由で撮影所がここに建設された。ということは暖かい、戦前のお金持ちはこのあたりに避寒用のマンション(日本風に言えば豪邸)を建てています。

そういったハリウッドで歴史的建造物の保存活動を行ってきたのがHollywood Heritageで、同財団のサイトによれば、25年以上に渡ってハリウッドの歴史的建造物保存を積極的に行なってきた団体ということです。

その財団が管理するWattles Mansionから立ち退きを命じられたという記事がL.A.Timesにでました。

このWattles Mansionというのは約100年前の1907年に建築家のMyron Huntと Elmer Greyが、オマハの銀行家であるGurdon Wattlesしの避寒用邸宅として設計したもので、地中海スタイルの2階建ての豪邸でありロサンゼルス市の歴史的・文化的ランドマークになっているそうです。

この豪邸は1968年にロサンゼルス市が約200万ドルで購入し、同財団と市のリクリエーション・公園局とが協定を結び、それ以降25年に渡り同財団が管理してきました。

それが同財団は市の規則を無視し、この邸宅を行儀の悪い人々に貸し出したとして退去命令を受けたのです。公園局の担当官は、同財団は101年の歴史をもつ建造物の適切な維持管理を怠ったと述べています。さらに同財団は同邸宅で行われた結婚式、撮影、その他特別なイベントに関連する財務記録の提出を怠ったことでも責任を問われています。

Wattles Mansionでネットサーチを行うと、2007年エミー賞の会場としてこの邸宅の名前が出てきたりするので、盛んに利用されていたのだろうと思います。

付近住民のコメントとして、道路に違法駐車はするし、パーティーがある晩は、夜遅くまで騒音が絶えないし、市が財団に退去命令を出したのは当然だとありました。

一方財団は、市の主張するようなことは行っていなし、財団が管理するようになってから市に代わり、邸宅の維持管理に250万ドルも注ぎ込んでいるし、これを評価せず30日で立ち退けという通知を送りつけるとはとご立腹です。

記事を読んでいると80年代は問題がなかった付近住民がコメントしていることから、だんだんにコアメンバーの入れ替えがおこり、財団の性質がかわっていったのかなぁ?

組織を作るのは人だし、人が変われば、組織も変わるということですかね。
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by fukimison | 2008-11-21 18:15 | つれづれ  

知らないこと

世界のインフラプロジェクトや景観にまつわることなどをお知らせしているのですが、このご時世で大型プロジェクトの記事はトンと姿を消し、もともと景観にかかわる記事は少ない。

そんな前フリで始める今日の話題は11月6日付けIHTのU.S. real estate market woos foreignersです。

本日(11月20日)の各紙朝刊一面に「10月の米住宅着工軒数、過去最低」という記事を出しています。
買う人がいないのだから、着工は減る、当然のことです。
もっと景気の良くなると期待して着工し、買い手を求めている高級物件開発業者は悲惨でしょう。そこでお金をもっていそうな(でも原油価格下落で落ち目であってもまだ元気な)ロシア人や(世界各地の工場建設や造船で潤っていた)韓国人実業家をターゲットにすることになります。

それは目新しい話ではなく、いまさらお知らせしなくてもなのですが、この記事を読んでいて知らなかったことがいくつかあり、それをお知らせするのがメインです。

1、サザビー・アトランタ支社不動産部門の方のコメント「アトランタのような国際ハブ都市で、現在不動産売買の10から30%は外国人顧客が占めている」

3割が外国人の所有物になる、その数字に驚きます。
米国の3割が外国人所有物というのと違い、広大な米国のごく一部のアトランタだから良いけれどとつい最近よんだ産経新聞の記事「対馬が危ない、韓国 不動産を相次ぎ買収」を思い出し複雑です。

2、ワルシャワを本拠とし、不動産情報を13言語で提供することに特化しているImmobel社は昨年このサービスを利用する米エージェントの数が30%急増した。

そんなサイトがあるのとおもって試してみたところ、13言語というから英・独・仏・伊は当然としても、その他のセレクションが凄い、ベトナム、ポルトガル(ブラジルのこと)、中国語(本土と台湾両方)ポーランド、ロシア、韓国、そして日本

現在不動産情報を提供しているエージェントの国が米・仏・ポーランドしかないため、その地域の不動産情報(売買と賃貸両方)しか手に入らないのがつまらない。
逆に言えば、日本の不動産企業で外国人市場を視野に入れているところはここにお願いするというのはありえますね。

もっとレアな情報が載るようになって、自国語でベトナムのリゾート用家屋を買える(または借りる)となればおもしろいかも。

これは将来、飛行機の手配や通関・引越し・現地でのコンセルジュサービスなどが付けられて、ひろがりのあるビジネスになるかもしれませんね。

おもしろい

3、全米不動産教会が2008年年初に発表した数字によれば、2007年に米国物件を購入した海外バイヤーは18%から13.3%に下落した。

米市場の下降は昨年(2007年)から始まっていたのか!知らなかった。

4、為替差損、対ユーロで米ドルは2008年7月に1.60付けていたのが、現在は1.29、英ポンドに対しては2007年11月の2.10から1.59ドルとなり、「強いドル」がさらに市場を冷え込ませている。この六ヶ月にニューヨーク市内の物件購入を目指す海外バイヤー数は半減したという。
といいながらもマンハッタン西部で開発中の物件の第1次売り出しは、74%が韓国、UAE、イタリアといった海外バイヤーだったといいます。


この記事の中で面白かったのはImmobel社の広報担当者が「人々はどんどん国境に捕らわれずに物件購入を行っていくし、米国不動産を買うのは、安いという理由ではなく、お金を入れておくのに安全な場所と考えているからだ」とコメントしていることです。

そういうことからすると、日本も言えるかもしれない。

インフラでも景観でもない記事でしたが、個人的には面白かったので紹介です。
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by fukimison | 2008-11-20 11:05 | つれづれ  

英重大詐欺局、英企業海外支店の不正行為摘発へ

本日はインフラでも都市景観でもないニュースを取り上げ、いろいろと考えてみることにしました。このニュースは英建設専門誌のENRに載ったSerious Fraud Office to combat corruption overseasを元に、Ethical Corporation の特集記事などを読んでみました。

まず最初に重大詐欺局(Serious Fraud Office:SFO)ですが、この局は日本の検察庁特捜部に相当する部局で、2008年4月に局長となったRichard Alderman氏が精力的に不正摘発をおこなっており、8月にはもう海外での不正摘発を行ったそうです。9月、同氏は国外での不正行為に対し、米国式の司法取引を活用する計画を発表。当初、この方針に懐疑的であった企業も理解を示し、自ら不正摘発、防止に努めるようになってきているとのことです。

またSFOの不正対策チームの捜査官を65人から100人へと、50%を越える増強を行う計画です。人数の増強と司法取引の活用、捜査の手が入るのを待たずに、自ら不正を発見した際に申し出る、これにより罪や罰金の軽減が行われる、さらには再発防止の制度改革、セミナーにトレーニング、これを読みながら英企業の国外支店では、目に余る不正行為が海外で行われているのかしらと。でも英国だけじゃないでしょうとも思います。

当然これらの記事に英国の大手兵器企業のBAEシステムズのことが出てきます。兵器を政情不安な外国に売り込むということは、もう賄賂の二文字が大きく浮かび上がります。2006年に大きな事件となったサウジアラビアのアル・ヤママ取引では400億ポンドの資金が賄賂として送られたという噂もありました。この事件は政治的な配慮により途中終了となりましたが、SFOにとりBAEの捜査は非常に重いものであり、近頃24人のうち13人が海外不正摘発ユニットを組み、兵器製造者の海外事業、特にタンザニア、南アフリカ、チェコ、ルーマニアでの活動を注視しているようです。

全体としてSFOはイラク侵攻以前の16の海外不正事件と3つの石油・食糧交換契約に関し、捜査を行っているとあります。

これは兵器産業だけど、建設でいえばイラクで復興支援を采配しているハリバートン社だって似たようなものでしょう。日本でよく言われるのはODAでダムを建設したけど、貯水池となる土地に住んでいた農民の補償が出ないとか、立派な施設が建設されたものの宝の持ち腐れ的になっているとかあります。社会の成熟による不正に対する嫌悪に加え、今までのような右肩上がりの経済が望めないのは確かなことから、こういう世界にも変化の兆しが現れているように感じます。
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by fukimison | 2008-11-19 11:17 | つれづれ  

加州の高速鉄道計画、ゴーサイン

ちょっと古い話ですが、11月4日の選挙の日はオバマ大統領選出で沸き返りました。このElection Dayは大統領選挙だけでなく、各州でいろいろな住民投票が行われます。その1つに10月6日にお伝えした高速鉄道計画実施に向けた債券発行の是非が加州で問われました。

そしてその結果ですが、11月5日付けのPlanetizenは
CA High Speed Rail Proposition Appears To Win Narrow Approvalと題して、100億ドルの高速鉄道債券は95%の投票区で52.2%が可としたことで勝利を収めた。米選挙民から初めて支持された州債券発行による高速鉄道だと伝えています。(それでも総費用の3分の1しか賄えません)

この事業はカリフォルニア導水路(California Aqueduct:州北部のヨセミテから南部へ水を送る全長800kmの導水路 )よりも大掛かりなカリフォルニア州史上最大の公共工事プロジェクトとなるでしょう。サンフランシスコとロサンゼルス間の本線工事は320億ドルと見られており、またサンディエゴからリバーサイド郡まで延伸し、鉄道網完成にはさらに100億ドルから120億ドルが必要だろうと言われている。州政府はこの費用のうち3分の1を納税者、3分の1を連邦政府、3分の1を民間投資家から得ようと計画している。

この夏のガソリン価格高騰が後押ししたようです。完成の暁にはサンフランシスコのトランスベイ・ターミナルからロサンゼルスのユニオン・ステーション間は2時間半で結ばれ、運賃は片道55ドルと予定されています。

このほかElection Dayに是非が問われたものに、州内の小児病院の建設および拡張計画に10億ドルの債券発行を問う住民投票事項3があり、これも可決したと米建設専門誌のENRは伝えています。

しかし環境関連の2事項は否決されました。

その1つは投票事項7で、これは公共および民間電力企業は2010年までにその20%を、2025年までに50%を再生可能エネルギー源によるものとする、というものです。もう1つは投票事項10で、これはその大部分を代替燃料車両購入の補助金として配布するため、州に50億ドルの借入を求めるものでした。

この事項は加州全体で得票を得られず、特に事項7は1つの郡を除き、全ての郡で否決され、また事項10も州全体で否決されたということです。

環境に熱心なカリフォルニア州民ですが、本当のところは建設会社のPR活動の勝利、また電力各社のネガティブキャンペーンの勝利と、つい日本人は想像してしまいます。
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by fukimison | 2008-11-18 22:17 | プロジェクト  

杭州の地下鉄工事で死亡事故

週末は建設関係ニュースのザッピングをお休みするものですから、月曜日はいろいろなニュースのキャッチアップとなります。その中で目を引いたのが11月15日に杭州(浙江省の省都)で発生した建設中の地下鉄用トンネルの崩落事故です。当初1名と報道されていた死者が16日に3名になり、以前17名が行方不明との報道がChina Postに出ました。(Death toll in China subway collapse rises to 3, with 17 missing in flooded tunnel

中国に関する最近のニュースは金融収縮やG20がらみが大部分を占め、こういった工事事故はあまり報道されることがないことから、今回取り上げることにしました。

China Post や中国日報(Subway tunnel collapse leaves 3 dead, 17 missing)の報道を総合すると、杭州で地下鉄工事が進んでいた。それが15日(土曜日)の午後3時20分に75mにわたりトンネル崩落を起し、そのためトンネルの上を走る道路が陥没した。このため走行中だった車両11台が崩落に巻き込まれ、少なくとも作業員3名が死亡し17名が行方不明になっているというもので、中国日報の記事にある事故現場の写真をみると、水が出ていることから救出および復旧工事はなかなk大変そうです。

新華社によれば、救助隊員はクレーターに落ちた車両を引き上げ、これに乗車していた運転手や乗客は全員無事だったとあることから、問題は作業員のようです。

関係機関はさらなる陥没の可能性を否定していません。また専門家の助言により陥没事故現場近くの家屋3軒に避難命令がだされました。この3軒は復旧作業用の建機搬入や作業のため、取り壊されると報道されています。同州の知事は工事の一時停止を命じています。

この地下鉄は杭州の南東部にChina Railway Construction Group Co. Ltdが建設中のもので、崩落事故のすぐあと現場近くを流れる川の水がトンネルに流入し、16日の午前9時までにその水量は、高さ6mのトンネルうち3mにまで及んだことが事故を大きくしたのでしょう。

この事故のニュースですが、日本の報道と微妙に違います。
たとえばFNNのニュースでは大量の地下水により道路は冠水とあります。

中国日報はWater from a nearby river flowed into the tunnel となっているし、水がでたことは事実でも、その原因はどちらが正しいのかしら?

このあたりが中国っぽいというか、大事故にありがちな情報錯綜と感じます。
それにしてもインフラ工事、特に地下鉄工事は地上に鉄道を敷設するよりも、いろいろな要素が入ってきて難しく、私はその国の国力を示すものでもあると思いますが、地方都市の工事とかまあいろいろあるんだろうなぁと想像いたします。
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by fukimison | 2008-11-17 11:34 | プロジェクト  

米加州、フリーウェイの掲示板に広告表示?

日本人では考えられないことを思いつくアメリカ人ですが、California considers selling ads on signs used for Amber AlertsというL.A.Timesの記事にはちょっとびっくり。

要約すると、カリフォルニア州のシュワルツネッガー知事は、交通情報や事件の速報を伝えるフリーウェイの電光表示板に広告を掲載することを検討中というものです。カリフォルニア州は車中の携帯電話使用を禁止しているのですが、わき見運転の元になる広告はよいのでしょうか?

フリーウェイの張り巡らされたカリフォルニア州です。フリーウェイの維持管理費用は馬鹿にならず、資金は喉から手が出るほどに欲しい。そこで考え出されたプランで、州内にある674の道路脇にある電光掲示板で掲示がでていないものを利用して、維持管理費用の一助にしようというものです。

交通安全のある識者は、道路脇の広告板ですら問題なのに、電光掲示板に広告をだすことでさらに運転者のわき見を助長すると批判的です。

フリーウェイの標識を別の目的で使うには、連邦政府の免責が必要なことから、加州はすでにピータース運輸長官にこのアイディアを売り込んでいます。
すでにClear Channel Outdoorという広告会社がロビー活動を始めているそうです。

カリフォルニア州交通局の消息筋もこのプランを実行することで、今は電球が切れて文字が読めないような状態の掲示板が、民間部門の参加により最新式のものに変わることで、交通情報も迅速に読みやすい形で提示できるだろうと、一挙両得のコメントを出しています。

提案書によれば、電光掲示板の利用は入札で行われ、古い緊急表紙基盤は最新のLEDやビデオスクリーンに入札者によって改善されるとあります。

これが実施されれば、カリフォルニア州は米国初の広告を行う電光掲示板を認める州となります。

また11月8日付けのPress-Enterpriseによれば、この広告が出されることになる道路脇のアンバー警報用電光掲示板(アンバー警報:児童誘拐事件及び行方不明事件が発生した際、テレビやラジオなどの公衆メディアを通じて発令される緊急事態宣言(警報)の一種)の実現に努力した加州選出上院議員のGeorge Runnerは、これによる歳入は道路の補修、アンバー警報の改善、実際の容疑車両の写真が映し出せるような最新技術を利用した道路掲示板への差し替えに利用されると述べ、賛意を示しているとあります。

電光板を使った広告は企業のロゴやスローガンに限られ、動画は含まれないとあります。

連邦道路庁の報道官は「カリフォルニア州に掲示板で広告を行う新しい利用法が認められれば、これは他の州にも広がるだろう。この件に関しては識者による検討が行われ、来年(2009年)末までに結論が道路庁に提出されるだろう」と述べています。

うーん、なんだか凄いわ。
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by fukimison | 2008-11-13 16:49  

2008年高層建築物賞

ランドスケープ、いわゆる景観を扱うブログであれば、The Council on Tall Buildings and Urban Habitat(シカゴを本拠とし、超高層建造物と持続可能な都市環境について複合的な情報を提供することを目的とした協議会:国際超高層建築物協議会:CTBUH )が発表した2008年Best Tall Building Awards (高層建築物賞)をお知らせしないわけに行きません。

CTBUHについては同協議会のサイトをご覧いただくのが良いと思います。そして今年の賞ですが、こちらにあります。

アメリカ、ヨーロッパ、中東・アフリカ、そしてアジア・オーストラリアの4地域で極めて優れた高層建築物を選び表彰するものです。そして栄えある2008年の最高賞を獲得したのは、
アメリカ・ニューヨークタイムズビル(ニューヨーク)
欧州・51 Lime Streetビル(ロンドン)
中東・アフリカはバーレーンWorld Trade Center
アジア・オーストラリアが上海World Financial Center

英国の建築専門誌NCEによれば「この賞は持続可能な設計思想、建築的フォーム、構造、ビルディングシステムとビル居住者の声明や安全のシームレスな統合を対象とし贈られるものだ」とあります。

またCTBUH選考委員会のTim Johnson議長は「受賞したビルは、永続的に都市生活の質を守るため、多岐にわたる持続可能な品質を提示することが求められる。これらの賞賛すべき建造物はそれぞれその建造物の実現に、非常に高い優秀性や品質を具現化している。これらは技術革新と創造性のモデルであり、これらの建設と維持管理に環境的義務の要素を組み込むことを前提としている。これらの建築物はそれぞれの都市景観において重要な資産となっている」と絶賛しています。

日本人としては森ビルが建設した上海のWorld Financial Center、中国名上海環球金融中心 が気になります。1997年に着工したものの、アジアの金融不況で1998年に建設を一時中断、そして2003年になって建設再開という紆余曲折のビルです。地上101階、高さ492メートルあり、国際的な金融センター機能は言うに及ばす、展望台、商業施設、パークハイアット上海、が入居し、森ビル的にいえば「垂直の複合都市」です。

Shanghai World Financial Centerのサイトを見たのですが、持続可能性や環境に配慮した建設および維持管理について探し出せませんでした。環境負荷における建築物の割合は25%といわれていることから、太陽光発電、換気による空調、LED、自然素材による内装、現地での資材調達は重要です。でも101階もあると何してもあまり役に立ちそうも無い気がしてきます。
何もしないよりはましといったところでしょうか?といったら失礼かな。
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by fukimison | 2008-11-12 10:43 | つれづれ  

インド、 今後5年間でインフラ投資に5000億ドル必要

11月5日にドバイの商用不動産についてお伝えした記事で、JBICがインドのデリー・ムンバイ間の工業地帯開発プロジェクトへ投資を行う覚書に調印したというニュースを少しお伝えしました。

これに関係し、11月9日のNew Kerala NewsにIndia needs USD 500 bn for core sector in next five yearsという記事が出たのでその要約や周辺情報をお伝えします。

久々のアジア地域ニュースです。

この記事は、11月9日、在オマーンインド大使館前に集まった人々を前にインドのシン首相は、「今後5年間にインフラ開発に5000億ドル超が必要だと語った」で始まっています。そして「特に農業や地方開発を重視しており、また若者への新たな機会が勃興していることから、インド史上最大の大型教育、社会福祉、技術開発および就業プログラムを推進する」としています。

現在の世界金融危機について、インドの成長率は今後5年間に下落をみるだろうが、来年の成長率は7から7.5%の達成が可能であり、インド経済のファンダメンタルズは大変堅調、これに加え、インドの銀行システムや金融機関は健全だし、政府は世界の動きを把握し短期・長期の両方を視野にいれ、さらなる成長を目指しているとしてます。

インド人の数学頭脳は定評がありますが、それと実態経済との連動はどうなんでしょう?アイスランドの破綻は金融立国を目指し金融工学の専門家の意見を重視しすぎたからだと思っています。それに来年(2009年)は7%の成長なんて言われると、つい本当?と天邪鬼は言いたくなります。

さらにシン首相は「インドの人口構造は若く、これがインド経済を牽引していくだろうし、国内貯蓄率はGDPの35%であり、投資率はGDPの37%だ。」と述べています。

そこでインドの人口統計をサーチしてみたところ、2001年推計で10-14歳を最大とし、その後減少に転じているちょっとひし形っぽいピラミッドの図表とインドは2030年ごろには中国を抜いて世界一になると推計され、さらに2050年にインド人口は16億人に達するとした図表が出てきました。

どちらにしても15年ぐらいは人口増が続くということで、一人っ子政策のため急速に高齢化してゆくといわれている中国よりはいいかも。

あのエネルギッシュさで進めば怖いものなしですが、それと国内の法制度や根回しシステムは別物。鉄道だ、道路だ、港湾、空港整備だと言われても、なんとも進まない現状はどうするんでしょう?

ケインズ的公共投資による景気浮揚策に批判的な私ですが、インドの場合、適切な交通手段や上下水道、電力の確保はマストでしょう。
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by fukimison | 2008-11-11 11:50 | 公共財